旭川市医師会会長選、山下氏3票差で4選

 旭川市医師会は4月22日、任期満了を迎えた役員選挙を実施したが、会長は4期8年ぶりの選挙戦となり、4期目を目指した山下裕久氏(72)=山下内科循環器科クリニック院長=が、初挑戦の林宏一氏(70)=東旭川宏生会林医院院長=にわずか3票というきわどい差をつけ当選した。副会長3名、理事15名、監事2名、裁定委員7名の選挙はいずれも無投票で決まった。

山下氏、林氏ともに「自薦」で立候補
 山下氏にとっては初めての選挙戦だった。元会長で5期10年務めた増田一雄氏(故人)の事実上の後継者として2011年に立起、対抗馬が現れなかったため無投票で初当選し、その後2回の選挙も戦わずして当選を重ねた。
 今回も任期満了の時期を迎えながら、誰も戦いを挑んでくる気配はなかった。早くから4期目に意欲を燃やし、山下氏自身も、また会員らも「会長選挙は今回も無競争」と踏んでいた。
 選挙の立候補締め切りは4月8日で、その17日前から届け出は始まっていたが、早々に山下氏と、山下氏が推薦人となった副会長や理事候補者が名乗りを上げたものの、その他の会長・理事候補はなかなか現れなかった。
 そのまま締め切りを迎えるかに見えたが、3日前の4月5日になって林氏が会長選挙への立候補を届け出た。立候補する場合は通常、会長も理事も推薦人をつけることが多いが、林氏は〝自薦〟だった。
 また、会長選挙に出る際は「自分にはこれだけの支援者がついている」ということをアピールするため、会長候補が推薦人になって副会長や理事の候補者を立てることが一般的なのだが、林氏は誰も推薦しなかった。(しなかったではなく、できなかった?)
 林氏は旭川市医師会では、増田会長時代を中心に3期6年間の理事経験があり、また4年前からは北海道医師会常任理事として、医師会活動に熱心に取り組んできた。
 今回、4期目を目指そうとしていた山下氏につては「医療・介護制度への認識が不足。独断と偏見で個人の価値観に固執している」(林氏の立候補声明文より)として早い時期から〝会長交代〟を考えていたようだが、山下会長の安定政権が続く状況の中では〝山下降ろし〟の協力者を募る作戦の実行は難しかった。
 伝えられるところ、会長選への立起を心に決めた林氏は、自分が推薦人となって副会長候補にも一人立てようとしたが、意中の人に断られて断念。結局、孤軍奮闘の頂上決戦で戦いを挑むことになった。

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この続きは月刊北海道経済2017年6月号でお読みください。
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