旭東高「アドミッション・ポリシー研究」が奏功

道内屈指の進学校として知られる旭川東高。毎年、東大、京大、早慶など難関大に多くの合格者を輩出しているが、今年の受験では7クラス編成になった2005年以降で最多となる158人が国公立大に現役で合格するという好結果を残した。3年前に導入した「アドミッション・ポリシー研究」の成果だ。

 旭川東高は18年大学受験でも好実績を残した。特筆すべきは現役生の国公立大合格者数。ここ数年、右肩上がりで増加傾向にあり、15年は127人、16年131人、17年145人と推移していたが、今春は158人になり、7クラス編成が導入された2005年度以降で最多となった。
 難関大学にも多くの合格者を出した。北大の合格者数は昨年よりも減少したが、道内5位にランキング。難関の医学部にも現役1人、既卒2人が合格した。東京大は現役1人、既卒1人が合格し、東北大5人、一橋大1人、筑波大5人、大阪大1人が合格。難関私立大では、早稲田11人、慶応4人、上智1人、国際基督教大1人の合格者を輩出し、地域ナンバー1高校としての底力を見せつけた。
 同校の快進撃は、15年度に導入を始めた「アドミッション・ポリシー研究(以下AP研究)」の成果だ。アドミッション・ポリシーとは、大学の入学者受け入れ方針のこと。自校の特色や教育理念などに基づき、どのような学生像を求めるかを示したものだ。たとえば旭川医大の場合は、「医師、看護職者としての適性とともに地域社会への関心を持ち、自らが問題を見つけ、解決する意欲と行動力を持つ学生」としている。
 東高では、1、2年次の「総合的な学習の時間」でAP研究を導入。1年次では、北海道大学、東京大学、京都大学のアドミッション・ポリシーを読み、各大学が求めている人物像や、大学の社会的責務などについて生徒同士が意見交換をして理解を深める。2年次では、自分が志望する大学のアドミッション・ポリシーを調べ、グループワークを通じて理解をし、志望校への思いをあらたにし、受験勉強に弾みをつける。
 今春の卒業生が入学した年に導入し、その成果が今年度の実績として確実に現れた様子。進路指導部部長の松井恵一教諭は次のように話す。
 「社会情勢が変動し、社会が大学に対して求める人物像も変化しています。大学は目的意識を持った学生を求めるようになり、それに対応すべくAP研究を導入しました。当校では以前から全国各地の大学を受験する傾向がありましたが、今年は学生たちが自ら様々な大学について調べ、明確な意思をもってより全国に目を広げて志望校を選びました。以前のような偏差値競争ではなく、将来、自分がどうやって社会に貢献できるのかを視野に入れ、進路を選ぶ学生も多く見られました」
 同校のAP研究は他の高校のモデルケースとなっており、進路指導の一環として導入する高校が次第に増えてきている。道北随一の進学校は実績だけではなく、独自の教育方針でも注目を集めている。

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この記事は月刊北海道経済2018年5月号に掲載されています。

上川神社祭3条通露店を取りやめ

 短い旭川の夏を彩るイベントの一つが上川神社祭。この期間中、神輿を見たことがない市民はいても、一度も露店を見たことのない市民はいないはずだ。ところが夏の到来を前に、今年1月に実行委員会が、3条通での露店の廃止を決定した。スタッフの高齢化が最大の原因だが、露店側は同じ期間中、市内の他の場所での開催を目指すとしている。

