ホノルルマラソンに情熱90歳ランナー

 「世界一美しい風景を走るマラソン大会」とも呼ばれるハワイのホノルルマラソンだが、参加したランナーたちが味わう感動は特別のものらしい。旭川市に住む90歳の〝炎のランナー〟塩田富治さんも、そんな感動を昨年12月の大会で味わった。塩田さんがマラソンに注ぐ情熱とは─。

家族でホノルル体験も
 現在、「旭川走ろう会」の顧問を務める塩田さんは美幌町出身。元々スキーが好きで、小学生の時には学校まで片道約4㌔の道のりを冬は毎日スキー通学した。クロスカントリー(距離スキー)では全日本スキー選手権大会で全国2位、国体の壮年組で優勝5回という輝かしい実績を持つ。
 そんな塩田さんは1945(昭和20)年4月に徴兵され、8月の終戦で復員すると、戦後の荒廃した地域を復興するのに何かできないかと思案。そこで美幌の青年団と一緒に始めたのが陸上だった。町内の大会では陸上だけでなくスキー競技も開催し、町を活気づけた。自身、52年には東京・代々木で開かれた全国青年大会に北海道代表として出場し、1万㍍の部で優勝を果たしている。
 国鉄職員として53年に旭川駅に赴任してからは、仕事のかたわら5000㍍競技をはじめ、駅伝のメンバーとして道内外の大会に参加。長距離競技の有力選手として鳴らしてきたが、フルマラソンへの出場機会はなかった。しだいに「ぜひ走ってみたい」「外国の地も踏んでみたい」との気持ちが芽生え、意を決して1990(平成2)年に初挑戦したのがホノルルマラソンだった。

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クレジット名義貸し訴訟 最高裁が審理差し戻し

 旭川市の呉服販売業者「㈲京きものあづま」(破産)に頼まれ、名義を貸してクレジット契約を結んだ名義上の顧客34人を相手取り、大手信販会社が未払い分の総額3700万円の支払いを求めた訴訟。最高裁は2月21日に言い渡した上告審の判決で「業者が重要部分について嘘の説明をしていた場合、支払いを拒める」と消費者保護を重視した初判断を示し、札幌高裁に審理を差し戻した。クレジット契約が結ばれるようになってから30年以上にわたり、何度も発生した名義貸し事件の被害者に、今度こそ司法が救いの手を差し伸べるかが注目される。

審では顧客に軍配
 京きものあづま(豊岡7条5丁目)は1975(昭和50)年に創業。呉服や貴金属、布団などの訪問販売を主体に、我妻養一社長宅の一部を店舗とし、年間5回程度の展示会も開いていた。過去には年商1億円をコンスタントに挙げていたが、顧客の高齢化などもあって苦戦を強いられるようになり、2011(平成23)年11月、破産に至った。負債総額は約4300万円にのぼる。
 同社が事業を停止した後、同社が顔なじみの顧客の名義を借り、信販会社と架空の販売契約を結んでいたことが発覚。しかし、同社に連絡が取れない事態となり、信販会社から顧客に請求が来るようになったため、今回のトラブルが表面化した。
 旭川弁護士会有志が行った実態調査によると、請求額は少ない人で約13万円、多い人になると223万円にのぼり、夫婦合わせて258万円請求されたケースもある。有志は12年1月、被害者説明会に続き、「京きものあづま被害者弁護団」を結成。当初は、信販会社「ジャックス」(東京都渋谷区)と「オリエントコーポレーション」(東京都千代田区)との裁判外交渉を通じてクレジット代金の減免交渉を行っていく意向だったが、交渉が決裂し裁判に発展した。
 旭川地裁で14年3月に下された1審判決では、田口治美裁判長が「店側は『代金は店が負担する』などと顧客に虚偽の説明をしており、客に支払い義務はない」と信販会社2社の請求を退けた。09年に施行された改正割賦販売法(改正割販法)には「虚偽説明に基づく契約は解約できる」との規定が設けられているため、この規定を準用。信販会社側の「支払い義務を負うことを理解した上で名義を貸し、契約を結んだ」とする訴えを退けた。顧客側の「信用力のない別の客に名義を貸してほしいと頼まれた。商品も受け取っておらず、店が信販会社から得た金額を事業の運転資金にしていた」とする主張を認めた。

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エコ・スポ債権放棄した旭川市

 旭川市政に大きな汚点を残した『エコ・スポーツパーク構想』。住民訴訟が勝利し約2850万円の賠償金支払いが当時の市幹部と東京のコンサルタント会社に命じられたが、市は利息でふくれ上がった残債の放棄を決めた。〝主役〟のコンサルタント社長からは一銭も回収することのない幕引きは、旭川市の怠慢だ。

