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道北で倒産激減 休・廃業、M&Aは増加
道北の企業倒産が歴史的な水準にまで減少している。今年5月は、1971年の統計開始以来、はじめて「ゼロ」を記録した。ただ、アベノミクス効果とはいえないようで、実質的には倒産ともいえる休業・廃業は増加しており、M&Aも目立つ。企業マインドは内向きで、旭川市内の企業数は漸減。ついに5000社を割った。 初の倒産ゼロ 企業の倒産数は、好不況をダイレクトに反映して増減する。バブル景気が崩壊すると1991年以降約10年間は増え続け、いったん沈静化するものの、リーマン・ショックで98、99年は再び増加傾向を示す。そして2010年以降は沈静化が続く。 10年以降の企業倒産沈静化は、金融円滑化法(09年成立)の〝効果〟だ。 企業の信用調査会社・東京商工... -
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迷走するしずお建設運輸 M&A白紙撤回
両社のトップが並んで経営譲渡会見が行われたのは5月26日。そのわずか1ヵ月後にしずお建設運輸㈱の今井優子社長は、苫小牧の朝日建設㈱への譲渡白紙撤回を発表した。異例の〝破談会見〟までに、いったい何があったのか。役職員退職が続くしずおはどうなる─。 1ヵ月で反転 しずお建設運輸の今井優子社長と朝日建設の吉田和基社長が同席し「経営譲渡で合意した。6月末ごろには株式の売却を完了し、しずお建設運輸のすべての業務を朝日建設が引き継ぐ」と発表したのは5月26日のことだった。その3日前に吉田社長はしずお建設運輸の社長にも就任しており、いわば新しい〝しずおの顔〟。「建設運輸と農場の両事業を継承し一層発展させたい」と抱負を語った。 取り決めに沿って、... -
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「過失でなく危険運転」遺族の願い通じ訴因変更
5月に発生した交通事故で小学校教員の女性が死亡した。加害者の男が大量の酒を飲んでいたにも関わらず、旭川地検が起訴の際に選んだ訴因は「過失運転致死」。遺族が変更を求め地検への働きかけを行った結果、再捜査を経て訴因は「危険運転致死」に変更された。 あなただったかも 日記やスケジュール帳を開いて、今年5月4日の行動を思い出して欲しい。連休も終盤を迎え、道北には時折雨が降ったこの日、一瞬でも自動車のハンドルを握ったのに、いまも普通に生活している人は幸いだ。この日の朝からビールを飲み続けた男が、旭川市内の道路を酒に酔った状態で運転し続けていたのに、事故に巻き込まれることなく無事に帰宅することができたのだから。 すべての人が幸運なわけでは... -
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鷹栖町議会議長の「新田牧場」 堆肥舎不正使用の疑い
鷹栖町で乳牛を飼育している新田牧場が、国の補助金を使って建てた堆肥舎内に牛舎や倉庫を増築していた。その影響で、本来は堆肥舎内で管理されるべき牛糞が放牧地に野積みされている。これら2つの行為はいずれも違法であり、町はすぐさま管轄する上川総合振興局へ連絡し、町で現地調査を行い事実確認を行なった。その結果は本誌締め切りまでに判明しなかったが、補助金の用途に問題があるのは明らか。牧場の新田健一代表が鷹栖町議会議長を務めていることが影響してか、牛糞から出る悪臭に周辺住民らは口をつぐむが、長年見過ごしてきた町の甘さを批判する声は日増しに高まっている。 (記事は7月6日現在) 自己負担わずか5% 新田牧場は、町の中心部から1㌔ほど離れた道道25... -
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旭工高ボクシング部〝復活〟の理由
昨秋、19年ぶりに国体出場を果たした旭川工業高校ボクシング部。快進撃は続き、今年6月に札幌で行われた「インターハイ北海道予選」で1位から3位までに輝き、15年ぶりの本戦出場切符を手にした。かつて北北海道を代表する強豪として名を馳せ、再び復活を果たした強さの理由を探った。 北北海道の強豪 旭川工業ボクシング部は北北海道の高校で唯一のボクシング部だ。団体戦で上位に食い込む強豪校として知られ、全道大会では2階級で優勝者を輩出したり、OBの中からプロボクサーが誕生するなど黄金期を築いたが、2005年に南北ブロックが統一されてからは札幌や室蘭の強豪校との闘いに苦しみ、全国大会への出場から遠のく低迷期が10年続いた。 転機が訪れたのが昨秋。当時... -
