波紋広がる緑が丘ポプラ並木伐採問題

 街路樹が多く、住民に親しまれ、観光資源にもなっている旭川市緑が丘地区の緑地帯。しかし、一方では、落ち葉や枝折れ、見通しの悪さによる交通障害などが悩みの種になっているのも事実だ。そんな中、神楽岡地区との境界にある緩衝樹林帯(全長750㍍、緑が丘3条1丁目)で樹木調査の結果、ポプラ等の並木64本に倒木の危険性が高いことが判明。旭川市は1月下旬ごろにも伐採を計画しているが、1路線で一度に64本という数は異例の多さで、住民や環境保護団体関係者らの間で波紋が広がっている。

ポプラ62本とドロノキ2本 「伐採が必要」判定
 旭川市では1924(大正13)年から街路樹を植栽。64(昭和39)年に「シンボル並木をつくる運動」、70年には「緑化大作戦」が展開され、現在、約4万本の街路樹が市内各所に植えられている。その一方で街路樹は、交通分離や視線誘導といった交通安全機能も併せ持っている。
 そして街路樹の倒木や枝折れによる被害を未然に防ぐため昨年6月から2ヵ月、市は市内15路線で樹木調査を実施。今回、問題になっている緑が丘3条1丁目の緩衝樹林帯(全長750㍍)でも調査が行われ、市からの委託を受けた樹木医が、国土交通省国土技術政策総合研究所策定の「街路樹倒伏対策の手引き」に基づき、ポプラ63本、ドロノキ47本を診断した。
 その結果、外観診断によって、葉の生育状況が悪く病害が見られ、倒木等の危険性が高いと判定されたのがポプラ16本。詳細診断が必要となったのが94本で、幹に腐朽や空洞化が認められ、倒伏・枝折れにつながる恐れがあると診断されたのが、そのうちの48本だ。最終的には、外観診断で危険性が高かった16本に加え、詳細診断で倒伏・枝折れが懸念される48本、合わせて64本(ポプラ62本、ドロノキ2本)について「伐採が必要」と樹木医が判定。これらの危険木調査費は約350万円で、伐採費は約1400万円を見込んでいる。
 一般的にポプラの寿命は80~100年程度とされるが、今回、伐採の必要を指摘されたのは、いずれも樹齢50~70年。これまでは5年ごとに市が剪定を行い、維持管理してきたはずだが、劣化の原因としては「周辺の土壌が粘土質であることが関係している可能性もある」と管理者の旭川市土木事業所はとらえる。

過去にない数
 2012年度から14年度にかけて中央橋通に植えられたニセアカシアを調査した際には、276本のうち104本が倒木の危険性が高いと判定されて伐採の対象となったが、今回の緑が丘のケースは、1路線での調査本数に対する伐採割合としては過去にない異例の多さだという。危険木と判定された樹木の中には、高さ約20㍍のものもあり、近隣に住宅があることから、倒木等が生じた場合、非常に大きな被害が出ると考えられる。これまで大きな事故の報告はないが、「台風時などは枝折れが発生し、沿線住民から不安を訴える声も寄せられている」と旭川市土木事業所は説明する。
 旭川市内では、強風による倒木の実例もある。2015年4月に緑町の私有地でマツ、同年10月には6区大通り中央緑地帯でマツ、南6条川沿いでヤナギがそれぞれ倒れている。16年にも豊岡地区で強風でヤナギが倒れたが、この時は伐採判定が出て対策を検討している間の出来事だった。16年11月には宮前で降雪によるナナカマドの倒木、市役所本庁舎前でプラタナスの枝折れが確認されている。

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この続きは月刊北海道経済2019年2月号でお読み下さい。