鷹栖町議会議長の「新田牧場」 堆肥舎不正使用の疑い

 鷹栖町で乳牛を飼育している新田牧場が、国の補助金を使って建てた堆肥舎内に牛舎や倉庫を増築していた。その影響で、本来は堆肥舎内で管理されるべき牛糞が放牧地に野積みされている。これら2つの行為はいずれも違法であり、町はすぐさま管轄する上川総合振興局へ連絡し、町で現地調査を行い事実確認を行なった。その結果は本誌締め切りまでに判明しなかったが、補助金の用途に問題があるのは明らか。牧場の新田健一代表が鷹栖町議会議長を務めていることが影響してか、牛糞から出る悪臭に周辺住民らは口をつぐむが、長年見過ごしてきた町の甘さを批判する声は日増しに高まっている。
(記事は7月6日現在)

自己負担わずか5%
新田牧場は、町の中心部から1㌔ほど離れた道道251号沿いにあり、新十五線道路にもほど近い。問題の堆肥舎はその道道に面しており、水色の鉄骨が目印で、2000年に国の補助金制度を使って建てられた。一般的に、この規模の堆肥舎であれば建設費は1000万円程度。また、この制度には、パワーアップ事業というしくみがあり、建設費の50%を国からの補助金、そのほか道と町からの補助金が合わせて45%、残りの5%は酪農家が負担することになっている。仮に建設費が1000万円でも、酪農家は50万円を負担するだけで済むことになる。
 牛や豚など家畜の糞を屋外に野積みすることは環境に悪影響を与えることから、農水省は「畜産環境総合対策事業」の名の下で補助金を使った堆肥舎の建設を推進してきた。酪農家がこの補助金の利用を希望する場合、まず所在する自治体へ申請し、その後自治体が都道府県もしくは国に申請する。国の認可が下りれば各自治体へ補助金が送られ、酪農家に支払われる仕組みになっている。
 ところが新田牧場の堆肥舎は、本来の目的である牛糞の保管場所以外の目的にも使用されていた。写真を見てもわかるように、鉄骨で囲まれた中、左側のスペースが壁で囲まれているのがわかるはずだ。この建物は牛舎と倉庫代わりに使われており、右側部分だけが本来の目的通り堆肥を保管するスペースになっている。堆肥舎を建てた後に左側部分に壁を増築したようだ。
 だが、これは明らかに違反行為で、しかも寝ワラが混ざった糞は、牛舎と隣接した牛の放牧地に漫然と野積みされている(2ページ目の写真)。
 この写真を見た管内のある農協幹部も、「これは明らかに違法行為。しっかりと堆肥舎に家畜の糞尿を管理して堆肥化するのが酪農家の務めだ」とあきれる。

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この続きは月刊北海道経済2016年08月号でお読みください。