旭川市が理系大就職説明会に参加

 旭川市は深刻な技術系職員の不足に陥っており、中でも土木職員の不足が著しい。公共事業の増加で求人が増加し、民間の建設業者の間で激しさを増す人材の奪い合いが自治体にも飛び火したかたちだ。人材確保を目的に、旭川市は今年度から道内の理科系大学の就職説明会に参加している。道内の自治体では、札幌市や北広島市など道央圏の自治体にもこうした動きが広がっている。旭川市の対策がどこまで効果を上げるのかが注目されている。

いびつな年齢構成
旭川市の職員分布図によると、市の技術系職員(建築、土木、電気、機械、化学、保育士など)は2015年4月1日現在、フルタイムの再任用を含めて390人が在籍している(派遣受入職員と教育長を除く)。2900人あまりが在籍する市職員の約13%を占めている。
年齢別構成比で見ると、42歳が25人と最も多く、次いで40歳の23人、59歳の22人と続く。42歳と40歳は、いわゆる団塊ジュニアと呼ばれる世代で、市人事課では「他の世代と比べ人口比率が高いことも影響しているのではないか」と説明する。
一方、最も技術系職員が少ない年齢は、20歳の1人。次いで19歳と52歳の2人。3人は21歳と54歳。管理職の年代になる52歳と54歳の職員が極端に少ないために、40代で課長職に就き50代早々と部長職に就いた職員もいる。
市のある部長は「私も50代前半で部長職に就いたが、特に能力があったわけではなく、同期の職員がほとんどいなかったからだ」と謙遜するが、他の年齢層に比べて極端に職員の数が少ないことが異例の人事に影響していることは確かだ。
このように年齢別の構成に大きなばらつきがあると、業務上、支障をきたすことがある。一般的によく言われるのがジェネレーションギャップだ。世代の違いで、意思疎通がうまくいかないという問題は、いつの時代、どの職場でも起きている。中間層にあたる年齢層が極端に少ないと、ベテランと若手のコミュニケーションが一段と難しくなるのは避けられない。
そのほか技術系職員の場合、長年受け継がれてきた技術やノウハウをうまく継承することができなくなる心配もある。民間企業と同様、市役所の一部の部署にも「職人技」といわれる技術の継承を必要とする職種もあり、それが2年や3年で簡単に受け継がれるものではなく、10年以上の歳月を要する。若い世代の人材が不足していれば、ベテランは技術を伝えたくても肝心の相手がいない。将来的に技術を継承していくことができなくなるというわけだ。ジェネレーションギャップの影響も含め、いびつな年齢構成が深刻な問題となっている。

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この続きは月刊北海道経済2015年8月号でお読みください。