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共産党が荻生擁立 野党協力瓦解
日本共産党の旭川地区委員会は7月3日に記者会見を開き、次の衆院選挙に党の独自候補として荻生和敏氏を公認候補として擁立すると明らかにした。衆院選6区で過去2回、実現した野党統一候補の擁立が、次回は成立しないことになった。共産党としては止むにやまれぬ選択。喜んでいるのは他党の候補を応援する必要がなくなった共産党員、そして勝算の強まった自民党の関係者だ。 立憲泉代表発言で独自候補擁立へ 荻生氏は現在、日本共産党旭川地区委員会の副委員長を務めている。衆院選には中選挙区制の時代も含めて過去4回出馬しており、有権者にはおなじみだ。記者会見で荻生氏は「比例代表での議席獲得を目指す」と語るとともに、日本の二つの歪み(「大企業の儲け優先」「アメリカの言... -
川のまち・旭川でサクラマス溯上増える
石狩川・忠別川・美瑛川・牛朱別川が市街地に放射状に流入する川のまち・旭川市で、清流の象徴とも称されるサクラマス(ヤマメの降海型)の溯上が増えている。溯上を妨げていた頭首工に魚道が設置されたことや、海の生息環境が良くなったことに加え、地元の地道な放流活動・産卵床を守る取り組みが功を奏した格好だ。 溯上を可能にした魚道 溯上拒む頭首工 廃止後に魚道設置 サクラマスは川を下って海で1年間ほど生息した後、5、6月ごろに生まれた川に戻り、秋に産卵する。光り輝くようなシルバーの魚体が美しく、体長30~70センチほどに成長する。ヤマメはサクラマスの幼魚で、降海しないで河川で一生を過ごす陸封型(河川残留型)個体もヤマメと呼ぶ。ヤマメは成長する個体でも30セ... -
強制競売決定 どうなる旭川アークヒルズビル
「東京の企業が取得」と報道されたさんろくの飲食店ビル「アークヒルズビル」だが、実は6月2日に旭川地裁から強制競売開始決定が下されていた。債権者は、アコムの子会社で三菱UFJグループ「アイ・アール債権回収㈱」(東京都)。同じく「プリンス・ドリーム・カンパニー㈲」(旭川市)所有の「プリコタワーⅡ」も強制競売開始決定となっている。 アコム子会社 アークヒルズビルは、さんろくのど真ん中、3条6丁目332番地1に建つ地下1階地上8階建ての飲食店ビル。 もともとの所有者は「有限会社プリンス観光」で、2002年1月に「プリンス・ドリーム・カンパニー観光有限会社」(旭川市永山7条7丁目)に所有権が移転している。 ドリーム・カンパニーは2000年8月に飲食店経営、不動産の賃貸業... -
今秋にも法改正 道内「基幹作物」目指す大麻
芸能人の逮捕のたびにネガティブな関心を集める大麻。しかし、太古から日本の生活、神事を支えたこの植物は、健康的な食材でもある。難治性てんかんに有効な薬の原料としても注目を浴び、東京では国会議員や厚生労働省が一昨年から、規制緩和に向けて積極的な動きを見せた。分水嶺となりそうな「大麻取締法」の改正も視界に入っており、早ければ再来年の春にも新しいルールのもとで、麻薬成分を含まない大麻の栽培が始まる可能性がある。約20年にわたり、大麻を北海道農業の基幹作物にするべく努力を続けている人物の話を聞いた。 700分の1に激減 北海道の山の中に、人間社会にとって極めて有用なある植物が自生している。大昔からその繊維は衣類や縄の材料となり、神事にも用いられ... -
野党の荒業不発 市議会で与党が正副議長独占
前議長の再登板濃厚とも見られた議長選挙だったが、終わってみれば議員歴6期目の福居秀雄が選出された。野党会派は〝読み違え〟て、副議長ポストも手にできなかった。正副議長選を振り返る。(文中敬称略) 〝ねじれ〟を解消 「当選回数、そして議会での経験や実績を見ても、次の議長は福居しかいないと見ていた。それなのに、なぜそれを阻止するような話が出るのか」。これは市議会議員選挙が終わり、正副議長選挙を直前に控えた市の幹部、今津市長側近から出た言葉だ。 改選前の旭川市議会は、今津市長を支える、いわゆる与党の自民党・市民会議が11人、公明党が5人の合わせて16人だった。これに対し、いわゆる野党は民主・市民連合の9人、共産党の4人、無党派Gの3人、そして無所属... -
