旭川市でも入札不調の異常事態

 公共工事の入札不調という異常事態が全国で多発しているが、旭川市でも8月27日に予定されていた「(仮称)旭川市立中央中学校A─2新築工事」が直前になって辞退者続出で不調に終わった。また同日予定されていた土木工事2件も応札者無しで不調。先行きの資材・労務費高騰リスクを抱える建設業界の「選別受注」の姿勢は今後の公共工事執行にも深刻な影響を与えそうだ。

躯体に続く内装
工事名は「旭川市立中央中学校A─2新築」。中心部3中学校─常盤、北都、聖園─統合計画の新校舎建設工事だ。
入札不調−画像02 旭川市立中央中学校の全体計画は、現常盤中の北側10条11丁目敷地面積約1万9500平方㍍に、今年度と来年度の2ヵ年計画で校舎と屋内体育館を新築するもの。総工費約28億円。2014年12月に完成、15年4月開校を目指している。
校舎、屋体ともに、すでに今年6月に躯体(本体)工事は入札を終えている。落札業者は、校舎A新築が高・廣野・多東共同企業体で落札金額3億7100万円、校舎B新築が新谷・畠山・小森共同企業体で3億2900万円。屋体A新築は荒井・東成・石田・永興共同企業体が4億5750万円で落札し、屋体B新築は橋本川島・吉宮・旭栄・宗田共同企業体が3億7700万円で取っている。業者の受注機会を増やすため、構造的に分離が可能なところで分けて発注しているためAとBとなっているが、校舎も屋体も建物は1棟。
8月27日に入札が行われたのは躯体工事に続く校舎内装のA、Bである。規模はAが鉄筋コンクリート4階建て(一部塔屋)3245平方㍍で、Bが鉄筋コンクリート4階建て3208平方㍍で、こちらは塔屋無し。

内装Bは高・廣野
内装A(工事名は中央中学校A─2新築)、内装B(工事名は中央中学校B─2新築)ともに設計金額が2億円超。1億5000万円を超える工事は、市の建築格付けA、B、CのうちA格付け業者が対象で、また見積もりに必要な日数も最低20日間必要となっている。このため市は1ヵ月前の7月26日に「市内業者による共同企業体での入札参加」の条件で公告を行った。
名乗りをあげたのはA、Bともに「荒井・東成」「新谷・畠山」「高・廣野」「タカハタ・田中」「橋本川島・吉宮」「盛永・谷脇」の6つの共同企業体。つまり、同じ顔ぶれ。業者の受注機会を増やすという考え方から校舎は分割発注されており、2つの工事を同一業者が受注することはできないが、両方の工事に入札参加するのは可能だ。
入札参加は郵送方式で、旭川市契約課宛に届いた各社見積もりを開札して落札業者が決定する。2つの工事のうち内装Bの方は入札日前に6共同企業体すべての見積りが到着。開札の結果、高・廣野が2億4230万円で落札した。

(続きは月刊北海道経済10月号でお読みください)

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