大地震倒壊の恐れ 旭川市内18施設

 公有・私有の旭川市内18施設が「震度6強から7程度の大地震で倒壊や崩壊の危険性がある」との、耐震診断の結果が出た。公共施設は耐震改修が計画的に進められているが、民間施設所有者は巨額な改修費用に頭が痛い。

飲食店ビル、病院…
 震度6強から7程度の大地震で倒壊や崩壊する危険性のある市内の大規模な建物が10月末に公表された。以前から耐震不足が指摘されてきた市総合庁舎と市民文化会館の管理棟がリストに上ったことに驚きはないが、市内の病院、ファッションビル、飲食店ビル、ホテルも含まれていた。また、児童・生徒が通う市立の小中学校も一部で耐震不足が発覚。市、そして民間の今後の対応が注目される。
 市内の大規模建築物の耐震診断の結果は、市のホームページに掲載された。大規模施設に義務付けられた耐震診断の結果として施設名が明らかにされたのは初めて。
 国の法律改正によれば、2年前の2015年末までに、所管する行政庁、つまり旭川市に報告することが義務付けられていた。そして、その結果は公表しなければならないならないことになってはいたが、いつまでという規定はなかった。このため、道内の各市では公表を見送っていたが、全国的に公表する動きが活発化したため、このほど道内10市が同時に公表することとなった。
 公表の対象となったのは、1981年の耐震基準強化以前に造られた 建物のうち、3階建て以上で、床面積5千平方㍍以上のホテル、病院、百貨店、商業ビルなど。また、一定規模以上の小中学校も含まれる。 
 診断は、震度6強から7程度の大規模地震で、倒壊や崩壊の可能性について「危険性が高い」、「危険性がある」、「危険性が低い」の3段階で評価することになっている。 
 仮に「危険性が高い」と評価されても違法性はなく、震度5強への耐震性は保たれているとされる。しかも、改修はあくまで努力義務で、耐震改修に強制力はない。道内各市町の公表は全国で45番目。対象の大型施設が全国で5番目に多く、公表に時間がかかったようだ。

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この続きは月刊北海道経済2017年12月号でお読み下さい。
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