旭川市内で外国人技能実習生が急増

 出口の見えない人手不足に、業界を問わず多くの中小企業が苦しんでいるが、外国人技能実習生を受け入れる動きが一部の企業に広がっている。11月には新しい技能実習制度が施行され、期間が一定の条件の下で延長されるほか、新たに介護分野での受け入れも解禁が迫っている。旭川における技能実習制度の現状を追った。

中国人に代わりベトナムが中心に
 「いくら求人広告を出しても応募がほとんどない。まれに応募があっても、非常に高齢でいつまで働けるかわからない人や、我々のニーズに合わない人ばかり」と語るのは旭川市内の某建設会社社長。「ベトナム人の技能実習生を来年から迎えることを決めた」
 多くの分野で未曾有の人手不足が発生している。商品を宣伝するチラシの裏側には「従業員急募」の大きな文字が踊る。さんろく街を訪れれば、どの店のママも異口同音に「うちで働いてくれるいい人知らない?」と記者に尋ねる。

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 人手不足の最大の原因は労働力人口の減少。足りない人を国内でいくら探しても見つからない。まだ労働力の供給が潤沢なアジア諸国から、「技能実習生」を迎える企業がこの地域でも増えている。
 2016年12月末の時点で日本国内の技能実習生は22万8588人。うち道内は6776人となっている。2012年12月末と比較して、それぞれ約7万6000人、約2500人の増加だ。
 旭川市の状況はどうなっているのか。市民課によれば、今年8月1日現在の出身国別の人数はベトナム194人、中国28人、フィリピン14人、モンゴル7人、ミャンマー4人の合計247人。前年同期の132人と比較して急増している。とくにベトナム人が84人から2倍以上に増えているのが目立つ。地域の人口に占める比率はまだ低いが、人手不足の出口が見えないだけに、景気が悪化しない限り技能実習生の増加が続くのは確実だ。
 以前は技能実習生と言えば中国人というイメージがあったが、中国国内の経済成長に伴う労働力の需給バランスの変化で、中国人にとっては日本まで来る魅力が薄れている。代わって増えているのが勤勉で親日的と言われるベトナム人。ただ、ベトナムも経済成長が進めば国内で労働力が必要になり、カンボジアやミャンマーなど他の国に主要な供給源がシフトしていくとみられる。
 日本の技能実習制度は1993年に整備された。政府の説明によれば、その目的は「技能、技術または知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力すること」。現実には、人手不足に悩む企業にとってこの制度が貴重な人材確保の手段になっていることは否定できない。旭川市内の一部の企業では、アジア諸国から来た外国人が不可欠な「戦力」となっている。

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この続きは月刊北海道経済2017年10月号でお読み下さい。