議会内から慎重論続出の旭川新庁舎建設計画

ゴーサインでたが

 老朽化著しい市総合庁舎について、市は「建て替えが適当」とする判断を初めて明らかにし、新築計画にゴーサインを出した。裏付けとなる財源も昨年3億円を積み立てたのに続き、今年は5億円を新たに追加する方針を固めた。ただ、新築に対する市民合意、議会の同意はこれからが正念場。西川市長は早期着工に意欲を燃やしているが、議会内では建設場所や事業手法をめぐって慎重論も根強く〝長期戦〟に突入することも十分に考えられる。

積立基金増えず

市役所の主要部局が入居する総合庁舎の建て替え問題は、古くて新しい市政の課題。
古くは、総合庁舎が手狭になり、民間ビルを借りて入居せざるを得なくなった20年以上前〝タコ足庁舎〟を解消して市民の利便性を図るため、新庁舎を建設すべきというものだった。しかし、当時は総合庁舎以外にも老朽化した支所も多く、また新たな文化施設の建設などの市民ニーズがあり、庁舎建設は先送りされてきた。
そんな状況に変化が見られたのは、1995年に突如発生した阪神淡路大震災。大規模な地震が発生する可能性は限りなく低いといわれていた地域での直下型大震災に、日本各地、どこでこのような地震が起きても不思議でないという認識が広がり、全国の各自治体で対応を検討する動きが加速した。大規模地震とは無関係といわれていた旭川市も例外ではなかった。
旭川市は地域防災計画の全面的な改定に着手したほか、総合庁舎の耐震診断を実施。その結果、構造耐震指標(IS値)は3階部分が0・004、最上階が0・288と判明。耐震性に問題がないとされるIS値0・6を大きく下回ることが明らかになり、大地震の際には倒壊の恐れがあることが分かった。
このため、市では耐震や免震、そして改修や建て替えなどを想定し、1998年に旭川市庁舎建設整備基金を設置。民間ビル借り上げを含め、市内各所に分散している庁舎を集約して新庁舎を建設する場合の建設費を約200億円と想定し、うち半分の100億円を目標に積み立てを開始した。
ところがその後は、長引く景気低迷に伴う市税の落ち込みや生活保護費の急増、そして中心市街地の活性化を目指す旭川駅周辺開発事業、いわゆる「北彩都あさひかわ」の事業費捻出などで、財政は厳しさを増して行った。このため、基金は設置したものの14年を経過した2011年度末の基金積立額はわずか3900万円にとどまり、建て替え計画を後押しするような状況にはなかった。

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悪徳NPOが旭川再上陸

ホームレスから生活保護費搾取

 アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症でホームレスとなった者を集めて、住居の提供と社会復帰の支援を大義名分に生活保護費を搾取する全国組織が1996年以来、形を変えて再び旭川に進出してきた。旭川市はすでに、市内にある同組織の事務所(入居施設)を確認し、その動向を注視している。

手を変え品を変え

今回、旭川市内に事務所を構えたのは、NPO法人「依存症リハビリ施設フリーダム」(函館市・中島真理理事長、以下フリーダム)。この組織は法人登記によると、2011年8月1日に設立され、本部を函館市昭和町3丁目に置いている。設立目的は、アルコールや薬物、ギャンブルなどの依存症者で、ホームレスを対象に共同生活住居や心身の回復および社会参加の支援事業を行い、社会全体の利益の増進に寄与するとしている。

フリーダムと同じ目的で設立され同組織の前身と見られる「日本MAC」が、旭川市内に初めて施設を開設したのは1996年のこと。後に任意団体「ひかりあれ」(福岡市)という組織名に変わり、04年には約20人の入所者を抱えていた。ところが、「入居者の居住環境が劣悪であり、6畳間に2人も住まわせていた。1人1世帯として支給していた生活保護費の住宅扶助を、共同生活の実態に合わせて支給額を減額する」として、市から改善指導を受けた経緯がある。

