旭川最古の地域イベント「こたんまつり」60周年

 アイヌ民族の聖地として知られる旭川市の神居古潭(神居町)で旭川最古の地域イベント「第60回こたんまつり」(実行委主催)が9月23日に開かれ、家族連れや観光客など約7000人が訪れた。アイヌ文化の伝承や神居古潭地域の特産品のPRを目的に毎年「秋分の日」に開催し、今回のテーマは「温故知新」。開会式で来賓の笠木薫旭川市議会議長は「神居古潭は魔神が棲んでいたという伝説が残る神秘的な地域で、アイヌの人々が受け継ぐ古式舞踊や伝統儀式が末永く継承されますように」などと語った。
 名寄市の富岡達彦さんが扮する一日駅長の合図とともに汽笛が鳴り、イベントを開始。旭川チカップニアイヌ民族文化保存会と帯広カムイトウウポポ保存会のメンバーが、まつりの由来でもある、石狩川に木幣(イナウ)を捧げるアイヌ民族の伝統儀式「カムイノミ・イナウ」を執り行った。60回記念コンサートでは帯広カムイトウウポポ保存会が、十勝で100年以上前にバッタが大量発生した実話を元にしたアイヌの古式舞踊を披露。演目「クリムセ(弓の舞)」は、弓を構えたものの、仲睦まじい鳥が舞っていたため、矢を射ることができなかったという踊り。歌に合わせて踊る「ポロリムセ(輪踊り)」では、観客も参加し和気あいあいとした雰囲気に包まれていた。

表紙1711
この記事は月刊北海道経済2017年11月号に掲載されています。

大丈夫か旭川電気軌道 不可解な役員の顔ぶれ

 今年3月の株主代表訴訟で始まった老舗企業・旭川電気軌道の経営スキャンダルは河西利記代表取締役社長辞任に発展した。10月11日に臨時株主総会が開かれいったん役員は総辞職し新役員が選出されたが、取締役6人、監査役1人、計7人の顔ぶれは不可解なものとなった。

河西社長辞任
 発端は、今年3月の株主代表訴訟だった。
 原告は電気軌道の株主24人。訴えによると、「元代表の豊島弘通氏は子会社3社を使って親会社である電気軌道の株式を取得するとともに株式を違法に名義変更し、巨額な背任行為を行った」。本来なら賠償を求める相手は元会長本人だが、2015年12月に82歳で亡くなっているため、損害賠償責任は相続財産に含まれるとして、妻と息子、娘の4人の相続人を被告として2億6433万円の損害賠償を求めた。
 この訴訟は相続人への損害賠償請求にとどまらず、子会社「㈲ヒューマック」の設立時の疑惑、実質的な子会社である「㈱光陽商事」のヒューマックなどへの不可解な事業移転追及へと波及していく。株主代表訴訟が起こされてから3ヵ月後の6月23日に開催された電気軌道の株主総会では、男性株主が「ヒューマック設立時に電気軌道が常軌を逸した低金利で資金を貸し付けたのは利益相反行為だ」と河西社長らを厳しく追及。「子会社である3社(旭友リース、エルヴ、上川商事)に議決権はない。(この総会での)役員改選は無効である」とも訴えた。
 総会開催の直前、光陽商事の社長(電気軌道の会計士でもある)を務めていた税理士の小関健三氏が突然辞任した。光陽商事は、電気軌道相手に燃料とタイヤ、自動車部品などの販売、自動車保険業務を行う会社で、電気軌道株108万5700株を所有する最大の株主。光陽商事の事業は、小関氏が休眠会社を見つけて買い取り新たに登記したヒューマックに次々と移されていた。小関氏が社長を辞任したことで、元社長の小山田実氏がトップに復帰した。
 そして小山田社長は、株主総会で男性株主が主張した「ヒューマックへの低金利貸し付けは利益相反行為」「本来は無い子会社3社の議決権を行使した役員再任は無効」との訴えを入れて、河西社長と大竹泰文専務の解任請求を旭川地裁に起こした。さらに、筆頭株主として電気軌道の臨時株主総会召集も請求。河西社長は「解任の理由が分からない」と、小山田社長に解任請求取り下げを求めたが、ヒューマックなどへの事業移転を画策された小山田社長の河西社長、大竹専務への不信感は強く、取り下げを拒否。結局、河西社長は9月13日に辞任となった。

表紙1710
この続きは月刊北海道経済2017年10月号でお読み下さい。

前代未聞 旭川市庁舎110万円盗難事件

 旭川市庁舎の金庫から現金が盗まれるというのは前代未聞。扉を開けるダイヤル番号と、マックス110万円が保管されているタイミングを知っている関係者の犯行と見られる。事件発生から1ヵ月余りが立つが、この窃盗事件捜査は大きな
進展を見せていない。

