旭川電気軌道 前社長が反撃

 旭川電気軌道(村中浩社長)の迷走が止まらない。子会社エルヴの取締役登記変更が行われたが、河西利記前社長が「虚偽申請、公正証書原本不実記載罪だ」と法的に訴える構え。虚偽申請が事実とすれば刑事罰は避けられない。一方、顧問弁護士の伊東秀子氏は電気軌道の男性社員から懲戒請求された。(記事は12月11日現在)

織田無道の手法
 次々と経営スキャンダルが暴露される旭川電気軌道だが、師走に入ってすぐに本誌編集部に持ち込まれた情報はこれまで以上に衝撃的。「電気軌道子会社の社長交代の登記が法務局に提出された。ところがこの登記は(前任の)社長辞任届や株主総会議事録などことごとく偽造されたものだ」と言うのだ。
 法務局へ提出する公文書を偽ることは、国を騙そうとするもので、発覚した際は極めて厳しい処罰を受ける。高名な弁護士である伊東秀子氏(札幌市)が顧問を務める電気軌道がそんなとんでもないことに手を染めるとはすぐには信じがたいが…。情報提供者は「これが証拠だ」と次々と変更された登記のコピーを示して、まぎれもない事実であると説明する。
 示された登記のコピーによると、変更登記されたのは「有限会社エルヴ」。取締役の河西利記氏が9月19日に辞任して11月1日に電気軌道の取締役である蟹谷正氏が取締役に就いたとなっている。変更登記申請書には「株主総会議事録1通」「株主名簿1通」「辞任届1通」「就任承諾書1通」「印鑑証明書1通」が添付されているが、情報提供者はそのことごとくが「都合の良いようにでっちあげたものだ。15年前に世間を騒がせたタレントの織田無道の犯罪と同じ手法。虚偽申請で取締役になった蟹谷氏だけでなく、登記変更を指示したであろう電気軌道の村中(浩)社長、宮本(典洋)常務も刑事罰を免れない」と言い切る。
 「織田無道の犯罪」とは、2002年2月に発覚した、宗教法人の虚偽登記。僧侶でタレントの織田氏が、東京都町田市で墓地を経営する宗教法人の役員会の議事録などを偽造して登記所に提出し、代表役員が自分に代わったとの虚偽の登記変更を行ったもの。町田市の宗教法人を乗っ取ろうとしたとして、織田無道は神奈川県警に公正証書不実記載罪の疑いで逮捕され、タレント生命は終わった。

子会社3社とも交代
 辞任届を偽造された河西氏は9月まで電気軌道社長を務めていた。電気軌道の子会社3社(エルヴと旭友リース、上川商事)が所有する電気軌道株での議決権行使は違法だと、伊東弁護士、宮本氏(当時は東神楽農協購買部資材燃料課課長補佐)に追及され辞任に追い込まれた。エルヴはいわば因縁の深い法人なのである。
 師走に法務局に閲覧申請を行い、株主総会議事録ほか添付された書類を閲覧した河西氏はこう話す。「辞任届は確かに書いた。しかし、法務局に申請されたものは私が書いたものと様式、印鑑が違っている。また、エルヴの株主は私も含め8人のはずだが、添付書類ではすべて電気軌道が所有している。私も含め株主に連絡がないままに株主総会が開かれたことになり蟹谷氏の取締役就任承諾書が作成されているのは違法。虚偽登記である」。

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この続きは月刊北海道経済2018年1月号でお読み下さい。