子会社トップ辞任に波及 旭川電気軌道経営陣の〝背任疑惑〟

 旭川電気軌道㈱の株主総会は紛糾。実質的な子会社、光陽商事の株主総会では、直前に電気軌道の会計士でもある社長の小関健三氏が辞任する異例の展開。極秘資料も飛び出し、電気軌道経営陣の背任疑惑は深まるばかりだ。

豊島氏を模倣
 旭川電気軌道㈱(以下、電気軌道)の株主24人が、元会長豊島弘通氏(故人)の財産を相続した遺族4人に対し、2億6000万円余りの賠償を求める株主代表訴訟を起こした経緯は本誌先月号既報の通り。6月6日に旭川地裁で第1回口頭弁論、同じ日に代理人(伊東秀子弁護士)の記者会見が行われた。
 記者会見の最後に代理人は「現経営陣は豊島氏を模倣し、背任行為を繰り返そうとしている」と、現経営陣の疑惑追及にも言及。2週間後に迫っていた株主総会は波乱が予想された。
 その電気軌道の第91期株主総会は6月23日午前11時から、同社のメインバンクである北洋銀行旭川中央支店9階会議室で開催された。
 出席した株主によると「〝新聞や雑誌等で代表訴訟の報道がありました。株主様には心配をおかけしました〟と型どおりに河西利記社長のあいさつで始まった。事業報告など前半はスムーズに進んだが、元社長で株主の大上(修一)さんが豊島会長に支払った慰労金の額、OBが所有する株の買い取り問題を質すと河西社長は答弁に窮し、議事が中断する場面もあった」。
 「大上さんに続いた宮本という男性株主は鋭い追及を繰り返し、議長の河西社長はタジタジ。何度も議事を中断し苦しい答弁を続けた」と言う。
 宮本氏と電気軌道(河西社長と大竹泰文専務)の間で、以下のような〝バトル〟が繰り返されたようだ。
 宮本 この総会の議決の定足数ですが、旭友リース、エルヴ、上川商事分は入っているのか。子会社の議決権は行使できないはずだが。
 電気軌道 3社は子会社に該当しない。
 宮本 見解の相違だが、私は子会社だと思っている。電気軌道が保証して3社が銀行融資を受けているのだから子会社であり議決権はない。この総会の議事がたんたんとこのまま進んで行くのは悪質だ。

表紙1708
この続きは月刊北海道経済2017年8月号でお読み下さい。
この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!