旭川市発注道路工事  異例のやり直し

旭川市が発注した市道工事で、基準の砂利の量が極端に少ないことが判明。請負業者に市が全工事区間でやり直しを命じるという異例の事態に発展した。市には今後監督責任が問われ、部長以下の懲戒処分が行われることが予想されるほか、業者には指名停止などの厳しい措置が取られることになりそうだ。

西神楽の市道
道路工事問題となっている工事は、西神楽3線23・24号間1号線の市道改良工事。JR千代ヶ岡駅の真裏にある国道237号と並行して走る道路で、小中学校に隣接しているため、地域住民が頻繁に利用するほか、国道が混雑している場合は〝抜け道〟として重宝されている。
工事区間は約180㍍で、幅員は6・7㍍。歩道部分が1・7㍍で、車道部分が5㍍となっている。歩道と車道の間には当然、縁石が敷き詰められることになる。
市が落札予定の最高額として示した設計金額は1614万円。つまり、これ以上の価格で入札した場合は、落札とならない。また、あまりに低い価格で入札した場合も、落札対象から除外される。その最低制限価格は設定されているものの、入札時点では公表されていない。
入札事情に詳しい市議会議員によると「かつては最低制限価格が設定されていない時期もあったが、それではダンピングで工事を落札する業者が出てきて、業界がパニックになったことがある。このため現在では最低制限価格を設定しているが、これを公表するとその額スレスレで落札する業者もいる。このため市では最低制限価格を定めていても、公表しないのが通例になっている」という。
さて、この工事の入札が行われたのは昨年の9月30日のことだった。
入札に参加したのは「石持建設工業」、「歌原戸田建設」、「凰土建」、「火薬開発工業」、「コタニ工業」、「コハタ」、「大協」、「松藤土建」の8社だった。
結果は、永山に事務所を構える凰土建(吉村幸市代表取締役)が落札した。額は1439万1300円。設計金額に対する落札率は約89%と90%を下回った。
〝2番手〟は歌原戸田建設で、凰土建との差はわずか5700円だった。次の石持建設工業とも2万2700円の差、さらに火薬開発工業とも5万8700円の差だった。1500万円規模の工事で、5000円、あるいは5万円の違いというのはまさに〝僅差〟の部類。凰土建が落札できたのは幸運としかいいようのない状況だったようだ。

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ウッドシティ旭川、破産の軌跡

 23年前、東旭川の工業団地に家具製造関連の事業所を集約するために設立された協同組合ウッドシティ旭川(高木均代表理事)が5月29日、旭川地裁から破産開始決定を受けた。負債総額は約14億8400万円。設立時の加盟企業8社が倒産・廃業・脱退したため、商工中金や道から借りた高度化資金の返済ができなくなり、破産のやむなきに至った。バブル期に絶頂を極めた〝旭川家具〟衰退の爪痕でもある。

共同融資を目的に8社で協同組合設立
協同組合ウッドシティ旭川は、旭川市内の家具製造業者、木材木製品製造業者らが、東旭川の工業団地に集団移転し、生産性の向上など経営の合理化を図るため、中小企業等協同組合法に基づき平成2年12月25日に設立された。
設立時の組合員は、小林木工㈱、㈱日家工芸、㈱田村木工、㈲日清建具、㈱和光、日光産業㈱、㈲佐藤工芸、小林通商㈱の8社。各社の社長が組合の理事となり、代表理事には小林正吾氏(小林木工)が就いた。
組合設立の一番の目的は、政府系金融機関や道の高度化資金貸付制度を利用し、共同融資を受けることにあった。各社の社屋や工場の建設、敷地取得のために必要な資金を組合が窓口となって一括で借り入れ、組合員は20年の分割で組合に返済するという仕組みで、いわゆる転貸融資。
組合が融資を受けるにあたっては理事が連帯保証し、各組合員が使用する土地建物については組合が所有権を持ち、商工中金と道が抵当権(共同抵当)を設定した。組合員が組合に対して弁済を終了した時点で抵当権を解除し、所有権を組合員に移すというものだった。
組合を設立して借り入れた金額は、合計で26億7420万円。8社で割ると平均で約3億3400万円。中小企業が1社でこれだけの融資を希望したとしてもかなりの難関となるところだが、事業協同組合という組織体がそれを可能にし、工業団地への集団移転が実現した。
平成に入った頃はバブル期の真っ盛り。各社の社屋や工場は贅を尽くした豪華なものだったが、返済期限の20年後までのことを的確に予想できる組合員はいなかったようだ。返済が始まって10年を過ぎた頃から、バブル崩壊の波に洗われ、組合員企業が相次いで倒産の憂き目にあった。