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「旭山プリン」のぱぷりんが営業停止

甘くなかったプリン稼業

2006年、全国で製造されているプリン約200種類を集めて行われた「プリンの殿堂2006」で、3位に入賞して一躍脚光を浴びた「旭山プリン」を製造する㈲オカサト(通称ぱぷりん)が今年1月中旬、営業を停止した。齋藤勝行社長は採算度外視の経営を続け、従業員の給与も滞り、一部の仕入先や本社を貸す不動産会社などは頭を抱えている。
(記事は2月5日現在)

年明け早々いきなり営業停止

 旭山プリンを製造していた㈲オカサトは、2005年4月に設立され、09年10月に市内神居2条12丁目から現在本社がある神居3条2丁目の太田ビル1階に移転した。本社はパン工房「ぱぷりん」の名で、パンやプリンなどの製造工場と売店がある。2月上旬現在、入り口には鎖に錠が掛けられ、無人の状態になっている。

店舗を賃貸する太田ビルの話によると、「今年1月7日に、『1月15日まで休業するから、16日に改めて出勤して欲しい。給与はその時に支払う』と齋藤社長から従業員へ連絡があり、16日に出勤すると、『今日は事情があって行くことができない』と、一人の従業員あてに齋藤社長からメールが届いたきり連絡が途絶えた」という。その後は、2月上旬になっても何の連絡もなく店は閉店したままになっている。給与の不払いは今回だけでなく、1年半ほど前から支払遅延が続いており、その間に先行きを心配した従業員数人が次々と退職している。

経営悪化のきっかけは、コンビニとの取り引きだった。「従業員に対する給与の遅延が始まった時期、齋藤社長から『大手コンビニチェーンと大型の取引が成立し、商品増産のため工場を増床したい』と言われ、店舗奥の部分を新たに賃貸した。ただ、それまで何度か家賃が滞っていたこともあり貸すかどうか迷ったが、不景気で借り手が少なくなる中で、『近々、金融機関から融資も受けられる』という話を信用して貸すことにした」(太田ビル)

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銀ビル最上階でガールズライブ

商店街見わたす店でパワフルに歌う

旭川市3条15丁目のライブパブ「ニューキッド・イン・タウン」で1月26日の夜、ライブ「ガールズ・パワー・ライン」が開催された。日中は高齢者が買い物する姿が目立つ銀座通だが、この週末の夜は若く力強いボーカルに包まれていた。

 このライブパブはかつて回転式の展望レストランが営業していた銀ビルの最上階にあり、不定期で旭川のアーティストが出演するロック、ブルース、ポップスのライブを開催している。
この日出演したのは、女性のソロまたは女性がボーカルを務めるバンド5組。「AQUA」、「anemone」(写真)、「ノッチ」と「僕らの動物園」、Neneが順番に登場して、それぞれパワフルな演奏と歌を聞かせ、曲の合間にはMCで観客に語りかけた。場内には大学生から出演者の親に当たる世代まで、多様な客、約40人が詰めかけ、酒を飲みながら大きな声援を送っていた。
このライブは「ニューキッド・イン・タウン」と銀座通の音楽制作会社g・fミュージックの共催。g・fミュージックの半田渉代表は「最近、女性ボーカリストが元気であることから今回のイベントを企画しました。今後も継続して、銀座通に多くのファンに足を運んでもらいたいですね」と語る。

特養選定で慶友会吉田病院が勝利、憶測呼ぶ10点差の意味

旭川市が進める第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づく整備事業の中で、特別養護老人ホーム(広域型・新設=80床)の選定結果に疑問の声が噴出している。選定を受けた社会福祉法人「慶友会」と、次点に終わった同「旭川水芝会」の差は、2200点満点でわずか10点差。巨額の金が動く特養の選定だけに、さまざまな憶測を呼んでいる。

