エコ・スポ債権放棄した旭川市

 旭川市政に大きな汚点を残した『エコ・スポーツパーク構想』。住民訴訟が勝利し約2850万円の賠償金支払いが当時の市幹部と東京のコンサルタント会社に命じられたが、市は利息でふくれ上がった残債の放棄を決めた。〝主役〟のコンサルタント社長からは一銭も回収することのない幕引きは、旭川市の怠慢だ。

農政部次長自殺
「エコ・スポーツパーク構想」は、菅原功一元市長が公約に掲げた事業。1997年に記者会見を開き、市内神居町の山林約244㌶を開発し、クロスカントリーコースやスタジアムを核とした公園を造成すると発表。
 全日本学生スキー選手権(インカレ)の誘致やクロスカントリー競技の国際大会誘致も目指すとした。
 隣接地には農村公園や市民公園も整備する計画で総事業費は約25億円。2002年の完成予定で、98年に事業に着手した。基本計画や土地利用構想の策定のほか、環境影響調査など5つの業務委託が行われた。
 しかし、引き続き基本設計、実施設計に入ろうとしていた矢先の99年6月に、当時の農政部次長が東光地区で自殺。本誌が「市の発注事業になんらかの不正があったのではないか」と疑問を投げかけたことがきっかけとなり、業者との不明朗な契約が次々と明かるみに出ることになった。
 その年、市議会で大きな問題となり、旭川市始まって以来の特別査察まで行われることになり、『エコ・スポ疑惑』、『エコ・スポ問題』として世間を騒がせることになる。

不透明な契約
 特に問題視されたのは農政部が関わった土地利用構想策定業務と市教委が中心となった基本計画、地形図の作成業務。この3つの業務はいずれも東京に本社があったコンサルタント会社「アーマンドシー」(以下、ア社)が指名競争入札ではなく、一社単独の随意契約で受注していたのだった。
 しかも、このア社の五十嵐宏泰社長は、当時の冨所博信・農政部長、そして市教委の和嶋正幸・教育次長と旭川北高11期の同級生という間柄。また、当時、市議会与党に属していた杉山允孝議員、園田洋司議員も同じ11期組だった。そんな人脈が働いて「ア社への業務委託が競争入札なしで行われたのではないか」との観測が流れた。
 そして随意契約という不透明な発注で、ア社には約2850万円の委託料が支払われた。議会からはずさんな業務委託は無効だとのクレームが付いたが、市は担当職員に対して形式的な処分を行っただけで、委託料の返還を求めるという対応には至らなかった。

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この続きは月刊北海道経済2017年4月号でお読みください。