西川市長後援会幹事長が特養新設を申請

三井厚労相秘書も協力申し出
選定の公平性は保たれるのか?

 2014年度までに旭川市内で新設される特別養護老人ホーム(特養)をめぐり、7つの法人の間で熾烈な競争が繰り広げられている。選ばれた業者は巨額の補助金を受給するだけに公正な選考が望まれるが、申請者のなかには西川将人旭川市長と密接な関係にある人物も。11月にも発表される選考結果に注目が集まる。

広島の福祉グループ
含む7法人が名乗り

旭川市が第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づき、整備事業を行う広域型特別養護老人ホーム。1施設(80床)の枠に対して▽社会福祉法人慶友会▽社会福祉法人旭川水芝(すいし)会▽社会福祉法人旭川健翔会▽医療法人社団木々の会▽社会福祉法人旭川ねむのき会▽㈱緑ケアライフサービス▽社会福祉法人葵(あおい)新生会の7業者が名乗りを上げた。11月中に選定を完了、来年度に工事を開始し、14年度には完工する計画だ。
7法人の顔ぶれと、それぞれの立地に注目すれば、まず慶友会は吉田病院グループ。すでに慶友会では永山町5丁目で特養「養生の杜カムイ」を営んでいるが、今回の申請では旭川市4条西4丁目にある吉田病院の駐車場を開発、ここにグループ2つ目となる特養を新設する方針のようだ。
ケアハウスを営んでいる旭川水芝会は、市が7月に売り出した春光台地区の旧高台小跡地約1万6000平方㍍を最低基準価格の3480万円で落札しており、この土地を活用して特養を建設する計画。
グループハウスを運営する旭川健翔会は、ミサワホームが所有する2条25丁目、旭川東警察署裏の土地での特養開設を目指している。なお、この土地の敷地面積は4498平方㍍。市が定めた最低基準価格を大きく上回る1億2500万円で落札した。 このほか、老人介護保健施設を運営する木々の会は、旭ダンケの所有する永山1条18丁目の土地で、グループホームなどを運営する社会福祉法人旭川ねむのき会は忠和の土地でそれぞれ特養建設を計画している。
旭川市民に知られていないのが広島県の社会福祉法人葵新生会。病院、老人保健施設、学校・保育施設、ホテルなど70を超える施設を営む葵会グループ(本部=東京)の一角だ。葵新生会は旭川脳神経外科の裏手にある10条21丁目の土地、約1000坪を活用する意向。

新厚労相秘書が支援申し出
残る緑ケアライフサービスは、訪問介護、居宅介護支援、グループホームなどの介護事業を展開する企業だが、この企業からの申請は、政治的な意味を持つ。社長の板井清春氏が、「西川まさひとふるさと後援会」の幹事長を務めているためだ。

(続きは月刊北海道経済11月号でご覧ください)

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