クレジット名義貸し訴訟 最高裁が審理差し戻し

 旭川市の呉服販売業者「㈲京きものあづま」(破産)に頼まれ、名義を貸してクレジット契約を結んだ名義上の顧客34人を相手取り、大手信販会社が未払い分の総額3700万円の支払いを求めた訴訟。最高裁は2月21日に言い渡した上告審の判決で「業者が重要部分について嘘の説明をしていた場合、支払いを拒める」と消費者保護を重視した初判断を示し、札幌高裁に審理を差し戻した。クレジット契約が結ばれるようになってから30年以上にわたり、何度も発生した名義貸し事件の被害者に、今度こそ司法が救いの手を差し伸べるかが注目される。

審では顧客に軍配
 京きものあづま(豊岡7条5丁目)は1975(昭和50)年に創業。呉服や貴金属、布団などの訪問販売を主体に、我妻養一社長宅の一部を店舗とし、年間5回程度の展示会も開いていた。過去には年商1億円をコンスタントに挙げていたが、顧客の高齢化などもあって苦戦を強いられるようになり、2011(平成23)年11月、破産に至った。負債総額は約4300万円にのぼる。
 同社が事業を停止した後、同社が顔なじみの顧客の名義を借り、信販会社と架空の販売契約を結んでいたことが発覚。しかし、同社に連絡が取れない事態となり、信販会社から顧客に請求が来るようになったため、今回のトラブルが表面化した。
 旭川弁護士会有志が行った実態調査によると、請求額は少ない人で約13万円、多い人になると223万円にのぼり、夫婦合わせて258万円請求されたケースもある。有志は12年1月、被害者説明会に続き、「京きものあづま被害者弁護団」を結成。当初は、信販会社「ジャックス」(東京都渋谷区)と「オリエントコーポレーション」(東京都千代田区)との裁判外交渉を通じてクレジット代金の減免交渉を行っていく意向だったが、交渉が決裂し裁判に発展した。
 旭川地裁で14年3月に下された1審判決では、田口治美裁判長が「店側は『代金は店が負担する』などと顧客に虚偽の説明をしており、客に支払い義務はない」と信販会社2社の請求を退けた。09年に施行された改正割賦販売法(改正割販法)には「虚偽説明に基づく契約は解約できる」との規定が設けられているため、この規定を準用。信販会社側の「支払い義務を負うことを理解した上で名義を貸し、契約を結んだ」とする訴えを退けた。顧客側の「信用力のない別の客に名義を貸してほしいと頼まれた。商品も受け取っておらず、店が信販会社から得た金額を事業の運転資金にしていた」とする主張を認めた。

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この続きは月刊北海道経済2017年4月号でお読みください。