永山一番通歩道にバリケードの怪

 旭川市内の市道「永山一番通」の歩道に市がバリケードを設置し、歩行者や自転車の通行を妨げている場所がある。工事中というわけでもないのに、なぜ歩道の大半をふさぐ姿でバリケードが置かれているのか。奇妙な光景と映るそこには、10年計画の都市計画事業に伴う、地権者との用地買収交渉にまつわる複雑な事情があった。

個人情報がからむことなので…
 永山一番通(通称永山一番線)は、そのうちの約2・7㌔区間が「せせらぎ公園」として整備されているため「永山せせらぎ通り」とも呼ばれている。その沿線にある永山7条10丁目のクリニックの玄関前に、市が6基のバリケードを設置したのは今年の雪解けの頃だった。
 写真のように、歩道幅の4分の3ほどが通行止めになっており、人や自転車は、狭くなった幅1㍍ほどの歩道をすり抜けなければならない状況にある。通行量はさほど多くはないが、いかにも不便そうで景観上も違和感は避けられない。
 さらに写真を見ると分かるように、この歩道上にはクリニックの建物の玄関につながるスロープとガレージ(自転車置き場)がせり出している。これが歩道上の障害物となっており、バリケードにはその存在を知らせ通行者に注意を促す意味があるようだ。
 いったいなぜ、このようなことになっているのか。旭川市土木部の道路管理課へ問い合わせると、時間をおいて用地課から連絡があり、「(バリケードを置いているのは)まだ地主との移転交渉が完了しておらず、安全性を考えてのこと」という説明。
 記者が「歩道整備事業は終了しているのに、なぜそこだけ交渉が遅れているのか、その経緯を聞きたい」と言うと「個人情報が絡むことなので話せない」との返答。

表紙1807
この続きは月刊北海道経済2018年7月号でお読み下さい。
この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!