中富良野の「一時停止」交差点は警察官のドル箱

 中富良野町の「ファーム富田」近くを走る、通称〝基線道路〟と呼ばれる町道での交通取締まりが、町民らからひんしゅくを買っている。夏の観光シーズンには〝一時停止違反〟の車がひっきりなしに青切符を切られ、ラベンダーの思い出もかき消され、苦々しい記憶だけが残ってしまう。交通違反に厳しい対応が必要なことはよく分かるが、取締まり側には、違反を誘発しないための対策があってもいいのではないか。

サイレン鳴らし獲物追う
中富良野町のJR富良野線を挟んで国道237号とほぼ並行して走る町道は基線道路と称され、特に夏期はファーム富田やスキー場を利用した花畑などの観光施設を目当てに多数の車が往来する。
実はこの基線道路にはずいぶん前から地元民の間で、「ドライバーにとって〝要注意〟」とされている交差点が2ヵ所ある。どちらも同町市街地方面からの道路が、基線道路と交わるところにあり、交差する道路のいずれにも一時停止「止まれ」の標識が立っている。
道路幅は基線道路の方が広く、市街地から来る道路はいわば〝脇道〟のようなもの。一般的感覚では基線道路がいわゆる〝優先道路〟であり、こちらには「止まれ」の標識など不要のようにも思われる。
そのため、基線道路を走っている車のドライバーが、つい標識を見落としてしまうのも分かるような気がする。もっと言えば、なぜここに「止まれ」の標識があるのか理解しかねる。
〝要注意交差点〟の評判を聞きつけ、7月中旬の平日の夕方、現場に行ってみた。
案の定、T字型交差点から30㍍ほど手前の道路わきに北海道警察のパトカーが潜んでいた。基線道路を富良野方面へ走る車からは脇目をしていれば気がつくが、旭川方面へ走る車からは、陰になっていてまったく見えない。車の中では2人の警官が注意深く交差点方向を睨みつけている。
その矢先、獲物を追うトラのような速さでパトカーが赤色灯を回し、サイレンを鳴らしながら急発進し、時速10㌔程度のスピードながら一時停止を怠り、交差点をすり抜けた乗用車を追いかけた。
その乗用車は富良野方面へ向かっていたが、交差点から200㍍ほど先で停止を求められた。すぐさま警官の一人が違反車に駆け寄り、窓ガラスを開けるようドライバーに話しかけ、その間にもう一人の警官が停車中のパトカーの後部に手際よくロードコーンと矢印板を配置した。
その後どういう展開となったかは、車を運転する者なら誰しも一度は経験したことがあるだろう。青切符を切られ、警官から「この先は気をつけて運転してくださいね」とやさしい?声をかけられながら、重い気持ちでハンドルを握ることになるのである。

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中古車販売JU旭川で巨額横領

 旭川で起きた業務上横領ではおそらく被害額が最高となるだろう。中古車販売店全国ネットJU傘下の「JU旭川」の真下仁志専務理事(50)は1億8000万円もの大金を使い込み、8月7日刑事告発された。本人は「すべて競馬に使った」と話している。(記事は8月7日現在)

「決済できない」
中古車販売店のネットワークがJU(日本中古自動車販売協会連合会)。北海道、東北、関東甲信越、中部、近畿、中四国、九州と各ブロックごとにグループを形成、会員事業所数は総計9700社を超える。
ju 北海道ブロック「JU北海道」はさらに7支部に分かれており、JU旭川は7支部のうちの一つだ。
旭川地方中古自動車販売協会(武石正志会長、以下協会)と旭川地方中古自動車販売事業協同組合(武石正志理事長、以下組合)の2組織でJU旭川は動いており、鷹栖町8線西2号に事務所を置く。協会員は78社。協会員のうち38社で組合をつくっている。月2回ペースで中古車オークションを開催するのが主な事業だが、金融(ローン)なども含めた事業を行うのは組合。事務局は真下専務理事と男女一人ずつの職員の計3人。
旭川ではおそらく過去最大の被害額だろうと思われる業務上横領は、高速道路インターチェンジに近いこのJU旭川を舞台に行われた。
複数の関係者の話を総合すると、発覚に至る経緯はおよそこんな風である。
7月11日金曜日、真下専務理事は「札幌で会議がある」とのメモを男性職員の机に残し、その日は出社しなかった。土日2連休が終わった週明けの14日月曜、今度は専務理事から「体調が悪いので病院に寄っていく」との電話が入った。結局、この日も休み。翌15日、今度はメールで体調不良を告げてきた。
体調を悪くすることはこれまでにもあったが休むことはほとんどなかった。心配した職員が専務理事に電話を入れたが、携帯の呼び出し音が鳴り続けても本人は応答しないし、折り返しの連絡もない。不審に思った2人の職員は武石氏ら役員に連絡。武石氏ら役員も専務理事の携帯にかけたが、呼び出しの音はするがやはり本人は出ない。「電話にも出られないほどの状態ではないのか」と危惧した1人の役員が専務理事の自宅を訪ねた。専務理事の妻が応対に出たが、反応は予想外のものだった。「今朝もいつものように出社しましたが…」