美瑛町長選 現職角和に軍配 怪情報で墓穴掘った?佐藤陣営
一進一退、激しい攻防を繰り広げた美瑛町長選(4月23日に投開票)。最終的には現職角和浩幸氏(55)が元町議会議長佐藤晴観氏(49)に大差で勝利した。道議選上川地域選挙区に美瑛町から出馬した自民党公認今津寛史氏(49)の選挙戦とも連動し、町を二分する緊迫感のある選挙戦でもあった。 背景に様々な対立構図 町政史上最多の4人が出馬した前回2019年町長選は5期務めた浜田哲の勇退に伴い、元町議の角和浩幸、浜田の実質的後継で元町職員の嵯城和彦、元町職員後藤秀俊に加え、会社役員の武田信玄による乱戦となった。この時のしこりとも思われる形で2007年以来5回連続となった今回の選挙戦は、前回の覇者で現職の角和に新人の佐藤晴観が挑んだ構図だった。 角和陣営は、道議選で勝利した... -
老木目立つ街路樹再生の取り組み
旭川市が目指す、季節ごとに〝都市と自然が調和する緑豊かな街づくり〟で重要な役割を担う街路樹。だが、植栽し約40年経過するものが増え、一部は大木化、老木化している。道路交通や市民生活の安全に支障をきたすことから街路樹「再生」に向けた新たな取り組みが必要になっている。 「緑化大作戦」も今は昔 新規道路整備も減少で… 国内の街路樹は明治初年に神戸外国人居留地にヤナギが植栽された後、明治2、3年ごろに横浜の海岸通り等の商店街にヤナギが植栽されたのが始まりとされる。旭川市では1924(大正13)年から28(昭和3)年にかけて1条通にアカシア、2条通にカエデ、3条通にアカシアを個人が植栽したのが最初。64年から65年にはシンボル並木をつくる市民運動が盛り上がり、旭川... -
破局率45% 旭川の離婚事情
「離婚数」を「婚姻数」で割って「離婚率」をはじき出すと、45.34%と出た。「3組に1組」を大きく上回り、旭川市の離婚率は高止まりしている。その理由を探ってみた。 4割超えて… 北海道、中でも旭川は離婚件数が多いと以前から言われている。本当にそうなのか? 保健所が集計している、年間の婚姻数と離婚数を調べてみた。 確定値として公表されているのは2021年の数字で、この年に結婚したカップルは1215組、そして離婚したカップルは551組となっている。お役所では「人口1000人に対し何件の離婚があったか」を計算して「離婚率」としている。これで計算すると離婚率は「1.70」だ。 この年、全国では50万1138組が結婚し18万4384組が離婚。全道では1万9326組が結婚し8662組が離婚。... -
大町の神社存廃めぐり町内会紛糾
歴史を感じさせる大町の金刀比羅神社 軍都としての面影を残す第2師団旭川駐屯地近くの商業・住宅地の奥まった所にひっそりとたたずむ社(やしろ)がある。この社と、併設する域内住民が集う会館の存廃をめぐり地元町内会が紛糾している。核家族化・人間関係の希薄化の進展とともに会員数が減り、町内会というシステムが大きな曲がり角を迎えていることを象徴する事案だ。廃止方針について「相談もなしに一方的」(地域住民)、「町内会は衰退の一途」(町内会役員)と意見は割れる。このままでは、この土地を守護する氏神様はたいそう居心地が悪かろう。 神社を返して会館を片づける 旭川市大町2条10丁目にある「金刀比羅神社」は、建立から121年の歴史を刻む。長年、域内住民の氏神様と... -
旭川ラーメンの「重要物資」鶏ガラ不足回復まで1年半?
防護服とマスクに全身を包んだ作業員が養鶏場に入り、殺処分したニワトリを容器に詰めて運び出す。付近に掘られた穴に建設機械で埋設する。過去最悪の鳥インフルエンザ流行に見舞われた昨年秋から今年の初めにかけ、日本全国で繰り返されてきた光景だ。その多くは肉用ではなく、採卵目的の養鶏場で発生した。鶏卵の値上がりと不足は連日伝えられている通りで、一部の飲食店チェーンは玉子を使った料理の販売を中止するなど対応に追われた。ラーメンのまち旭川にとって心配なのは、鶏ガラの不足と値上がりだ。この冬の鳥インフルエンザの流行は終わりに近づいているが、影響は1年半以上は継続すると懸念されている。 まちの経済を支える「戦略物資」が不足? 全国飼育数の1割以上を処...