16年前の旧式金庫
 市によると、犯行に気が付い
たのは休日明け9月11日の午前8時半ごろ。2階の介護高齢課に設置されている金庫の扉が、半開き状態になっているのを出勤してきた職員が見つけ、中を調べたところ保管されているはずの現金がなくなっていたという。すぐに旭川中央署に被害届を提出し、警察官が指紋や足跡などを調べ、窃盗事件として捜査が始まった。
 金庫は福祉保険部の保険制度担当部長席にほど近い書類などが山積している場所に設置されていた。一般市民からは死角になっており、金庫があることは市の職員しか知り得ない状況。大きさはタテ約70㌢、ヨコ約50㌢、奥行約50㌢で、かなりの重量があり一人ではとても持ち上げるのは困難だ。
 金庫は2001年に購入されたもので、扉を開けるには鍵とダイヤル番号を知っていることが条件。番号は購入されて以降、一度も変更されていない。市によると、「16年も前の旧式だけに、変更は難しかった」。これまで延べ34人の職員が管理に係ってきた。つまり、ダイヤル番号を知りうる立場にあったわけだ。

表紙1710
この続きは月刊北海道経済2017年10月号でお読み下さい。

あきらめるな新幹線の旭川延伸

 札幌駅で新幹線のホームをどこに設けるべきかをめぐる議論が熱を帯びているが、道北地区では新幹線への関心が低迷している。「基本計画」に沿った旭川までの延伸は、どうすれば実現できるのか。巨額の建設費用を調達するための大胆な方法と、強い政治家の登場が不可欠だ。

札幌延伸は12年後
 昨年3月に開業した北海道新幹線。観光客の着実な増加に、函館など道南は湧いている。北海道新幹線に注目するのは国内の観光客だけではない。台湾のエバー航空が旭川便を短期の季節運航に変更し、函館に毎日1便を乗り入れるようになったのも、北海道新幹線ブームが一因だ。
 札幌延伸は従来よりも5年前倒しされて2030(平成42)年度末を目指すことになり、札幌駅の新幹線ホームをどこに設けるかを巡る論議が熱を帯びてきている。
 一方、道北での新幹線に対する関心は低いまま。現状では旭川から函館までJRで5時間余りが必要であることから、函館からの新幹線利用は現実的ではなく、札幌延伸が道北にもたらす効果も見通せない。
 しかし、国が描いた新幹線網の青写真には、しっかりと「旭川延伸」のビジョンが描かれている。全国新幹線鉄道整備法にもとづき1972年に行われた運輸省告示(いわゆる基本計画)によれば、北海道新幹線は青森を起点とし、函館や札幌を経由して旭川を終点にすると明記されている。当時の運輸大臣は旧衆院道2区選出の衆院議員、佐々木秀世氏。終点が札幌ではなく旭川に置かれたのは、佐々木氏の遺産なのかもしれない。
 基本計画から45年が経ったいま、その内容は大半が実現したか、事業が着々と進んでいる。九州新幹線は2011年に鹿児島まで全線開業、奥越新幹線はミニ新幹線の山形新幹線、秋田新幹線として実現した。中央新幹線はリニア方式を採用して、3年前に着工している。日本列島の主要な4つの島のなかで唯一新幹線が走っていない四国ではいま、経済界を挙げての誘致活動が進む。
 地方はもっと積極的に新幹線延伸を求めるべきだと提唱する政治家がいる。自民党の参院議員、西田昌司氏(京都府選挙区)だ。西田氏は自民党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム検討委員会委員長を務めており、今年春に北陸新幹線延伸部分が京都市を経由するルートに決まる過程でも、西田氏の発言力が作用したとみられている。
 議員になる前から税理士として活動していた西田氏が北海道税理士会旭川支部での講演のために旭川市を訪れたのは8月23日のこと。その中で西田氏は「『失われた20年』は、国や地方が予算を引き締めたことが原因。今後は長期的な展望に立ち、公共投資をはじめ新幹線に対する予算枠を大きく増やすことでGDPが伸びる」と指摘し、地方での鉄道インフラ整備を通じた公共事業の重要性を強調した。
 しかし、新幹線網の拡充の前に立ちはだかるのが財政難。北海道新幹線やその札幌延伸についても、巨額の予算をどう確保するのかが問題となった。博多─鹿児島中央間の九州新幹線(フル規格、121㌔)の総事業費は約9000億円で、3分の2を国、3分の1を地方が負担した。現在の財政状況を考えれば、一般的な予算措置では旭川延伸のメドが立たない。
 そこで西田氏が提唱するのが、貨物を含むJR7社の株式を集めた持株会社を設立し、各地域のJRをその傘下に置く方法。こうすれば経営が比較的好調なJR東日本、東海、西日本の余力を北海道や四国に回せる。「上場しているJR3社の株を政府が買い上げても約8兆円。年1000億円の配当があるため、損はしない。新幹線網の整備が終わったら、再度売却すればいい」と西田氏。今年3月の参議院予算委員会で西田氏は同様の構想を示すとともに、「これをやるのは今しかない。今ならまだ国鉄マンが残っているから助け合おうという気分になるが、あと10年もたてば全く別の人になってしまう」と語り、政府に迅速な行動を求めた。
 道内にも基本計画に沿った旭川延伸を求めた有力な経済人がいる。昨年11月に北海道商工会議所連合会の会頭、つまり道内経済界のトップに就任した岩田圭剛氏だ。今年初めのマスコミのインタビューで岩田氏は、札幌延伸の前倒しと並んで、旭川延伸と現在は構想にない新千歳空港乗り入れを呼びかけた。
 ただ、この旭川で新幹線をめぐる動きは低調。旭川商工会議所は今年3月、北海道総合政策部の新幹線推進室長を招いて研修会を開いたものの、当面はJR北が「単独では維持困難」とした宗谷線(名寄以北)、石北線、富良野線の継続を求める活動に忙しく、新幹線延伸を考える余裕はなさそうだ。