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旭川市新庁舎建設候補地の〝優劣〟

 旭川市の新庁舎建設地として候補にあがっているのは3ヵ所。各種団体との意見交換やタウンミーティング、近々設立される審議会での議論を経て年明けには絞り込まれる。本命〟と言われるのは「現庁舎周辺」だが、仮庁舎確保という問題を抱える。民間資本活用方式の「買物公園・須貝ビル跡地」、市民アンケートで要望が強かった「北彩都地区」。3候補地それぞれの優劣は──

50団体と意見交換
build 旭川市は今、「新市庁舎整備」をテーマに、各種団体との意見交換を精力的に進めている。5月13日の「旭川建築協会」が皮切りで、その後「旭川市社会福祉協議会」「旭川地区ハイヤー協会」「中小企業家同友会あさひかわ支部」「旭川商工会議所」、それに各地域まちづくり推進協議会などと続いている。意見交換を予定しているのは約50団体だが、6月末までにほぼ半数を消化した。
 市民との意見交換は、今春までにとりまとめた建設候補地、規模、事業費の概要を市側が示し、これに対する市民の意見を聞く形で進行。参加者の一番の関心事「建設地」についての意見が多いようで、また新庁舎のより身近な機能への注文、提言も出ている。
 意見・提言は集約され、8月に設置される予定の「庁舎整備検討審議会」に提出され、審議会は年明けに答申を出すスケジュールだが、7月に入ってから西川将人市長が「年内か年明け早々には建設地を固めたい」と発言している。旭川の街の〝未来図〟を決める新庁舎建設地選定の時間はわずかしか残っていない。
 旭川市の庁舎は分散している。6条9丁目にある「総合庁舎」は1958年に建てられたもので、規模は地下1階地上9階延べ床面積は1万2000平方㍍。市民課、税制課、納税課、行政改革課など主要部署が入っている。83年に竣工した8条10丁目の旭川振興公社ビルが「第二庁舎」。消防本部、保健指導課などが入居。旧上川支庁が永山に移ったあとの建物が6条10丁目の「第三庁舎」で、スポーツ課、土木課などの部署がある。
 このほか、5条10丁目の「五条庁舎」、民間から賃貸している「セントラル旭川ビル」「朝日生命ビル」。計6ヵ所に分散化しているのが実情だ。
 最も古い総合庁舎は3年後には〝還暦〟を迎える。97年に行われた耐震診断で「危険性が高い」と指摘されたが、旭川市は地震が少なく、また財政が逼迫(ひっぱく)していたため建て替えは先送りされた。しかし11年の東日本大震災で耐震問題が再びクローズアップされ、市は内部組織の検討委員会を立ち上げ、検討委員会は13年に「現在地周辺での建て替えが適当」との意見をまとめた。
 その後、選択肢を広げるため他の建設地を含め検討。市民懇話会を設置し、また市民アンケートも実施。再度、庁内に検討組織を設け、想定される規模や建設候補地、概算事業費などを整理した。「老朽化、分散化を解消し、災害などの危機管理に対応。市民でにぎわい親しまれる庁舎」というのが新庁舎整備の基本的方針だ。

3地区5プラン
 市が絞り込み、各種団体との意見交換で示した建設予定地は「現庁舎周辺」「買物公園」「北彩都地区」の3ヵ所。
 そのうち、現庁舎周辺の場合は計画は3通りのパターンが想定されている。
 パターンAは、現総合庁舎を取り壊しその場所に新庁舎を建設。第二庁舎(旭川振興公社ビル)はそのまま活用し、第三庁舎(旧上川支庁)は取り壊し駐車スペースとするプラン。新庁舎は7階建ての想定で、整備費は149億円だ。
 パターンBは、現在の第三庁舎敷地に7階建て新庁舎を建設し、第二庁舎はそのまま活用し、現総合庁舎は取り壊す。整備費は推定137億円。
 パターンCは、第三庁舎敷地に5階建て庁舎を建設し第二庁舎も活用。さらに現総合庁舎を〝減築〟し、3階以上は解体するが2階までは再利用するプラン。整備費は140億円を見込んでいる。
 2番目の建設候補地である買物公園は旭川市6条7丁目須貝ビル跡地を活用するプラン。現在民間駐車場となっている場所に8階建ての新庁舎を建設する。現在使っている庁舎のうち、第二庁舎はそのまま使う。事業費は99億円の見込みだ。
 北彩都は、市が所有する宮下通11丁目、14街区15街区と呼ばれる場所で、2区画に分かれているため6階建てと5階建ての二棟の庁舎を新築する。整備費は157億円。
 ※市は整備費を「直接建設」「PFI」「リース」の3方式で計算しているが、記事中は直接建設方式による整備費。直接方式とは、設計、施工を請負方式で発注する方式。

