マルカツオーナー企業の会長が突然の辞任

 買物公園にある老舗デパート「マルカツ」のオーナーで、フランチャイズ(FC)の飲食店や商業施設といった不動産を手広く運営している㈱海晃ホールディングス(札幌市)の白鳥晃会長が、経営不振の責任を取らされ6月に退任する模様。急激な規模拡大で資金が追いつかない状況の中、金融機関から運転資金の融資が滞る羽目になり、詰め腹を切らされた格好だ。一部では、昨年11月に社長に就任したばかりの森久修氏に経営権を奪われたという情報まで飛び交っている。一方、マルカツは転売の噂は絶えないが、西武閉店を受けてテナントの移転が活発になることから、当分の間、転売を見送ることになりそうだ。

注目された転売の可能性
 白鳥会長の突然の辞任情報は5月下旬、小売業や不動産業者らから寄せられた。以前から噂に上がっているマルカツ転売の情報を本誌が追った矢先のことだった。
マルカツ

 「海晃がマツカツを現状渡しで、5億5000万円で売却したがっている」との情報は昨年来、不動産業界で流れていた。実際、道外大手のある不動産業者が興味を示し交渉していた。ところが、「マルカツのテナントの中に家賃を延滞しているところがあり、海晃グループのテナントも入居させて何とか空きスペースを埋めているという苦しい内部事情が先方に伝わり、売却話が頓挫した」(市内のある不動産業者)。

株式上場は失敗

 マルカツを所有していた投資ファンドのローンスターが、海晃へ転売したのは2011年12月。その前月、同社は本社を名寄市から札幌市に移転した。札幌市で取得した「札幌TSビル」(南1条西11丁目)を「海晃札幌南1条ビル」に改名して本社とした。

 本社を名寄から札幌に移転したのは、株式の上場を目指していたためだといわれている。当時の白鳥社長は、11年9月に取締役に就任した黒田孝広氏とともに事業の拡大を進めていた。11年から12年の2年間は、FCの居酒屋やカラオケ店、回転寿司など店舗数が飛躍的に伸びていた時期だった。

 14年6月、現社長の森氏と現専務の東泰延氏が役員に就任し、いよいよ上場するかに見えたが、逆に拡大路線があだとなって借入金が膨らみ、上場を断念した経緯がある。森氏は上場に関わるノウハウを持つ人物として白鳥社長がスカウトしたといわれる。上場を果たした複数の道内大手企業で財務を担当してきたようだ。一方、黒田専務は病気で退いた。上場は断念したが、森氏は短期間の間に事実上のナンバー2となり、業務全体を取り仕切るようになった。

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この続きは月刊北海道経済2016年07月号でお読みください。