強い政治家を待望
 小城会計事務所の所長、小城公明氏は、地域を挙げて新幹線の旭川延伸を求めるべきだとの考えを示す。「五十嵐広三市長の時代には地域が総力を挙げて医大の誘致に取り組んだ。医療のまちとして旭川が発展したのはその結果。将来のため、今度はオール旭川で新幹線の旭川乗り入れを実現すべき」。小城氏がよく知るJR関係者に旭川延伸の実現可能性を尋ねたところ、「それは地元の熱意と政治力次第」との見方を示したという。
 昔から新幹線の着工時期やルートを巡っては政治力が作用してきた。上越新幹線は田中角栄が建設を主導したものであり、自民党で「ミスター新幹線」と呼ばれた小里貞利元衆院議員が鹿児島県選出でなければ、九州新幹線の完成はもっと遅れていたかもしれない。小城氏は、旭川延伸のためには強い政治家が必要との考えを示す。
 新幹線の札幌駅乗り入れはまだ先のこと。旭川延伸が実現するとしても、そのはるか先の話だ。しかし、実現するまでに長い歳月がかかる大事業だからこそ、早くスタートする必要がある。他ならぬ旭川市民が「基本計画」に明記された新幹線の旭川延伸を「夢物語」の一言で片付けて、早々とあきらめるべきではない。

表紙1710
この記事は月刊北海道経済2017年10月号に掲載されています。

見捨てられた!ほくおう旭川2施設

 道内で23の介護施設を運営する㈱ほくおうサービス(札幌)などグループ5社が今年7月に倒産したのに伴い、同グループが旭川市で運営する2施設の先行きが心配されている。引き受け先と見られていた㈱創生事業団(福岡)は、23施設のうち旭川の2施設を含む8施設の継承を「施設所有者から提示された家賃が高い」という理由で断念した。杜撰な施設運営に翻弄された入居者やその家族は見捨てられた格好となり、次の転居先探しに奔走している。

道内大手に成長
 札幌市や旭川市などで23の介護施設を運営していた㈱ほくおうサービス(札幌市)と、福祉用具販売の㈱ほくおうケアサービス(同)、高齢者住宅運営の㈱福寿草(帯広市)、施設利用者に食事を提供する㈱ほっとキッチン(江別市)、そしてこれら4社を傘下に持つ㈱ほくおうホールディングス(札幌市)を含むグループ5社は、7月14日、札幌地裁に自己破産を申請し、財産の保全命令を受けた。5社連結の負債額は約43億3000万円。
 グループ5社の中で中心的な役割を果たしていたほくおうサービスは、2002年3月に設立。高齢者向けの介護施設やグループホーム、賃貸住宅を札幌や函館、帯広、旭川などで運営していた。介護施設の拡大に伴い、福祉用品の販売や施設に食事を提供する事業へも展開し、ピーク時の17年3月期にはグループ全体で50億円を超える売上高を誇っていた。

表紙1710
この続きは月刊北海道経済2017年10月号でお読み下さい。