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2014旭川市長選 自民党土壇場で東国幹に出馬要請

 旭川市の西川将人市長が8月8日、任期満了に伴う市長選に3選を目指して出馬する方針を表明。これに急かされた形で、自民党旭川支部は候補擁立に向けた人選作業を再開。支部長を務める東国幹道議に土壇場で出馬を要請して最終調整をはかりたい考えだ。仮に東氏が出馬を受諾し、西川市長との一騎打ちとなれば、〝東西対決〟となるが…。(記事は8月8日現在)

前回より早めの出馬宣言
西川市長は7月29日夜、ロワジールホテル旭川で開かれた後援会主催のビールパーティーでこの秋の旭川市長選(11月2日告示、9日投開票)に前向きな姿勢を示し、8月8日には出馬を表明した。前回、2010年市長選では9月上旬に出馬表明し、支援者から「時期が遅い」との指摘もあり、今回は早めの表明を模索していた。
東西川市長は06年に民主党の推薦を受け、新人5人が乱立する混戦を制して初当選。子育て支援や企業誘致の促進などを軸に市政の舵取りを担ってきた。昨年は贈収賄事件で市職員が逮捕されたものの、入札制度の見直しを打ち出し、組織的な関与はなかったと主張、西川市長個人にとってそれほど大きな打撃にはなっていない。

アベノミクスも追い風に
財政面については、市税収入の回復などを通じて困難な状況には陥っていないばかりか、自民党にとって皮肉なことに安倍政権の経済政策「アベノミクス」の財政出動によって公共事業が増え、旭川の景気も若干、持ち直してきている。このように西川市長にとって、決して市長選に向けて逆風は吹いていない。
この4年間、西川市長は主要公約に位置づけていた「まちづくり基本条例」の制定など、ソフト面の施策にも力を注いできた。現在、最重要課題の一つとしてとらえているのが、中心市街地の活性化問題だ。今年度、旭川市は買物公園周辺を高齢者のための健康づくりの拠点として整備していく構想を掲げている。
老朽化に加え、耐震性に問題のある市庁舎の建て替えについては、財政面や建設地などの議論が今後、本格化する見通し。ただ、2期目の公約に掲げたはずの北彩都地区シンボル施設構想は、民間企業からの応募がなく難航しており、西川市長はこうした課題に継続して取り組む考えだ。
8月8日の記者会見で西川市長は「子育て支援や地域力の向上、旭川空港の機能拡大、再生可能エネルギーの導入などにも積極的に取り組み、市民と議論を進めながら道筋をつけていきたい」と語った。

「ありえない話」(東)
西川市長の出馬は予想通り。注目されるのは自民党の出方だ。8年ぶりの市政奪還を目指す自民党は、今年2月に「候補者選考委員会」(森本茂廣委員長)を中心に候補者選びをスタート。この選考委内の議論と並行しながら、今津寛衆議と加藤礼一道議会議長、東道議の選考委顧問3人が、それぞれ出馬の可能性がありそうな人物への打診を行ってきた。
しかし、加藤氏が〝意中の人物〟としていたフリーキャスターの佐藤のりゆき氏からも、今津氏が説得した森山病院理事長の森山領氏にしても「お断り」の回答。選考委は次回開催の見通しも立たず「機能停止」の状態となり、支部内では幹部の責任論まで噴出した。
西川市長が明らかにした出馬の意向に促されるように、選考委はようやく再び動き始め、6月13日以来、約2ヵ月ぶりの会議が8月12日に開催される予定となっている。
この選考委では、当初から今津氏が推していた東支部長を候補に立てたい腹づもりのようだが、当の東氏は8月5日、本誌の取材に対し「ありえない話。今は道議会自民党議員会の幹事長職を辞めるわけにはいかないだろう。今津先生の思いも十分理解できるが、ご期待に応えるのは至難なことだ」と話している。
ただ、複数の党関係者は「支部内のアンケートでも人気ナンバーワンだった東支部長で最終調整をはかり、選考委の意見が一致した時点で本人に出馬の要請を申し出ればきっと理解してもらえるはず」などと語り、東擁立に望みをかけている。
西川市政に対しては、一定の評価を示している保守系関係者もいるが、選考委の顧問を務める3人はさまざまな場面で「改革への意欲やリーダーシップが足りない」などと強調し、「必ず勝てる候補を立てる」と対立姿勢を崩していない。

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