農政部次長自殺
「エコ・スポーツパーク構想」は、菅原功一元市長が公約に掲げた事業。1997年に記者会見を開き、市内神居町の山林約244㌶を開発し、クロスカントリーコースやスタジアムを核とした公園を造成すると発表。
 全日本学生スキー選手権(インカレ)の誘致やクロスカントリー競技の国際大会誘致も目指すとした。
 隣接地には農村公園や市民公園も整備する計画で総事業費は約25億円。2002年の完成予定で、98年に事業に着手した。基本計画や土地利用構想の策定のほか、環境影響調査など5つの業務委託が行われた。
 しかし、引き続き基本設計、実施設計に入ろうとしていた矢先の99年6月に、当時の農政部次長が東光地区で自殺。本誌が「市の発注事業になんらかの不正があったのではないか」と疑問を投げかけたことがきっかけとなり、業者との不明朗な契約が次々と明かるみに出ることになった。
 その年、市議会で大きな問題となり、旭川市始まって以来の特別査察まで行われることになり、『エコ・スポ疑惑』、『エコ・スポ問題』として世間を騒がせることになる。

不透明な契約
 特に問題視されたのは農政部が関わった土地利用構想策定業務と市教委が中心となった基本計画、地形図の作成業務。この3つの業務はいずれも東京に本社があったコンサルタント会社「アーマンドシー」(以下、ア社)が指名競争入札ではなく、一社単独の随意契約で受注していたのだった。
 しかも、このア社の五十嵐宏泰社長は、当時の冨所博信・農政部長、そして市教委の和嶋正幸・教育次長と旭川北高11期の同級生という間柄。また、当時、市議会与党に属していた杉山允孝議員、園田洋司議員も同じ11期組だった。そんな人脈が働いて「ア社への業務委託が競争入札なしで行われたのではないか」との観測が流れた。
 そして随意契約という不透明な発注で、ア社には約2850万円の委託料が支払われた。議会からはずさんな業務委託は無効だとのクレームが付いたが、市は担当職員に対して形式的な処分を行っただけで、委託料の返還を求めるという対応には至らなかった。

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市営住宅退去者の家賃滞納 「ニッテレ」社に回収依頼

 家賃を滞納したまま旭川市の市営住宅を退去した人からの債権回収を促進するため、市は昨年12月1日、ニッテレ債権回収㈱(東京)と収納業務について委託契約を結んだ。退去者の家賃滞納は2016年3月末時点で累計1億4400万円に上り、その中で市が回収不能と判断した全体の2割程度について同社に回収を依頼している。年明けから1ヵ月程度の期間で数人から収納するなど、その効果が見え始めている。

収納率の低下へ打開策
 旭川市では市内の29ヵ所に市営住宅を設置して、所得水準など一定の条件を満たした市民に比較的安く賃貸している。しかし、すべての入居者が家賃を全額払うとは限らず、家賃を滞納したまま退去してしまう人も少なくない。中には市に移転先を知らせなかったり、度重なる督促に応じない人もおり、滞納額の収納率は低迷が続いていた。財政難にあえぐ市にとっては頭の痛い問題だ。民間のノウハウを利用することで債権回収を早めたいと考えた市が、白羽の矢を立てたのがニッテレだった。
 市のある幹部は「ニッテレの関係者は4、5年前から当市を訪れて営業活動を展開していた。
 市営住宅課は収納率の悪さに頭を悩ませており、ようやく民間に回収を依頼することを決めた」と語る。
 なお「ニッテレ」といえば日本テレビを連想する人が多いと思われるが、両社の間に関係はない。
 収納業務の委託業者はプロポーザル方式で公募したが、応札したのはニッテレ1社だけだった。市は過去の実績から収納業務を委託できると判断して、昨年12月1日に契約を結んだ。
 ニッテレは債権回収のプロとして、全国各地の自治体と同様の契約を結んでいる。同社のウェブページによると、昨年1年間で結んだ委託契約は45件。契約先のなかには市町村ばかりではなく道府県もある。北海道も同社に公営住宅の退去者からの収納業務を依頼しているが、滞納額の6%程度を収納した実績がある。この額が多いのか少ないかは判断しにくいが、収納不能とあきらめていた滞納額のうち中で少しでも収納できれば「御の字」というのが自治体側の見方だろう。
 また同社の収納業務は、昨年旭川市と契約を結んだ退去者の家賃滞納に止まらず、母子福祉資金等貸付金や育英資金返還金、水道料金、公立病院の診療費など多岐に渡っている。ただし、市民税や固定資産税といった公的債権の収納は法的に認められていないため、対象はこれら私的債権に限られている。

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