差が出にくいはずの項目で

 旭川市が進める第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に基づく整備事業。市では昨年7月から9月中旬にかけて、広域型および地域密着型特別養護老人ホームの実施事業者の募集を行った。募集の対象となったのは新設の特養80床(1法人)と既存の特養の増築(合計120床、4法人)、地域密着型特養(29床、1法人)で、中でも7法人が名乗りを上げた80床の特養に福祉関係者の注目が集まっていた。その選考結果は、次ページの表にあるように慶友会がわずか10点差で旭川水芝会を抑えて選定された。
ところが、表を見ても明らかなように、配点が多い審査項目の「①法人や施設の運営」(700点)と「②利用者への配慮」(840点)でいずれも最高点を獲得した旭川水芝会が、配点が少ない「③地域との連携や支援」(280点)で、応募7法人の中で4番目という低い評価を受けた。③の点数で慶友会は水芝会を30点もリードしており、合計点数で「逆転」している。
この審査項目「③地域との連携や支援」には、内訳として以下の3つの審査事項が含まれている。▽地域住民との連携および地域社会に溶け込む工夫などについての基本的な考え方や具体的な取り組み(20点)▽地域の高齢者が住み慣れた地域での生活を継続していくための支援についての基本的な考え方と具体的な取り組み(10点)▽交流スペースの確保だけではなく高齢者や障害者、子ども、地域住民が交流を行う場と、そこで実施される事業について基本的な考えと取り組み(10点)。これら3点の中で、慶友会と旭川水芝会の間で30点も差がついたということは、水芝会の「地域との連携や支援」が大きく劣っていたことになるのだが、福祉業界に詳しい人物は、これほどの差はつきにくいはずと証言する。

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黒船上陸! アディーレ法律事務所が「支店」開設

 いまやまったく珍しくなくなった法律事務所のコマーシャル。そんな法律事務所のひとつ、「アディーレ」が旭川に支店を開いて専属の弁護士を置く。全国資本の進出は旭川の弁護士界にどんな影響を与えるのか……。

旭川・函館・釧路に同時進出

 西武、ダイエー、セブンイレブンなど全国資本の企業が次々と進出して市場が根本から変わった流通業界。外食産業でもマクドナルド、最近では丸亀製麺(うどん)や大阪王将など、全国資本の進出が止まらない。その一方で、全国資本の活動がほとんどみられなかった分野もある。たとえば弁護士業界。日弁連などの支援を受けて弁護士過疎解消のために開設されるひまわり基金法律事務所、総合法律支援法に基づく法務省所管の法人が全国に展開する法テラス法律事務所を除けば、旭川弁護士会に所属しているのはいずれも「地域密着型」の事務所だった。

1月15日、アディーレ法律事務所が旭川市宮下通7丁目の第一生命ビル3階で「旭川支店」を設立する。「社員弁護士(支店長)」は北澤良兼氏(新64期)。拠点の名称や肩書きも、従来の法律事務所とは一線を画している。アディーレという「黒船」は、地域の弁護士業界のあり方を一変させるのだろうか。

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出店攻勢に対抗? ツルハがサツドラ幹部を引き抜き

 道内大手ドラッグストアの㈱サッポロドラッグストアー(札幌市、富山睦浩社長)が、旭川市内に今年度中、複数出店する計画に対し、道内最大手で旭川を創業の地とする㈱ツルハ(札幌市、鶴羽樹社長)は昨年10月、サツドラの加工食品担当幹部を引き抜くなど、サツドラとの全面戦争に向け準備を整えている。

道北はほとんど空白地帯
道内に137店舗(2012年11月15日現在、調剤薬局を含む)を運営するサツドラは、旭川を中心とする道北地区にわずか9店舗しかない。さらに、旭川市内では豊岡にあるショッピングセンター「アモール」内に50坪程度の小規模な店舗がたった一つと、同業のツルハに対し大きく遅れをとっている。道内のほかの地区にくまなく進出していることを考えれば、周辺の町を含め40万人規模の商圏を持つ旭川地区に1店舗というのは、非常に珍しい現象だ。
 実はサツドラは05年、旭川市3条通17丁目に中規模の店舗を出店したことがある。現在はホームセンターの「イエローグローブ」が入居している場所だ。ところが、5年後の10年に業績不振を理由に撤退してしまった。それに関して同社では多くを語らないが、札幌のある流通大手幹部は「ツルハにつぶされた」と断言する。話半分としても、サツドラにとってこの撤退はじくじたるものがあったに違いない。

