白紙撤回! 新市民文化会館構想

 今年5月に大改修から一転、建て替え計画が浮上した旭川市民文化会館だったが、市民や議会から批判が次々に噴出し、旭川市はあっさりと白紙撤回してしまった。場当たり的な対応に「建て替え構想はいったい何だったのか?」と市民はあ然とするばかり。

にぎわい創出
 大ホール、小ホールなど合わせて年間10万人以上の利用のある市民文化会館は、開館後40年以上が経過したため、屋上防水や外壁の劣化による雨漏りや配管設備の漏水などが発生。空調設備なども老朽化していた。また、ホールの座席のほか、壁や床などの内装材など建物全体の劣化が著しいのが実態。さらに車椅子への対応やエレベーターの装置など、現行のバリアフリー基準に不適合であるなど、利用者ニーズに応え切れていない。このため、市では2年前に2403万円の予算を付けて調査し「大規模改修基本計画書」を作成した。
bunka ところが一転、今年5月に公表された旭川市新庁舎建設計画骨子の中で、市民文化会館の建て替え案が急浮上したのだ。
 新庁舎建設計画骨子によると「開館から41年が経過し老朽化しているため、大規模改修に向けた作業を進めてきた。しかし、大規模改修した場合は多額の費用がかかることに加え、改修期間中は長期にわたって使用できなくなるため、市民の利便性が大きく低下することになる」としたうえで 
「『市民でにぎわい、親しまれるシビックセンター』の実現に向け、周辺施設と連携したにぎわいの創出を図っていくこととして行く」と言及。「そのためにも新庁舎と同じ敷地内で文化会館を建て替えて一体的に整備することにより、お互いの機能が図られ、さらなるにぎわいの向上が期待できる」とし、新庁舎と文化会館の二つを新築整備する方針を打ち出した。
 大規模改修から新築計画へと方向転換したことに、当然議会内から疑問の声が上がった。
 7月に開かれた市庁舎整備調査特別委で、小松あきら議員(共産)は、改修から新築への転換はどのような検討が行われた結果なのか質問。これに対し、担当する市教委の社会教育部は「2月に西川市長から新庁舎整備と市民文化会館の関係について整理・検討するよう指示があった」ことを明らかにしたうえで「社会教育部も構成員となっている(庁内の)新庁舎建設推進本部会議で5月末に策定した骨子の中で、文化会館については建て替えに向けて進めて行くという方向性で整理された」と市全体の総意で新築案が浮上した経緯を述べた。
 つまり、建て替えは市長からの指示、トップダウンで決まっていった可能性が大きく、市教委自らの判断ではない。独自に予算を持っていない市教委が自ら新築を提案することはありえない話で、市トップの判断で路線変更したと見るのが妥当だろう。

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この続きは月刊北海道経済2016年12月号でお読みください。