エクスビル売却、新たに地元企業が名乗り

 JR旭川駅前の買物公園にある商業ビル「エクス」の売却で、新たに地元企業が購入を申し出た。当初、エクスの地権者たちは旭川市内の不動産仲介業者を通じて札幌の同業者と交渉していたが、競争相手が現れ価格が高騰したため手を引いた。今後は名乗りを上げた地元企業が買収に向けテナントや地権者と交渉を続ける。一方、同じく買物公園通りでファッションビルを運営するオクノが、テナントごとエクスビルに移転するという計画も浮上している。(記事は1月5日現在)

同業他社の進出を阻みたい
本誌13年10月号で報じた通り、札幌市の不動産仲介業者が買収することで話が進んでいた商業ビル「エクス」。築40年を経過して建物の老朽化が進み、法改正による耐震工事の必要性に迫られている。耐震強化をしてこのまま商業ビルとして運営を続けるのか、それとも解体して新たな建物を建設するのかが焦点になっていた。
このような状況の中、昨年10月、市内のある有力企業がエクスビルの買収を目指し名乗りを上げた。同社は、土地と建物の所有者11者(両方の所有者を差し引いた実質的な数は8者)と面談して交渉を進めているが、すでに地権者の一人で現在、国税局から差し押さえられている人物が所有する土地の一部を、債権を肩代わりして取得した。ほかの数人の所有者とも、話が進んでいる。
ただ、当初から交渉を進めてきた市内のある仲介業者へいったん所有者全員が売却に向けた同意書を手渡していることから、「交渉に応じない所有者もいて、今後どのような判断を下すのか、返事待ちの状況のところもある」という。
この地元企業が懸念するのも、この点に集約される。「所有者すべての合意を得るのはたやすいことではないが、これからの交渉の中で理解していただける所有者がいれば、誠意を持った対応をしたい」と慎重な姿勢だ。
この企業があえて手を上げた理由は「地場防衛」だ。「札幌にある同業他社が進出してくるという情報をつかんだ。仕入れ業者などに確かめたところ、確実だとわかり対抗策に出た。企業防衛としては当然のやり方だと思うが、相手方は不快に感じているかもしれない」と戸惑いを隠せない様子でこの企業の関係者は語る。
一方、先行して交渉を進めていた市内のある仲介業者は「地元企業の参入で厄介な問題になった。所有者の中には、『もっと高い値段で売れるのではないか』とおかしな期待を抱くものもいる」と困惑する。結局、11月に入り最初の計画はご破算となり、今後は新たに手を上げた地元企業が、どのようなやり方でエクスビルを再生するのかに注目が集まっている。

(この続きは月刊北海道経済2014年2月号でお読みください)