旭川市新庁舎建設計画地  6条買物公園沿いが浮上

 今年度中にも大枠が決定すると見られている旭川市の庁舎建替え計画。現本庁舎もしくは第3庁舎を解体して建設されるのが有力と見られているが、「1+1が3以上になる場所」として、6条買物公園に高層階の新庁舎を建てる計画が浮上。中心市街地活性化の心臓部として、JR旭川駅から一直線に伸びる買物公園を利用することで賑わいを取り戻せるため、が然注目を集めている。

西川市長3期目の目玉
中心市街地活性016条 3期目を目指すと見られている西川将人市長は、10月の市長選を前に自らの公約を発表する時期を窺っているという。その時期は、今年6月とも8月とも言われているが、2期目をあと10ヵ月余り残した段階で、目立った実績を上げていないという批判の声も一部で聞かれることから、3期目の目玉として新庁舎の建設に並々ならぬ意欲を燃やしているようだ。
築後55年を過ぎようとしている本庁舎は、耐震性の問題から改修もしくは建替えの判断に迫られているが、昨年秋に市役所内や市民からの声を集計して建て替えを前提に話が進んでいる。あとはどの場所に新庁舎を建設するのかが、市民の間で注目されている。
新庁舎の有力な候補地として挙げられているのが、現本庁舎と過去に道から買い上げた第3庁舎の両方もしくは、いずれかで、第3庁舎に隣接する旭川中央署も巻き込んだ大がかりな再開発になると見られている。
一方で、中心市街地活性化を促進するため、買物公園通りに面した場所が新庁舎に適しているという声が、市民の間からも高まっている。
その理由としてささやかれているのが、「現庁舎がある場所に建設しても、1+1が単に2になるだけだ。買物公園通りだと商業地区の中にあり、JR旭川駅から一直線で徒歩でも安全だ。利便性も現庁舎の場所より上で、使い方次第では1+1が3以上になる可能性がある」との見方。
また、今でも出店に関して賛否両論がくすぶっている駅直結イオンだが、建築確認申請が下りて2015年春に開業することが決まった以上、それを利用しない手はない。駅を中心に発展させるという考えから、人の流れも自然と駅や買物公園に集まる。また、高齢化が今以上に進む中で、市民の利便性を考えれば最適の場所といえる。
そこで、買物公園に面した敷地の中でも有力視されているのが、6条通沿いのスガイビル跡(現無人有料駐車場)とその周辺だ。周辺一区画を見渡すと、近くの昭和通沿いには2つのテナントビルがある。ひとつは野村設計が所有するノムラビル、もうひとつが旭川東京海上日動ビルディング。そのほか、病院が2軒、無人有料駐車場と個人住宅、コンビニエンスストアが各1軒となっている。
また、南側には市経済観光部や飲食店が入居するフードテラスがある。フードテラスや病院など現存する建物を除くと、この一帯の面積は約5000平方㍍(1600坪)になる。面積だけの比較では、現本庁舎の建物部分とほとんど変わらない。

20階を超える高層ビル
現在、本庁舎と第3庁舎の周辺には、市のいくつかの部署が散らばっている。それらを1ヵ所に集めなければ、これまで不便を感じていた市民へのサービスにはならない。そこで、建設可能な敷地面積が限られる中、今の本庁舎以上(11階建て)の高層階の建物が必要になってくる。現在、市が使用しているフロア面積を元に、専門家に積算してもらったところ、20階を超える高層ビルが必要であることがわかった。

(この続きは月刊北海道経済2014年2月号でお読みください)

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