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五穀豊穣願い「松前神楽」を奉納
神事の際に奉納される歌舞が神楽。昨年6月に上川管内の青年神職を中心に「大雪神楽会」(芦原大記会長=旭川神社禰宜)が発足し、北海道南部地方に360年ほど前から伝わる「松前神楽」の練習に取り組み、5月15日に本格的なお披露目をした。 上川神社の月次(つきなみ)祈願講社春の大祭で、生け花展示、薄茶抹茶会、巫女の神楽舞、獅子舞部などによる奉納に続いて同会が「松前神楽」を演じたもので、拝観者ら約60人が見守る中、太鼓や笛に手拍子(打楽器)も入る、能舞台をいっぱいに使った特徴的な姿で練習の成果を披露した。 上川管内ではこれまで旭川神社橘会が、新潟県三条市の6神社に伝わる三条神楽に取り組んできており、松前神楽が加わったことにより、神事における... -
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旭川空港民営化のメリット・デメリット
道内にある6つの空港を一括して民営化しようとの構想が進行中。旭川市も旭川空港の民営化に前向き姿勢だ。実現すれば、派遣している10人余りの人件費が削減され億単位で財政的なメリットがあるが、民間企業となれば利益重視から赤字路線継続運航に黄信号が灯りそうだ。空港民営化の損得勘定は! 海外需要を喚起 旭川空港は、国内線が東京(羽田)、名古屋(中部)、大阪(関西)などに運航していて、2015年度の乗降客は国内線が97万4千人。海外からの国際線は19万4千人で、合計117万人に達している。 国内線の利用状況を見ると、7年前の2008年には124万人だったが、現状は100万人を割った。一方で海外からの利用者数は同時期の約8万人から、約20万人へと2... -
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西武B館の一部地権者は「冬のキリギリス」
6月2日、閉店が決まった西武旭川店とB館地権者の間で協議の場が持たれた。西武は、開業前に地権者へ預けた敷金の返還を求める代わりに建物の原状回復を実施する予定だが、何人かの地権者が敷金を使い果たしてしまっているため、その代償として土地と建物の無償譲渡もしくは地権者にとって相当不利な条件が西武から突きつけられる可能性が高くなった。B館は道外の大手小売業から入居の打診が多く寄せられていたが、「冬のキリギリス」となった地権者相手では、テナント契約する土台すら作れない状況だ。 交渉の足かせに 3月8日に西武旭川店の閉店が公表され、その後3月28日に旭川市や商工会議所、平和通商店街振興組合、上川総合振興局の4者が西武本社を訪れ、閉店撤回を求... -
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マルカツオーナー企業の会長が突然の辞任
買物公園にある老舗デパート「マルカツ」のオーナーで、フランチャイズ(FC)の飲食店や商業施設といった不動産を手広く運営している㈱海晃ホールディングス(札幌市)の白鳥晃会長が、経営不振の責任を取らされ6月に退任する模様。急激な規模拡大で資金が追いつかない状況の中、金融機関から運転資金の融資が滞る羽目になり、詰め腹を切らされた格好だ。一部では、昨年11月に社長に就任したばかりの森久修氏に経営権を奪われたという情報まで飛び交っている。一方、マルカツは転売の噂は絶えないが、西武閉店を受けてテナントの移転が活発になることから、当分の間、転売を見送ることになりそうだ。 注目された転売の可能性 白鳥会長の突然の辞任情報は5月下旬、小売業や不動... -
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食品包装材「経木」の伝統守る
木を紙のように薄く削った「経木」。大和時代から食品包装材として使われ、経木で食品を包むのが当たり前だった時代もあるが、今では発泡スチロール製トレイやビニール袋にすっかり取って代わられてしまった。しかし最近、通気性や殺菌性にすぐれ、環境に優しい経木が再び注目を集めている。道内に残る3つの工場のうちの一つ、旭川市の「野崎経木工場」(東7条6丁目)を訪ねた。 伝統守り続ける親子 新旭川駅に程近い野崎経木工場。敷地内には道内産シナノキの丸太が積み上げられている。丸太をチェーンソーで製品よりやや大きめのサイズにカット。1階の作業場に移して丸ノコで規格の寸法に切り落とし、3面だけカンナ掛けをして四角い木の塊「駒」をつくる。 この駒を大きな鰹ぶし...