旭川を中心に出店攻勢
サツドラは昨年11月下旬、改めて戦略を練り直し旭川を中心に道北地区への出店を強化すると発表した。具体的には、今年から5年間で大型店を中心に10店舗を出店する。さらに、10年間で現在、道北地区にある9店舗の3倍、30店規模にまで拡大する計画だ。
すでに旭川市内では、再出発1号店として、北炭販売㈱が所有する大町2条7丁目の土地約2000坪を賃借し、建坪423坪の大型店を6月24日にオープンする予定だ。駐車場は140台規模で、同じ敷地内には50坪弱の別のテナントが入る予定。北炭販売では、「これまで食品スーパーやドラッグ、パチンコ店、葬儀社などいくつか問い合わせはあったが、当社が希望する約2000坪の土地全てを賃貸契約するという条件を飲んでくれたのがサツドラ」という。先に本誌が12年9月号で報じた市内4条通のカワムラ本社跡地より若干、開店時期が早まる予定だ。さらに、サツドラでは「未定」と説明するものの、本誌が昨年11月号で報じた市内4条通の道新旭川支社跡地への進出の計画も含めると、今年度中に少なくとも3店舗を出店する可能性がある。
いずれも、同社の店舗フォーマットにある大型店「メガドラッグ」になりそうだ。メガドラッグとは、店舗面積が350坪から700坪で、薬や化粧品、酒類や冷凍食品を含む加工食品、生活雑貨、調剤薬局のほかに、エステやネイルサロンを併設する機能を持つ店舗もある。こういった大型店を旭川に出店する理由として、これまでのような店舗形態ではツルハの牙城は崩せないというサツドラの強い信念が窺える。

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探訪・椅子ができるまで

旭川家具産業、職人たちの綿密なチームワーク

市内の家具メーカーで製造され、首都圏に向けて出荷される椅子。デザイナーの手によるデザインは一見したところシンプルだが、あらゆる場所に旭川の家具職人、木工職人のもつ技が注ぎ込まれている。「ものづくり」の現場を訪ねた。

回転刃を加工して
角度を調整 
家具雑貨のオリジナルブランド「ワイスワイス」が東京・表参道に構えるショールームに、「SHN─103」と名付けられた椅子が展示されている。一見したところシンプルなデザインだが、よく見ると4本の脚や背もたれ、肘掛けは微妙に折れ曲がった直線や滑らかな曲線から構成されている。この椅子の生産を担当したのは、永山町にある山岡木材工業㈱(山本宏社長)だ。
山岡木材は社名が示す通り、道産材の丸太を切って住宅や家具などの材料となる木材を作る製材業者だが、1974年に椅子を皮切りに家具製造に参入した。
工程の出発点は製材工場。大きな機械で道内の森から持ち込まれたナラの丸太を転がしながら樹皮を剥いでから、帯ノコや丸ノコで厚さ数センチに切り分ける。その日必要となる木材のサイズ、量は決まっていて、単価は木材の種類によって大きく異なる。1本の丸太をどのように切り分け、どの木材を何本作るのかが、職人たちの腕の見せ所だ。

「縦軸」を使って椅子の脚を1本ずつ製造

大小さまざまなノコギリ、カンナにかけられて、所定の大きさ、厚さになった木材は、家具工場へと持ち込まれる。4本の脚の製造に活躍するのは「縦軸」と呼ばれる機械。あらかじめ部材の輪郭に合わせて「型」を作っておき、木をその型に載せてから、型を縦軸のテーブルから突出した部分に当てて動かすと、高速回転している刃が木を削る。一つの面の加工が終わったら別の型に載せて、別の面を削る。この動作を繰り返すことで脚が1本できあがる。
切断面が垂直とは限らない。このような場合は、角度の付いた回転刃を使う。縦軸の近くの棚にさまざまな角度のついた回転刃が重ねられているのはそのためだ。
回転刃の研磨や改造を請け負っているのが旭川物流団地内の刃物専門店、中野特殊刃物工業㈱だ。新規に縦軸の刃を受注したときには、東海地方にある工業用刃物のメーカーにユーザーの希望する形状の回転刃を注文するが、ユーザーから既存の回転刃の改造を依頼されれば、社内で応える。かつて刃物の製造を行っていた経験が、いまも生きている。
「注文は図面で受けることもありますし、削った部材のサンプルを持ち込まれることもあります。『こういう形状に削りたい』という言葉だけの注文にもお応えしていますよ」(中野由唱社長)。

