フィール旭川 日台合弁企業と売却交渉

 5月上旬、市内の不動産業者から本誌に「フィール旭川が台湾の投資家に売却された」という情報が飛び込んできた。フィール旭川を運営する極東証券(東京)へ確認すると、「現在、先方と交渉していることは確かだ。シンガポールにファンドを持つ運用会社で、日本と台湾の企業が出資して設立した合弁会社がその窓口になっている」と、売却に向けた動きがあることを認めた。証券会社という本業の性格上、極東証券が旧丸井今井旭川店を買収し、フィール旭川として再生したときから転売の噂は絶えなかったが、ここにきてようやく有力な売却先候補が見つかったようだ。

買収から5年半
 旧丸井今井旭川店を極東証券が買収したのは、2010年11月のこと。買収金額は2億3000万円だった。09年7月20日に丸井が閉店から1年4ヵ月が経過してようやく売却先が決まった。その後、建物の改修やテナントの誘致を進め、1年6ヵ月後の11年6月24日に一部開業し、同年9月26日に全館オープンした。丸井の閉店から数えて約2年の歳月が過ぎたことになる。
フィール 全館オープン後は何度かテナントの入れ替えや改装を行い、延べ床面積2万3000平方㍍のほとんどを埋めることができた。ただ、15年3月のイオン旭川駅前の開業で売り上げが減少したことや、一方でイオン旭川西店やオクノなどからテナントが移動したりと紆余曲折があった。9月末に西武旭川店の閉店が決まったことで、現在フィール旭川の関係者は、西武から有力なテナントを誘致するため忙しい日々を送っている。
 このような状況の中で5月上旬、突然フィール旭川売却の情報が市内のある不動産業者から本誌に寄せられた。「すでに契約は交わされている。台湾の投資家に売却された」というのがこの業者の見方。
 早速、フィール旭川を運営する極東証券にこの情報の真否を確かめた。
 「台湾と日本の企業の間で設立された合弁会社が興味を持っていることは確かだ。本社は台湾にあり、シンガポールにファンドを持つ運用会社の窓口になり、運営管理を行う。開業当時からこれまで何度か売却の話はあったが、今回は相当確実性が高い交渉になりそうだ」(極東証券)

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この続きは月刊北海道経済2016年06月号でお読みください。
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