カムイスキーリンクス 集客に本腰

 積極的な施設更新とインバウンド効果から、「カムイスキーリンクス」の来場者数が増加している。昨シーズンは9万8634人をカウントし、今シーズンは大台の10万人超えが視野。キロロスノーワールドや星野リゾートトマムスキー場などとの連携で利用者増の相乗効果を狙う。

来場者10万人視野
 旭川の中心部からクルマで30分、神居町西丘にある旭川市が所有するカムイスキーリンクスは、初心者用8本、中級者用9本、上級者用8本と多彩なコースを楽しめるスキー場。全国でも数少ない「陽の当たるスキー場」で、夕方まで粉雪の状態を保つ〝極上パウダー〟がウリだ。
 もともとの経営主体は「日本ゴルフ振興」だったが、2003年に同社が経営破たんし、旭川市が施設を無償で譲り受けて営業を継続している。実際の運営は「㈱旭川北インター開発公社」から「アライ地所㈱」を経て、18年からは「一般社団法人大雪カムイミンタラDMO」が指定管理者となっている。
 カムイスキーリンクスを冬季観光の目玉にしようと、旭川市は14年から大規模改修に着手し、ゴンドラとペアリフトの更新、センターハウスと山頂レストハウスの改修、また18年には自動ICゲートを導入した。この間の設備投資は27億円に達する。その積極投資が奏功して昨シーズン(18年12月~19年3月)は9万8634人が来場した。前年度に比べて26%増、人数では1万人余り増え、当面の目標としていた「来場者10万人」が視野に入ってきた。

外国人スキー客増
 インバウンド好調の影響から外国人スキーヤーが増加していることもカムイスキーリンクスの来場者数を押し上げている。
 昨シーズンは前年度より800人近く、率にして20%アップして4499人が来場した。最も多いのはオーストラリアの1378人で、これに次ぐのがアメリカの545人。急増しているのが中国で、前年度102人の4倍、409人が来場した。
 市内のホテル業者によると「中国、台湾、タイなどのお客様は年間通して大勢宿泊されますが、数年前から1月、2月のスキーシーズンはオーストラリアなど欧米の外国人のお客様も目立つようになりました。カムイスキーリンクスでスキーを楽しみ、翌日旭岳まで足を延ばしてスキーやスノーボードをするようです。冬まつりなどのイベントだけでなく、スキーを目的に来道する中国の方も増えています」

ニセコからシフト
 18年に指定管理者となった大雪カムイミンタラは、オーストラリアと中国でのプロモーションを通して、カムイスキーリンクスなど旭川圏のスキー場の魅力をアピールしている。これに先んじて、市や観光協会が中心になって05年に発足した「富良野・旭川地区オーストラリアスキー客誘致協議会」もオーストラリアでPR活動を続けてきた。そうした取り組みの成果が昨シーズンの外国人来場者増の要因。また、指定管理者となった大雪カムイミンタラが英語と中国語を話せるスタッフ常駐の案内所を設けるなど、外国人スキーヤーの利便性が高まっていることも好調の理由のようだ。
 「スキーヤーが増えすぎたニセコを敬遠してカムイリンクスにやってくる外国人が増えているのではないか」とは前出のホテル業者。「ニセコでは中国、香港のスキー客も増えてきたが、欧米のスキーヤーはそれを嫌う傾向もある。新しいスキー場を求めて、雪質はニセコ以上だと定評があるカムイスキーリンクスへオーストラリアやアメリカのスキーヤーがシフトしているのではないか。ニセコは風が強い日が多くゴンドラが止まることも珍しくないが、カムイスキーリンクスは風が余りないのもアドバンテージ。今後さらに外国人スキーヤーは増える。第二のニセコとなる可能性も秘めている」と話す。

共通チケット
 仮に、外国人スキー客がもっと増えホテル業者の言うように第二のニセコのように活気づけば不動産投資も促進され、低迷する地価も上昇するなど多方面にわたって旭川の経済活性化が進むことになる。
 もっとも、ニセコがカムイスキーリンクス以上に優位な点もある。
 一つはスキー場の数。ニセコにはニセコビレッジ、アンヌプリ、ニセコHANAZONO、ニセコグラン・ピラフと4つのスキー場があり共通リフト券も販売されている。また山麓に大きな集落があり、民宿からペンション、ホテルまで宿泊施設が充実している。
 雪質ではカムイスキーリンクスにアドバンテージがあるがゲレンデ下の環境ではニセコに軍配が上がるというわけだ。
 カムイスキーリンクスでは今シーズンから、キロロスキーリゾート、ニセコモイワスキーリゾートと広域提携で共通シーズン券の販売を開始。また星野リゾートトマムスキー場とも連携し、共通で使えるリフト券も販売して相乗効果を狙う。大人一日券3100円を3700円に値上げしたことと積雪の遅れがどう影響するか気にかかるが、第二のニセコを目指すリンクスの取り組みに注目したい。

表紙2001
この記事は月刊北海道経済2020年01月号に掲載されています。