一部の工程を
協力メーカーに委託
SHN─103を構成する部材の多くは縦軸で作られるが、曲線的な加工には適していない。そこで活躍するのが「NCルーター」。あらかじめ入力したデータの通りに回転刃が曲線を描きながら移動して、材料を正確に削る。山岡木材でごつごつした肉太の「U」の字型に接着された部材が、流通団地内にある旭三商事㈲のNCルーターで滑らかに削られて、山岡木材に戻ってきたときには細い曲線の「U」になっている。この部材は背もたれ兼肘かけとなる。
部材ごとの加工が終われば、次は部材同士をつなぎ合わせる。このとき使われるのは、釘やねじではなく、「ダボ」と呼ばれる短い木の棒。2つの部材にドリルで穴を開け、接着剤を塗ったダボを差し込んで固定する。山岡木材で使われているダボも、旭三商事の工場で作られたもの。この椅子の生産に、旭三商事は2つの方向から関わっていることになる。
ダボの製造機械は、もともとシイタケの菌を栽培用の木に植えつけるために開発された機械を、広島県のメーカーが改良したたもの。円筒の縁に開いた穴に、長い丸棒が差し込まれており、円筒が回転すると丸棒は所定の長さに切断される。
丸棒にはあらかじめ接着剤ののりを良くし、差し込まれたさい空気の逃げ道にもなる溝が掘ってある。圧縮され、やや細くなっているのは、接合後に穴の中で膨らんで抜けにくくするためだ。「いま、ダボは1日に約20万個作っている。そのうち95%は本州向け」と本江敏朗社長。工場の一角には、大量のダボが直径、長さ別にダンボールに包装され、山積みされて全国各地の家具メーカーへの出荷を待っていた。
話を山岡木材に戻そう。工場の一角では、部材ひとつひとつに作業員がドリルでダボ穴を開けている。穴の位置がコンマ1ミリでもずれれば、部材同士が正確に接合できなくなり、椅子は歪んでしまう。治具を使っているとはいえ、緊張を強いられる工程だ。

難しい作業こなし
レベルアップ
ダボを使って組み立てられた椅子は、塗装工程を経て、座板の上にウレタン(スポンジ)を載せて布で覆う「椅子張り」の工程へと送られる。この段階は、流通団地内の宮田産業(佐藤信社長)に委託されている。
宮田産業の主力は自社で設計したソファの製造だが、SHN─103のような椅子の椅子張りの工程を、他のメーカーから受託することもある。座板の上に2種類のウレタンを重ね、綿(わた)を載せてから布をかぶせ、引っ張って座板の裏にタッカー(大型のホッチキス)で固定する。
このとき布の張りが強ければ座り心地が固くなり、弱ければ布にシワが寄ってしまう。タッカーを打つ大まかな場所は布の端からの距離でわかるが、最後は指先の微妙な感覚が頼りだ。
こうして完成した椅子は包装を経て、東京に向けて出荷される。ちなみにワイスワイスのホームページに掲げられたSHN─103の小売価格は仕様により異なるが、5万8800円から7万350円に達する。
ワイスワイスのような高級ブランドからの注文に答えるには、高いレベルの技術が必要とされる。「そこまでデリケートなの?と驚くような要求をされることもあるが、クリアーできれば私たちのレベルアップにもつながるはず」と、生産に関わる工場の関係者は語る。

多種少量生産
若手も加わる
高級な椅子の生産量はロットあたり10~50個。山岡木材の山本宏社長は「メーカーとしては対応が大変」と語る。しかし、高度な技術をもつ職人が多様なニーズに応えられるのは、価格競争力で勝負するアジアの家具工場にはない強みだ。
中小企業の多くでは人材確保が課題となっているが、今回取材したメーカーの多くではベテランに混じって若手の作業員が働いていた。旭川の家具産業は、環境の変化に対応しながら、これからもチームワークで優れた製品を全国に発信しつづけるはずだ。

「ドル箱」台湾に旭川を売り込め!!

