藤田観光ワシントンH、ついに旭川撤退へ

 藤田観光ワシントンホテル旭川(旭川市宮下通7丁目)が4月19日、今年9月末に営業を終了することを発表した。建物や施設の老朽化が進む一方、駅前で相次ぎホテルが開業、または今後の開業が予想され、営業継続は難しいと判断した。旭川駅から見れば買物公園を挟んで左右の建物が空き家となる異常な事態はいつまで続くのか─。

異例のネーミング
 藤田観光ワシントンホテル旭川は1990年のオープン。藤田観光系のホテルは名称を地名+「ワシントンホテル」としているが、旭川の場合はヨシタケグループが先行して旭川ワシントンホテル(現スマイルホテル旭川)を開業していたことから、この名称とした。旭川駅を降りてすぐという絶好の立地条件を活かして、これまで多くの観光客やビジネス客を集めてきた。
 藤田観光は全国41ヵ所(提携ホテル含む)でホテルを経営しているが、全体で見れば経営は良好だ。連結ベースの売上高(2017年12月期)は700億円で前年比2・7%増加、経常利益は20億円余りで同20・6%の増加だった。にも関わらず旭川撤退を決めた最大の理由は、周辺での相次ぐホテルのオープン。目の前にあった旭川ターミナルホテルに代わってJRイン旭川が登場、駅の東口に近い一角ではツルハビルディングの建設が進んでおり、2~7階にビジネスホテル形態の「ワイズ・ホテル」が7月にもオープンする。ここ数年の状況を見ても、宮下通8丁目の旧アサヒビル跡地では16年3月にルートイングランド旭川駅前が、その半年前には宮下通10丁目でホテルラッソグランデ旭川(現ホテルWBFグランデ旭川)がオープンしている。
 さらに気になるのが駅前に広がる大きな空きビル、空き地の行方。旧西武B館を購入した前田住設はかねてから国際的なブランドのホテルをこの敷地に導入する意向を明らかにしているほか、A館の跡地を購入したツルハホールディングスも、旭川市にホテルを含む複合商業施設建設の構想を伝えたと言われている。以上の動きはすべて旭川駅から徒歩圏内で起きており、他の小規模な宿泊施設の存在も考えあわせれば、このエリアで宿泊客の奪い合いが一段と激化するのは必至の情勢だ。

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この続きは月刊北海道経済2018年6月号でお読み下さい。