旭川の地価は回復基調

 国土交通省から公示地価が発表されたが、旭川市内中心部の商業地は軒並み前年並みで、西武旭川店撤退の影響は見られなかった。住宅地も前年比横ばいが増えた。「地価は回復の兆し。西武A館B館跡の再開発計画が浮上しており、今後は地価上昇も期待できる」と不動産業者。一方で、道から発表されるハザードマップがその地域の地価下落の要因となっているとの指摘も…。

大半が横ばい
 国土交通省は毎年、地価公示法に基づき1月1日現在で調査した「公示地価」を発表している。一般の土地取引の指標となるほか、相続税・固定資産税の評価や国・地方自治体が公共用地を取得する際の基準となるもの。
 調査地点は道内99市町の1367地点が対象で、このうち、旭川市内は91地点だ。
 3月21日に発表された1月1日現在の旭川の調査地点の1平方㍍当たりの地価は記事の最後に掲載した表の通りだが、商業地調査地点は23で、このうち、下落は3地点にとどまった。
 西武旭川店撤退の影響が心配された中心部商業地は軒並み横ばいだった。 市内の不動産業者は「イオンの集客力が大きく、西武撤退の影響は感じられない。西武A館B館跡の再開発計画が持ち上がっており、今後は地価上昇も期待できる」と話す。
 もとマクドナルドがあった2条買物公園の調査地点「2条8―5690─1外」は上川管内商業地不動の地価トップ地点。今年の公示によると1平方㍍当たりの価格は26万2000円、坪にすると86万4000円で、前年と同じだった。「5条7─520─2」「4条11─1725─25」といったほかの中心部の商業地調査地点の価格も昨年と変わらなかった。

変動率は圧縮
 一方、住宅地の方は平均で0・4%のマイナスとなったが、前年のマイナス0・7%より変動率は圧縮され、回復の兆しがうかがえる。
 住宅地の価格トップは昨年に引き続き「神楽2条7─420─21」。1平方㍍3万9000円、坪にすると12万8700円だった。
 かつて、神楽中心部から旭川駅や買物公園に行くには、忠別橋か新神楽橋を渡る回り道を強いられていた。距離にすると2㌔ほどの迂回となり、徒歩だと30分、タクシーで1000円ほどかかった。それが2011年の氷点橋開通で、徒歩だと10分弱、タクシーに乗っても初乗り料金ですむようになった。
 利便性がグンとよくなったことで、神楽2条7の地価は氷点橋開通の年に3・4%アップし道内調査地点トップの上昇率となった。その翌年も道内2位の上昇率を記録している。
 駅周辺開発が一段落したことで神楽2条7の地価上昇も止まったようだが、旭川市内住宅地トップ、上川管内全体でも住宅地トップの座は不動のものとなった。

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この続きは月刊北海道経済2017年5月号でお読みください。
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