中国人観光客熱烈歓迎の一方で悪劣マナーに「もう勘弁!」の声

 日本を訪れる中国人観光客の勢いが止まらない。〝爆買い特需〟に小売店やホテル業界が嬉しい悲鳴を上げる一方、想像を絶する〝とんでもマナー〟に辟易する声が全国各地の観光名所で相次いでいる。さんろく街や旭川市内のホテルでも後を絶たないマナー問題に頭を抱えており、「入店お断り」という厳しい対応を取る店も出てきている。

外国人向けマナー本
中国人 過去最高の外国人観光客数を達成し、インバウンド景気に沸く日本。4月下旬、日本政府観光局が2015年度の訪日外国人客数を発表し、その数は約2136万人と初めて2000万人の大台を突破し、好調ぶりを印象づけた。
 中でも入り込みが増えているのが中国人観光客だ。円安や、ビザ発給など渡航条件が緩和されたことで旅行熱が高まり、14年には約241万人だった来日中国人観光客数が翌年の15年には約499万人と倍増。国・地域別の割合でもトップを占めている。
 その旺盛な買物で注目を集め、2015年の流行語大賞に「爆買」が選ばれたほどだが、購買意欲の高い中国人観光客が日本の観光業や小売業にとって大切な「ドル箱」となっている一方、迷惑行為と紙一重の〝とんでもマナー〟で関係者や地元の人、さらには他国からの外国人観光客を悩ませているのも事実だ。
 外国人向けのマナーブックの発行や、外国人向けのイベントで日本のマナーについて啓蒙するなど様々な対抗策を講じる自治体も出てきている。
 その一つが年間に180万人を超える外国人観光客が訪れる京都市。昨年7月に外国人観光客向けにエチケットをまとめたガイドブックを発行。「舞妓さんの写真を無理やりとらない」「横に広がって歩かない」「レストランの予約をドタキャンしない」など外国人旅行者に守ってもらいたい注意事項を記したもので、英語版と中国語版が発行されている。沖縄県でも外国人観光客向けのマナーブックを発行しており、こちらは英語、中国語、韓国語の3ヵ国に対応している。
 今年は中国大使館が異例の注意喚起を行った。日本での花見に際し、「樹を揺らさない」「他人の花見のエリアに踏み入らない」などの注意事項を呼びかけたものだ。
 毎年、花見の季節になると、中国人観光客が桜の木の枝を折ったり、花見会場で大騒ぎをしたり、トイレを汚すなどのマナー違反が横行する。国レベルでの外交問題を扱う大使館がこうしたトラブルに立ち入らざるを得ないほど、迷惑行為がエスカレートしているというわけだ。

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この続きは月刊北海道経済2016年06月号でお読みください。