西川将人終わってみれば余裕の3選

 任期満了に伴う旭川市長選(11月2日告示、9日投開票)は32年ぶりの一騎打ちとなり、無所属で現職の西川将人(46)=民主党推薦=が7万9355票を獲得し、無所属新人で前道議の東国幹(46)=自民党・新党大地推薦、公明党支持=を1万3417票差で破り、3選を果たした。東陣営は公明党からの支持、安住太伸からの協力も得て、石破茂地方創生担当相など多くの有名政治家にも協力を仰いだが、現職・西川の厚い壁に跳ね返された(敬称略)。

明暗分かれた両陣営
特集_総括01 開票日の11月9日。西川選対事務所で午後9時半頃に「西川当確」のテロップがテレビの画面に映しだされると、ほんの一瞬、沈黙が選対内を支配したが、次の瞬間、詰めかけた支持者から歓声と拍手が沸き起こった。それから10分ほど経ち、西川が選対事務所に姿を見せると、割れんばかりの歓喜の輪が広がった。
一方の東選対事務所では「西川当確」を知った瞬間、集まった支持者たちがあっけにとられた。幹部役員らは呆然とテレビの画面に目をやり、広々とした事務所スペースを埋めた大勢の支持者からは深いため息が洩れた。祝福に包まれた西川選対事務所からの中継映像を横目に、東が深く一礼して事務所に入り一人ずつ握手を交わし始めると、励ましの拍手が響き渡ったものの、事務所内は重い空気に包まれたままだった。
東陣営にとって敗戦はある程度予想された結末だった。マスコミ各社が行った期日前投票や出口調査の結果から不利な状況に追い込まれていることは、一部の東陣営幹部には事前に伝わっていた。意外だったのは、「西川当確」の早さだったのではないか。
実は、NHKは事前の調査結果から西川の逃げ切りを確信し、午後8時に投票箱のフタが閉まった時点で当確を打つ準備をしていたが、周囲への遠慮もあって開票が始まる時間まで引き延ばしたようだ。
当日有権者数は29万1471人、投票者数は14万6994人。投票率は50・43%で、2010年に行われた前回の市長選を1・1ポイント上回る結果となった。無効票は1696票にのぼる。

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この続きは月刊北海道経済2014年12月号でお読みください。
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