新光三越でロングラン物産展スタート

 台湾最大手の百貨店・新光三越で旭川をメーンとした日本物産展が10月12日にスタートした。2ヵ月にわたるロングランの物産展では旭山動物園の東門売店を再現するというユニークな手法で旭川の観光と物産をPR。旭川観光の〝ドル箱〟と言われる台湾人観光客の底上げをはかる。

窮地から救う
香港と並んで旭川観光の「ドル箱」と呼ばれる台湾は、低迷が続く旭川観光には重要な存在。東日本大震災の影響で一時は観光客が完全にストップするという窮地から救ってくれたのも台湾からの観光客だった。復興航空やエバー航空のチャーター便がいち早く運航を再開し、台中に本社を置く世界最大手の自転車メーカー・ジャイアント社のサイクリングツアーも旭川サイドの呼びかけに応えて予定通りに開催されるなど反応が早かった。
市観光課がまとめたデータでは、2011年度の旭川市における外国人宿泊者数の1位は香港で台湾は2位。今年7月には復興航空の旭川─台北線に旭川2路線目となる国際定期便が就航し、客層の広がりが期待されている。

4店舗リレー形式
復興航空の就航を機に台湾人観光客の底上げを狙う旭川に新たな好機が訪れている。
台湾最大手の百貨店「新光三越」から国内4店舗によるリレー形式の物産展の話が舞い込み、その第一弾が台中店で10月12日にスタートしたのだ。
新光三越は台湾の新光グループと日本の三越の合弁会社が展開する台湾ナンバー1の百貨店。台湾でデパートといえば「新光三越」と誰もが口を揃えるほどのブランド力を誇り、国内に13の支店を展開している。
新光三越では毎年、日本各地の名産品を集めた物産展を開いており、昨年は「北海道の物産と観光」をテーマに掲げ、札幌をメーンとした物産展を開催。札幌を中心に道内からは25社が出展し、札幌観光のオリジナルグッズのプレゼント観光に関するクイズ大会などが実施され、多くの人出で賑わった。
今年の物産展の中核として白羽の矢が立ったのが旭川。今年6月には新光三越の幹部と8人のバイヤーが視察のために来旭。特に好評だったのが旭山動物園東門の売店「テイルンテイル」で、ぬいぐるみや動物園のオリジナルグッズ、菓子、ラーメン、地酒など多岐にわたる商品構成、旭山動物園の行動展示を思わせる趣向を凝らした店内のディスプレイに注目した。同日午後に旭川観光情報センター2階で行われた商談会も好評に終わった。この視察後、新光三越から旭川サイドに正式に出展のオファーがあり、旭川物産協会、旭川物産販売が実施主体となって旭川市とタッグを組み着々と準備が進められてきた。
物産展は10月12日にスタートした台中店を皮切りに、台北信義店、台南西門店、高雄左営店の順に4店舗のリレー形式で開催される。ラストとなる高雄左営店の最終日は12月17日という、約2カ月にわたるロングランだ。

