人情食堂で「せんちゃん勉強会」

 地域で愛される〝人情食堂〟で、小中学生を対象に始まったプロジェクト「せんちゃん勉強会」。子どもたちの未来に投資する目的で、今年で創立50周年を迎える旭川北ロータリークラブ(田中稔会長)が取り組む人財育成事業の一環だ。常盤通で行っている学習支援「エンむすびの会」(高倉晴美代表)とも連動し、学習した後にはラーメンを食すというラーメンのまち旭川らしい勉強会。「子どもは地域の宝」と小川諭一奉仕開発委員長が込める思いも旭川ラーメンのように懐が深い。

「同じ釜の飯を食す」
 3月5日の夕方、人情食堂「せんちゃん食堂」(大町1条3丁目)には複数の小中学生と保護者、指導スタッフらが集い学習に励み、和やかな雰囲気に包まれた。大有小学校の3年生、志野原彩来さんは「勉強の途中、ラーメンの匂いがしたので頑張ろうと思った」と本音をポロリ。やりかけの学習を終え、せんちゃん名物「しょうゆラーメン」を味わうと、「頑張って良かった」と満面、笑顔がはじけた。
 同じテーブルに座っていた別の小学生も、「モチモチしていて美味しい」と思わず納得の表情。「私、ラーメンの味にはうるさいのよ」「勉強の後のラーメンは、とびっきり美味しい」との感想をたまたま耳にすると、「美味しくなかったら美味しくないって、言っていいよ」と傍らにいた店主の千田健雄さん。
 千田さんは子どもたちの笑顔を微笑ましく見つめ「私も子どもが好きなもんだから、ニコッと笑ってもらえたら嬉しい」。指導スタッフには現役の高校生や大学生、元教師、塾・外国人英語講師ほか、市役所職員等が顔をそろえるが、その一人、平島淳嗣さんは「あの場所の持っている力でしょう」と、子どもたちの学習に親身に寄り添っている。
 このせんちゃん食堂を切り盛りするのは、千田さんと、妻の真砂江さん…。

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この続きは月刊北海道経済2018年5月号でお読み下さい。
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