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旭川市が理系大就職説明会に参加

 旭川市は深刻な技術系職員の不足に陥っており、中でも土木職員の不足が著しい。公共事業の増加で求人が増加し、民間の建設業者の間で激しさを増す人材の奪い合いが自治体にも飛び火したかたちだ。人材確保を目的に、旭川市は今年度から道内の理科系大学の就職説明会に参加している。道内の自治体では、札幌市や北広島市など道央圏の自治体にもこうした動きが広がっている。旭川市の対策がどこまで効果を上げるのかが注目されている。

いびつな年齢構成
旭川市の職員分布図によると、市の技術系職員(建築、土木、電気、機械、化学、保育士など)は2015年4月1日現在、フルタイムの再任用を含めて390人が在籍している(派遣受入職員と教育長を除く)。2900人あまりが在籍する市職員の約13%を占めている。
年齢別構成比で見ると、42歳が25人と最も多く、次いで40歳の23人、59歳の22人と続く。42歳と40歳は、いわゆる団塊ジュニアと呼ばれる世代で、市人事課では「他の世代と比べ人口比率が高いことも影響しているのではないか」と説明する。
一方、最も技術系職員が少ない年齢は、20歳の1人。次いで19歳と52歳の2人。3人は21歳と54歳。管理職の年代になる52歳と54歳の職員が極端に少ないために、40代で課長職に就き50代早々と部長職に就いた職員もいる。
市のある部長は「私も50代前半で部長職に就いたが、特に能力があったわけではなく、同期の職員がほとんどいなかったからだ」と謙遜するが、他の年齢層に比べて極端に職員の数が少ないことが異例の人事に影響していることは確かだ。
このように年齢別の構成に大きなばらつきがあると、業務上、支障をきたすことがある。一般的によく言われるのがジェネレーションギャップだ。世代の違いで、意思疎通がうまくいかないという問題は、いつの時代、どの職場でも起きている。中間層にあたる年齢層が極端に少ないと、ベテランと若手のコミュニケーションが一段と難しくなるのは避けられない。
そのほか技術系職員の場合、長年受け継がれてきた技術やノウハウをうまく継承することができなくなる心配もある。民間企業と同様、市役所の一部の部署にも「職人技」といわれる技術の継承を必要とする職種もあり、それが2年や3年で簡単に受け継がれるものではなく、10年以上の歳月を要する。若い世代の人材が不足していれば、ベテランは技術を伝えたくても肝心の相手がいない。将来的に技術を継承していくことができなくなるというわけだ。ジェネレーションギャップの影響も含め、いびつな年齢構成が深刻な問題となっている。

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ホームレス予備軍増加の不安

 日中は図書館や道の駅などで仮眠し、夜は凍えないように街中を歩き続ける─そんな困窮した生活を送るホームレスの姿を旭川市内で見かけることがなくなった。市の実態調査では2013年から3年連続で、その数は「ゼロ」を更新中だが、その一方で、いつ路上生活に陥ってもおかしくない「ホームレス予備軍」が市内には数多く存在するという課題が浮かび上がっている。

市内15か所を調査
ホームレス支援 住む場所を失い、駅や公園、橋の下などで生活するホームレス。旭川市内では、中央図書館や旭川駅舎などでホームレスと思われる人たちが仮眠をとる姿が数年前まではよく見られたが、最近はそうした姿を見かけることがなくなった。
厚生労働省では2002年から各自治体の協力のもとで「ホームレスの実態に関する全国調査」を実施しており、旭川市は毎年1月下旬に調査を実施。市福祉保険部生活支援課の職員が旭川駅や道の駅、中央図書館などの公共施設をはじめ、イオンモール旭川西など市内15か所を巡回し、施設の管理者などから聞き取りを行ってホームレスの数を確認している。
調査を始めてから最も数が多かったのが2003年で25人。その後は徐々に減少し、09年が4人、10年が6人と一桁が続き、11年と12年には2人となり、13年にはついに「0人」となった。さらに14年、そして今年1月の調査でもホームレスの存在は確認されず、3年連続で「ゼロ」を更新中だ。
この理由について、同課では「民間のボランティア団体の協力を得ながら行ってきた支援対策の成果と思う」と話す。

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