ラーメン博覧会も開催
今回の物産展では長野や沖縄、北海道からは富良野、新日高、富良野の出展もあるが、メーンとなるのはもちろん旭川。テイルンテイルを再現するブースで旭山動物園を大々的にPRするほか、旭川駅立売㈱のブースでは北海道米と海の幸をふんだんに使った「海鮮弁当」を販売。梅光軒も出展しアツアツのラーメンを実演販売する。さらに「ラーメン博覧会」とネーミングされたブースもあり、旭川の藤原製麺、須藤製麺、北海製麺をメインに北海道内で販売されている約100種類の乾麺が展示販売される。
旭川をPRするためのイベントも実施される。冬の観光をPRするDVDを上映するほか、旭山動物園クイズ、食べマルシェで人気を集めた「旭川麺投げゲーム」などを企画。ラストの会場となる高雄左営店には旭山動物園の坂東元園長が登場してイベントを盛り上げる。
旭川物産協会の豊島保夫専務は「台湾の百貨店はバイヤーが足を運ぶケースは少ないが、今回は新光三越4店舗のバイヤーが来旭し商品も自ら選定した。動物園売店を再現するスタイルは海外では初めての試み。中流層に旭川を知ってもらうのが狙いだが、新しい切り口で台湾の方たちに喜んでいただけるはず」と期待をかける。
今年1月には高雄市のデパート大立百貨で海外初となる「旭川物産展」が開かれたが、売り上げが当初の見通しを大幅に下回った。デパートの集客力不足もあったようだが、新光三越は台湾屈指の百貨店。昨年の札幌メーンの物産展も盛況に終わっており、新たな客層の開拓を目指す旭川にとってまたとない好機となりそうだ。

ハンバーグが主力の洋食屋、買物公園に

9月20日、買物公園通りの旭川フードテラス(5条通7)1階に、ハンバーグをメーンにした洋食レストラン「バーグマン」がオープン。道内産の肉や魚介類、野菜を極力利用したメニューは、メーンのハンバーグなどの肉料理からパスタ、ピザ、グラタンなど豊富。料理を引き立てるお酒やソフトドリンク、デザートも充実して、家族連れや結婚式や歓送迎会の2次会など、多彩な目的に使える。「カウンター席もありますから、仕事帰りにちょっと一杯と、お一人でも気軽に立ち寄ってください」とは、運営するプリコグループの田澤尚英社長。
看板メニューの「バーグマン」は、国産和牛と名寄産のひまわり豚の合挽きで作った2段重ねのハンバーグ。間にさっぱりしたチーズがアクセントになりボリューム感はたっぷり。それにスープとサラダ、ライスがついて1280円(税込)。

バーグマンが買物公園に登場

10月4日からはじまったオープンフェア第2弾(10月31日まで)では、ランチ(11:30~15:00)とティータイム(14:30~17:00)、ディナー(17:00~22:00、ラストオーダー21:30)の各時間帯でお得なプランが用意されている。
ランチは、日替わりのパスタセット(スープ・サラダ付)が880円(税込)と、ハンバーグセット(スープ・サラダ・ライス付)が980円(税込)とお得。飲み物もサービス。
ティータイムは、日替わりのケーキセットがワンコインの500円(税込)で、ドリンク付は80円増し。
ディナーは、パーティーコースが通常3500円を2980円(税込)で提供する(1日限定2組・要予約)。3人から30人まで受け付け、10人以下なら当日でも受け付ける。料理7品は、パスタやピザ、グリルチキン、デザートなどかなりのボリュームで、価格をうんと上回る満足感が得られる。もちろん、ドリンクは飲み放題。
生ビールは、〝氷点下のアサヒスーパードライエクストラゴールド〟。冷えた専用グラスに注がれ、マイナス2・2度に冷やされた切れ味のある味は料理にぴったり。このビールは市内でも扱っているお店が少なく、ぜひ一度味わってみたい。ビール以外にもお酒の種類は豊富で、場面に合わせていろんなお酒を楽しめる。他にもパーティーコースは、2500円から5000円まであり、プランにあわせて相談できる。
1日を通しての特典は、イタリアンジェラートが通常300円を20%オフの240円(税込)と、生ビールを含めたお酒全品を同じく20%オフで提供する。
田澤社長は、「買物公園に少しでも賑わいを取り戻すため、出店しました。この通りには、洋食をメーンにしたお店は少ないので、きっと気に入ってもらえると考えています。今後は、グループの居酒屋で好評の笹豚や旬の食材などを使ったメニューも提供します。楽しみにしていてください」