駅南広場のみすぼらしいベンチが1脚60万円!

 2年前、JR旭川駅南口に設置された4脚のベンチがある。道産カラマツの間伐材とはいえ、無垢で値が張る材料を使ったため、1脚60万円もする代物だ。旭川市が財政難といわれる中、「1年の半分近くが雪で覆われる場所柄、そんな高級なベンチが必要なのか」と市の内部からも疑問の声が上がる。駅前広場にも今年中に、10脚程度のベンチが設置される予定になっている。南口と合わせて15脚程度、1千万円の税金が無駄な投資に使われる。

15脚余りで1千万円
2年前、JR旭川駅南口「駅南広場」に設置された4脚のベンチ。2脚は背もたれがついたもので、残りの2脚は、駅西コンコースを出たタイル敷きの場所にある長さ3㍍ほどの背もたれがないベンチ。
bench 写真で見るとわかるように、表面はむき出しのままで、所々にひび割れが入っている。設置されて2年が経過して2度の冬を迎え、少しずつ表面から傷みはじめているのがわかる。
これらのベンチを見た木材に詳しい市内のあるハウスメーカーの幹部は、「これが本当に1脚60万円もするのか。木の表面に何も手を加えず、いくつもひび割れができている。ささくれだってはいないが、そのうちに表面も荒れてくるだろう」と、びっくりした顔で本誌に証言した。
この話を耳にした市のある幹部は、「適材適所という言葉があるように、屋外で野ざらしになっている場所に、1脚60万円もするベンチが必要なのか。何でもいいというわけではないが、少しは考えて素材を選ぶ工夫が必要だ」と呆れ顔で語る。
このベンチは現在、完成間近の駅の表玄関、駅北広場の通路と、緑の広場と呼ばれる木に囲まれた場所にも、今年の秋までに合わせ10脚程度設置される。駅南口と合わせると15脚程度が設置されることになり、予算は1千万円近くに上る。

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この続きは月刊北海道経済2014年8月号でお読みください。
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