現地ルポ 富良野が第2のニセコに?

 数年前から富良野市の一部地区の地価が高騰している。富良野スキー場の麓、北の峰町が不動産投資の舞台で、中国人を筆頭に海外の投資家が殺到して土地の買収が加速している。今では坪あたり10万円はするという高騰ぶりだ。道内では、ニセコ地区が10年ほど前から海外の投資家の手で土地が買い漁られ坪100万円を超えるフィーバー振りだが、富良野も〝第二のニセコ〟になるのではないかと不動産業者の間で注目を浴びている。

ニセコの次はフラノ?
 十数年前、道内で人気のスキー場の一つに過ぎなかったニセコ地区は、海外の投資家の手で土地が買い漁られ、今や坪当たり100万円を超える高値で売買が行われている。札幌のある不動産業者は「ニセコ地区の中心部にある倶知安町比羅夫(ヒラフ)では、坪当たり140万円の値がついているところもある」と説明する。
 ここ数年は、海外の富裕層向けに毎年のようにホテルやリゾートマンション、コンドミニアムなどが建設され、あまりの混雑振りに道路を拡幅しなければならない事態に陥っている。その道路拡幅も、土地が高騰しているためなかなか進まないようで、地元民は急激な変貌に戸惑いを隠せないようだ。
 やや飽和状態とも思えるニセコ地区のバブル景気だが、同地区と同じく道内でも有数のスキーリゾート地、富良野に今、海外投資家の熱い視線が集まっている。その兆しが見えたのは5年ほど前。記者は当時、札幌のあるデベロッパーから北の峰町の富良野プリンスホテル近くで、オーストラリア人が約3000坪の土地を購入したという情報を得て現地を取材したことがある。
 地元のある不動産業者は記者の取材に、「その情報は正しいが、すぐに何か建設するといった話は聞いていない」と説明した。この業者は当時、北の峰町で戸建て住宅規模のペンションやコテージを中国人の投資から数件依頼されていた。その程度の規模であれば、観光地として世界的にも有名な富良野だけにたいして驚かなかったが、2017年ごろから大規模な土地の買収の動きが加速していた。

市営公園を挟んだ大規模開発
 富良野方面の情報にも詳しい旭川市内のデベロッパーから北の峰町の情報が寄せられたのは18年10月。「北の峰町から山部へ抜ける道道沿いで、市営の朝日ヶ丘総合都市公園と道路を挟んだ北側の斜面に整地されたところがある。面積は5000坪以上あり、中を走る道路も2本できている」という。
 早速現地に足を運んでみたが、デベロッパーが言った通り、敷地内に2本の道路が入り、富良野プリンスホテルに向かって段々畑状に整地が完了していた。
 土地の境界がはっきりしないため、土地の登記を取るのに手間取り、噂にある「中国人の投資家が買収した」という根拠は探れなかった。ただし、旭川市のデベロッパーらの話をまとめると、「中国資本の手で土地を買収し、中国の富裕層向けにコンドミニアムを建設する。戸数はわからないがほぼ予約済みという話だ」と語る。
 中国人同士の契約となれば、ほとんど情報は伝わってこないが、旭川の別の不動産業者は「噂が先行している。まだ手付かずの状態のはずだが…」と首を傾げる。とはいっても、雑種地だった土地がこれだけきれいに整地されていれば、雪解け以降に建物が建築されてもおかしくはない。

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この続きは月刊北海道経済2019年1月号でお読み下さい。