旭川最古の地域イベント「こたんまつり」60周年

 アイヌ民族の聖地として知られる旭川市の神居古潭(神居町)で旭川最古の地域イベント「第60回こたんまつり」(実行委主催)が9月23日に開かれ、家族連れや観光客など約7000人が訪れた。アイヌ文化の伝承や神居古潭地域の特産品のPRを目的に毎年「秋分の日」に開催し、今回のテーマは「温故知新」。開会式で来賓の笠木薫旭川市議会議長は「神居古潭は魔神が棲んでいたという伝説が残る神秘的な地域で、アイヌの人々が受け継ぐ古式舞踊や伝統儀式が末永く継承されますように」などと語った。
 名寄市の富岡達彦さんが扮する一日駅長の合図とともに汽笛が鳴り、イベントを開始。旭川チカップニアイヌ民族文化保存会と帯広カムイトウウポポ保存会のメンバーが、まつりの由来でもある、石狩川に木幣(イナウ)を捧げるアイヌ民族の伝統儀式「カムイノミ・イナウ」を執り行った。60回記念コンサートでは帯広カムイトウウポポ保存会が、十勝で100年以上前にバッタが大量発生した実話を元にしたアイヌの古式舞踊を披露。演目「クリムセ(弓の舞)」は、弓を構えたものの、仲睦まじい鳥が舞っていたため、矢を射ることができなかったという踊り。歌に合わせて踊る「ポロリムセ(輪踊り)」では、観客も参加し和気あいあいとした雰囲気に包まれていた。

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この記事は月刊北海道経済2017年11月号に掲載されています。
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