衆院6区候補 誰がふさわしい?

 次の衆院選挙で勝てそうなのは誰か。本誌では候補選考の行方を占うべく、一般市民から広く意見を募った。その結果によれば、「強さ」が際立ったのは西川将人旭川市長。それに続くのが東国幹道議会議員。道6区、自民党からの出馬が取りざたされる鈴木貴子衆院議員(比例北海道ブロック)にとっては、知名度アップが喫緊の課題であることが浮き彫りになった。(文中敬称略)

衆院道6区の有権者の声集める
 次の衆議院選挙で、北海道6区では誰と誰が戦うのか─。自民党でも立憲民主党でもまだ正式な人選は行われておらず、そもそも次の解散総選挙がいつになるのかも確定していない。それでも自民党の道6区支部では、鈴木貴子が新しい支部長に選ばれ、次の選挙では6区から立候補する公算が強まっているようにも見える(詳細は別稿参照)。一方の立憲民主党では、選挙のタイミングによって確度に違いはあるものの、西川将人の国政転出が既定路線だと、複数の政界関係者が以前から語っている。
 こうした人選は、往々にして党内の事情により左右されるものだが、選挙で投票するのは個々の有権者だ。政党が自信をもって推薦する政治家も、一般市民にそっぽを向かれれば当選はおぼつかない。有権者は、次の衆院選挙での出馬の可能性が高い数人の人物について、どう感じているのか。本誌は㈱高津が展開する新事業「ザ・チーム」を通じて、衆院道6区に居住する人を対象にアンケートを実施して回答を得た(ザ・チームについては本誌3月号で紹介している)。
 このアンケートはザ・チームにモニター登録している人を対象に2月15~18日にウェブ上で実施され、110人から回答を得た。その年齢別の構成はQ1のグラフの通りで、40歳台をピークに、下は20歳台、上は70歳台となっている。なお、グラフにはしていないが、男女構成は男性が23%、女性が77%。この男女構成については、実際に投票に赴く男女の構成との間に大きな違いがあることを理解いただきたい。なお、回答者の居住地は110人のうち96人が旭川市、4人が旭川市近郊の町、10人が衆院道6区内(居住自治体不明)となっている。統計学的に言えば、今回の調査の誤差は「9%以内」となる。

タレント上回る 西川の知名度
 政界関係者やマスコミの間では、「東国幹」「鈴木貴子」「西川将人」「佐々木隆博」といった名前はよく知られているが、一般市民にも浸透しているとは限らない。そこで本誌はまず、次の衆院選に出馬する可能性が高いとみられるこれら4人に加えて、一時は名前が取りざたされたものの本人が出馬を固辞したと伝えられる元衆議のタレント、杉村太蔵を加えた5人の名前を挙げて、それぞれの人物を知っているかどうかを尋ねた(Q2)。
 知っている人の比率が最も高かったのは西川の90%。13年余りにわたる市長の任期の中で知名度を着実に高めてきた。これに続くのが、今もバラエティ番組などに精力的に登場している杉村の89%だ。自民党の現役の政治家の中にこれほどの知名度を持つ人はおらず、一部で杉村の擁立を画策する動きがあったのもうなづける。
 東を知っている人は70%。旭川を離れることの多い道議は地元での知名度を上げにくいとの指摘もあるが、東は旭川市長選に挑戦したことも2回あり、高い知名度を維持している。現在の道6区選出の衆院議員である佐々木は60%だった。意外なのは鈴木を知る人が42%にとどまったということ。5割に達しなかったのは鈴木だけだ。仮に鈴木が自民党道6区支部を代表して選挙に出馬するなら、最初の課題は知名度アップとなりそうだ。
 次に尋ねたのは次の選挙で投票するつもりがあるかどうか(Q3)。8割の人が投票すると回答しており、回答したのが比較的政治に関心の深い人たちであることがわかる。

政党別では自民に 圧倒的な支持
 本誌は、次の選挙でどの勢力に所属する候補に投票するつもりかも尋ねた(Q4)。最も多かったのは自民党の48%。これに立憲民主党の7%、公明党の6%が続く。こうした数字は大手マスコミが行っている政党支持率調査の最近の結果と大きくは変わらない。自民党だけで48%、連立与党を形成する公明党と合わせれば支持率は54%にも達するのだから、有権者が政党を基準に投票する候補を決めるのなら、選挙結果は明白だ。しかし、後述するように、実際の状況は自公にとり厳しく、回答者は政党ではなく、人物で投票する相手を選択しようとしていることがわかる。
 「48%」の支持を得た自民党からは誰が選ばれるのか。現時点で有力視されるのは鈴木と東だが、この2人のうち「衆院候補にふさわしいのは?」と尋ねたところ、72%が東、28%が鈴木を選び、2倍以上の大差がついた。Q2で明らかになったように2人の知名度には大きな差があり、当然の結果と言えるかもしれない。
 鈴木については、父親譲りの演説のうまさを高く評価する政界関係者もいるが、鈴木が6区を訪れる機会はそう多くはなく、魅力をアピールするには至っていないようだ。
 Q6では立憲民主党の2人、西川と佐々木のどちらが衆院候補にふさわしいのかを尋ねた。西川はまだ国政挑戦を明言しておらず、佐々木も本誌のインタビューに対して「次の総選挙も出馬する」と答えているものの、仮に佐々木からの禅譲を受けて西川が出馬することになれば、自民にとり佐々木以上に手ごわい相手になることは確実だ。

鈴木を推す声 東に遠く及ばず
 Q7では以上の4人を並べて「衆院議員にふさわしいのは誰か」と尋ねた。最も多かったのは西川の36%、これに東の29%が続く。佐々木は12%、鈴木は11%だった。自民党道6区支部が善戦も期待できる「29%」の東ではなく、「11%」の鈴木を推すとすれば、大きな勇気のいる決断だ。
 参考までに、Q8では衆院議員を選ぶ上で重視する要素を複数回答で尋ねたが、重視される要素は公約と経験、そして品行だった。
 今回の調査結果が本番の選挙の得票数でそのまま再現されるとは限らない。回答者の構成と実際に投票所に足を運ぶ有権者の構成には一定の差があり、また選挙活動で有権者の考え方も変わり、国政の政局も地方に影響を及ぼす。しかし、現時点でどの政治家がどんな位置に立っているのか把握するためにも、政党は内部の事情だけにとらわれることなく、事前の調査を十分に行うべきではないか。特定の人物に白羽の矢を立てるのは、十分にデータを集めてからでも遅くはない。





表紙2004
この記事は月刊北海道経済2020年04月号に掲載されています。