覆面座談会 除雪現場からの訴え「もう限界!」

 雪国で暮らす人たちにとって除雪は最大の関心事と言っても過言ではないが、とかく市民側の声がクローズアップされるばかりで、実際に作業に携わる人たちが抱く様々な感情についてはなかなか伝わってこない。旭川の除雪体制はどうなっているのか。市内の除雪作業に携わる現場の人たちの声を拾い上げ、覆面座談会形式で取り上げてみる。

覆面座談会の出席者は次の6人。進行は本誌。
A(除雪センター勤務)
B(除雪ドーザー運転手)
C(ダンプ運転手)
D(元旭川市臨時職員)
E(警備会社職員)
F(元除雪センター勤務)

マンションは融雪装置を設置すべき
snow─まずは除雪の現場をよく知る皆さんが、日頃感じていることからお話しください。
B 私は除雪ドーザーを動かしていますが、マンションや駐車場、それに一般の住宅でも、車庫があって通路があって駐車車両があれば、道路に面している部分を全部開けて、その雪は付近の住宅のどこかに置かなければなりません。
E 警備しながらいつも除雪作業を見ていますが、特にマンションが何軒も続いて建っている道路は大変なようです。
B ほんとに、雪を置く場所がなくて作業が大変です。交差点くらいしか置く場所がないんですよ。そうすると見通しが悪くなる、事故に結びつく。悪循環ですね。
A マンション、駐車場の経営者には近くに雪の排雪場所の確保、それが出来ない場合は4戸以上の賃貸マンションや一定台数の駐車場には融雪装置の設置を義務付けるようにする。それとともにママさんダンプや機械による道路への雪出しに対しては罰則規定を作らないとダメですよ。罰金ですよ。厳しい条例の設定が絶対必要です。
─そうなるとマンション経営者は大変ですね。
A マンション、駐車場の経営者はビジネスとして利益を得ているのですから当たり前ですよ。
それとマンション、駐車場、住宅等いかなる場所においても、道路に面する部分のうち最大50%くらいまでしか除雪しないという規定を設けるとか。一般の家庭も含めてそのくらいやらないと問題は解決しませんね。ちゃんとやっているところが多いのですから、そうしないと平等でないですよ。

フライパン一つ分の雪で呼び出された
─市は除雪業者に契約以上の排雪をさせるという話も聞きますが。
F それは4等級道路(交通量が少ない住宅地の道路や郊外の道路)のことだと思います。市道は1〜5等級に分かれています。その中で4等級道路は比率が一番多くて生活に密着した道路なんです。本来4等級路線は全部排雪しなくていいのですが、今は排雪するのが当たり前になっていますね。どうしてそのようになったのかわかりませんが。また市民にとってもそれが当たり前になっているようです。
A 除雪センターでも色々な考えがあって、温度差もあります。市の土木事業所でも心得ていて、契約に基づいて行動する業者はあまり現場に呼ばず、自分達の言うことを聞いてくれる業者、特にセンター長は事業所に逆らえない立場なので指名が多くなります(笑)。どちらかというと事業所はうるさい市民には弱いですね。
D 事業所には、自分がその職場にいる時さえ良ければいいと考える職員が多いのも事実です。逆に、前任の職員が業者や住民とした約束事に縛られ、辛い思いをしている現職も多いですね。
F ある時、事業所の人に現場に呼び出され、「ここを削ってやってくれ」と言われたことがあります。いくら見渡しても何もないので改めて確認すると、車庫の前にフライパンを引っくり返したくらいの雪があって、確認すると「そうだ」とのこと。あきれ返って開いた口が塞がらないとはこのことでした。

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この続きは月刊北海道経済2015年2月号でお読みください。

体力ない老人福祉施設は廃業の危機

 原則3年に一度改定される介護報酬。今年はその年にあたり2・27%減額される予定だが、職員待遇の改善も求められ、老人施設の経営者にとってダブルパンチになる。そのほか、老人施設が運営する訪問介護やデイサービスも減額の対象になっていることから実質10%近い減収となる施設もあり、体力のない経営者は廃業の危機に瀕している。

開設してわずか1ヵ月で破たん
昨年冬、旭川市内の住宅型有料老人ホームが、開設わずか1ヵ月あまりで経営不振に陥る事態になった。施設の工事費や運転資金など約2億円を金融機関から全額借り入れたが、「介護ブローカー」と呼ばれる人物に、施設開設までの指導料として1000万円を超える金を支払ったため、運転資金が底をついて〝万事休す〟となった。その後、この施設は別の業者に1億円で売却されて運営されている。
破たんした経営者は、介護施設で働いた経験があり、ケアマネージャーの資格を持つ優秀な介護職員だったといわれている。ただ経営者となると、多くのスタッフを管理する経営センスが求められる。資金力も必須の条件。少なくとも半年以上は赤字経営が続けられる体力がなければ、この業界には生き残れない。
手元資金がなく、資金の大半を金融機関から借り入れたためこのような事態となったのは、経営者の見通しが甘すぎたといえばそれまでだが、ある業界関係者は「開設準備を依頼した介護ブローカーにまんまとせしめられた。介護業界の経験が豊富でも、素人考えで経営はできない」と、認識の甘さを指摘する。
こういった事例は、旭川の他の施設でも少なからず発生している。以前本誌には、手元の資金が乏しく、ほとんど金融機関に頼って施設を開いたものの、開設当初はなかなか入居者が集まらず、破たん寸前までいった経営者から情報が寄せられた。この経営者はベテランの同業者に支援を求めてピンチを打開しようとしたが、条件を巡って折り合いがつかず、本誌の取材に「だまされた」と語った。しかし、この経営者の言葉から伝わってきたのは、むしろ経営計画の甘さだった。

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MUKU工房、品質の家具をネットで全国に販売

 書籍、衣類、家電製品…。いまや自宅にいながらにしてパソコンやスマホを操作し、「ワンクリック」で買い物するのが当たり前だが、より高価で大型な商品である家具の業界にも時代の波が押し寄せている。旭川や近郊の地域で製造される高品質の家具を、ネットを通じて全国に販売しているのが「MUKU工房」(運営会社=㈱北廊、旭川市宮下通1丁目)だ。

魅力をネットで証明
旭川市民にはあまり知られていない家具の小売店がある。繁盛はしているが、国道から一本奥の路地に面した店の中に客の姿はない。この店の「売場」はインターネット。パソコンやスマートフォンを通じて、年間延べ60万人の客が自社サイトや楽天上のサイトに「来店」する。
取り扱っている家具はテーブル、チェア、ソファ、ベッド、キャビネット、TVボードなどさまざま。店名が示す通り、どの商品も木目や肌触りを生かした「無垢材」を使用している。このほか、文具、カードケース、トレー、文鎮、印鑑ケースなどの木工クラフトの品揃えも豊富だ。
「旭川の家具やクラフトの魅力は、高い技術力に裏打ちされた美しさです。それをネットを通じて全国の消費者に紹介できることにやりがいを感じています」と、北廊の社長を務める永原大介氏(40)は語る。
国内の家具市場はニトリなどの量販店が販売する大量生産品が主流となっているが、MUKU工房の家具は高級感のある少量生産品が中心であり、中には椅子一つで値段が約104万円という品もあるのだが、本州から続々と注文が寄せられる。「旭川の家具はすばらしいということを、ネットでも証明できました」と、永原氏は木工職人の実力を称える。

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