旭川市新庁舎建設候補地の〝優劣〟

 旭川市の新庁舎建設地として候補にあがっているのは3ヵ所。各種団体との意見交換やタウンミーティング、近々設立される審議会での議論を経て年明けには絞り込まれる。本命〟と言われるのは「現庁舎周辺」だが、仮庁舎確保という問題を抱える。民間資本活用方式の「買物公園・須貝ビル跡地」、市民アンケートで要望が強かった「北彩都地区」。3候補地それぞれの優劣は──

50団体と意見交換
build 旭川市は今、「新市庁舎整備」をテーマに、各種団体との意見交換を精力的に進めている。5月13日の「旭川建築協会」が皮切りで、その後「旭川市社会福祉協議会」「旭川地区ハイヤー協会」「中小企業家同友会あさひかわ支部」「旭川商工会議所」、それに各地域まちづくり推進協議会などと続いている。意見交換を予定しているのは約50団体だが、6月末までにほぼ半数を消化した。
 市民との意見交換は、今春までにとりまとめた建設候補地、規模、事業費の概要を市側が示し、これに対する市民の意見を聞く形で進行。参加者の一番の関心事「建設地」についての意見が多いようで、また新庁舎のより身近な機能への注文、提言も出ている。
 意見・提言は集約され、8月に設置される予定の「庁舎整備検討審議会」に提出され、審議会は年明けに答申を出すスケジュールだが、7月に入ってから西川将人市長が「年内か年明け早々には建設地を固めたい」と発言している。旭川の街の〝未来図〟を決める新庁舎建設地選定の時間はわずかしか残っていない。
 旭川市の庁舎は分散している。6条9丁目にある「総合庁舎」は1958年に建てられたもので、規模は地下1階地上9階延べ床面積は1万2000平方㍍。市民課、税制課、納税課、行政改革課など主要部署が入っている。83年に竣工した8条10丁目の旭川振興公社ビルが「第二庁舎」。消防本部、保健指導課などが入居。旧上川支庁が永山に移ったあとの建物が6条10丁目の「第三庁舎」で、スポーツ課、土木課などの部署がある。
 このほか、5条10丁目の「五条庁舎」、民間から賃貸している「セントラル旭川ビル」「朝日生命ビル」。計6ヵ所に分散化しているのが実情だ。
 最も古い総合庁舎は3年後には〝還暦〟を迎える。97年に行われた耐震診断で「危険性が高い」と指摘されたが、旭川市は地震が少なく、また財政が逼迫(ひっぱく)していたため建て替えは先送りされた。しかし11年の東日本大震災で耐震問題が再びクローズアップされ、市は内部組織の検討委員会を立ち上げ、検討委員会は13年に「現在地周辺での建て替えが適当」との意見をまとめた。
 その後、選択肢を広げるため他の建設地を含め検討。市民懇話会を設置し、また市民アンケートも実施。再度、庁内に検討組織を設け、想定される規模や建設候補地、概算事業費などを整理した。「老朽化、分散化を解消し、災害などの危機管理に対応。市民でにぎわい親しまれる庁舎」というのが新庁舎整備の基本的方針だ。

3地区5プラン
 市が絞り込み、各種団体との意見交換で示した建設予定地は「現庁舎周辺」「買物公園」「北彩都地区」の3ヵ所。
 そのうち、現庁舎周辺の場合は計画は3通りのパターンが想定されている。
 パターンAは、現総合庁舎を取り壊しその場所に新庁舎を建設。第二庁舎(旭川振興公社ビル)はそのまま活用し、第三庁舎(旧上川支庁)は取り壊し駐車スペースとするプラン。新庁舎は7階建ての想定で、整備費は149億円だ。
 パターンBは、現在の第三庁舎敷地に7階建て新庁舎を建設し、第二庁舎はそのまま活用し、現総合庁舎は取り壊す。整備費は推定137億円。
 パターンCは、第三庁舎敷地に5階建て庁舎を建設し第二庁舎も活用。さらに現総合庁舎を〝減築〟し、3階以上は解体するが2階までは再利用するプラン。整備費は140億円を見込んでいる。
 2番目の建設候補地である買物公園は旭川市6条7丁目須貝ビル跡地を活用するプラン。現在民間駐車場となっている場所に8階建ての新庁舎を建設する。現在使っている庁舎のうち、第二庁舎はそのまま使う。事業費は99億円の見込みだ。
 北彩都は、市が所有する宮下通11丁目、14街区15街区と呼ばれる場所で、2区画に分かれているため6階建てと5階建ての二棟の庁舎を新築する。整備費は157億円。
 ※市は整備費を「直接建設」「PFI」「リース」の3方式で計算しているが、記事中は直接建設方式による整備費。直接方式とは、設計、施工を請負方式で発注する方式。

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この続きは月刊北海道経済2015年8月号でお読みください。