800㍍に300店余
 毎年7月20日から22日にかけて開催される「上川神社祭」。本誌ではこれまで、神幸式(みこしパレード)のあり方に関する記事を何度か掲載してきた。その神幸式と並ぶイベントが「露店」。多くの市民にとっては、この露店こそがお祭りの主役かもしれない。
 護国神社祭で多くの露店が常磐公園内に並ぶのに対し、上川神社祭では古くから3条本通りの中央橋通りから大雪通まで(13丁目~18丁目)まで約800㍍の区間に300余りの露店が軒を連ねてきた。
 悪天候にさえならなければ、期間中、会場は多くの人で賑わう。浴衣姿の男女も多い。フランクフルト、焼きそば、おでん、わたあめなど、祭りだからこそ食べたくなるフードを頬張りながら歩く人も。「型抜き」は祭りの日しか体験できない特別な時間だ。
 ところが、少なくとも3条通では、今年の夏から露店が出ないことになった。地元住民で作る実行委員会は関係者に配布した文章の中で、以下のように説明している。
 「毎年7月20日~22日に開催されております上川神社祭の露店出店の件でございますが、約50年前に誘致され現在に至りますが、時代の変化に伴い市中心部での開催が難しくなってきておりました。十数年前よりいっそう厳しい状況となっておりましたが、3条通りの沿線の皆様のご理解とご協力により、続けてこられました。実行委員会でも改革などに努力、苦慮しておりましたが、実行委員会の高齢化も伴い、どうにも展望が見えなくなり、露店の出店の廃止策をとらざるをえないこととなり、実行委員会で何度か協議を重ね、昨年9月には大成地区の各町内会長にお集まりいただき説明会を開催し、同11月には露店側の役員との協議を行い、結果、平成30年1月に今年度より3条通りでの『上川神社祭の露店出店」を廃止する確約が成立いたしました」
 これまで露店設置のため奔走してきた実行委員会委員長の宮口幸治さんは、寂しさを表情に浮かべながらも、長年の懸案が解決したことでほっとした様子だ。

迷惑駐車も発生
 もともと上川神社に向かう参道で行われていた臨時露店が3条通に場所を移したのは今から約50年前のこと。以来、大成地区市民委員会と銀座商店街振興組合から構成される実行委員会が運営にあたってきた。
 実行委の仕事は多岐に渡る。道路通行止めに関する警察との交渉、警備員の手配、ごみ処理、露店関係者が備品を載せてやってくるトラックの駐車場所の確保…。かつては大成地区にも多くの若者が住んでおり、また露店の開催で地域の商店街全体が潤ったことから、多くの人が協力した。ところが、時代とともに祭りを囲む環境が変化し、開催は年ごとに困難になっていったという。

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人情食堂で「せんちゃん勉強会」

 地域で愛される〝人情食堂〟で、小中学生を対象に始まったプロジェクト「せんちゃん勉強会」。子どもたちの未来に投資する目的で、今年で創立50周年を迎える旭川北ロータリークラブ(田中稔会長)が取り組む人財育成事業の一環だ。常盤通で行っている学習支援「エンむすびの会」(高倉晴美代表)とも連動し、学習した後にはラーメンを食すというラーメンのまち旭川らしい勉強会。「子どもは地域の宝」と小川諭一奉仕開発委員長が込める思いも旭川ラーメンのように懐が深い。

「同じ釜の飯を食す」
 3月5日の夕方、人情食堂「せんちゃん食堂」(大町1条3丁目)には複数の小中学生と保護者、指導スタッフらが集い学習に励み、和やかな雰囲気に包まれた。大有小学校の3年生、志野原彩来さんは「勉強の途中、ラーメンの匂いがしたので頑張ろうと思った」と本音をポロリ。やりかけの学習を終え、せんちゃん名物「しょうゆラーメン」を味わうと、「頑張って良かった」と満面、笑顔がはじけた。
 同じテーブルに座っていた別の小学生も、「モチモチしていて美味しい」と思わず納得の表情。「私、ラーメンの味にはうるさいのよ」「勉強の後のラーメンは、とびっきり美味しい」との感想をたまたま耳にすると、「美味しくなかったら美味しくないって、言っていいよ」と傍らにいた店主の千田健雄さん。
 千田さんは子どもたちの笑顔を微笑ましく見つめ「私も子どもが好きなもんだから、ニコッと笑ってもらえたら嬉しい」。指導スタッフには現役の高校生や大学生、元教師、塾・外国人英語講師ほか、市役所職員等が顔をそろえるが、その一人、平島淳嗣さんは「あの場所の持っている力でしょう」と、子どもたちの学習に親身に寄り添っている。
 このせんちゃん食堂を切り盛りするのは、千田さんと、妻の真砂江さん…。

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