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2025年03月号の主な内容
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土のない畑からトマトを安定出荷
寒冷な気候の旭川では、トマトの出荷は6月から10月までという短い期間に限られているが、東神楽町のロックドリームファクトリー(矢萩修代表取締役)では、「ロックウール栽培」という土を使わない独自の栽培法を確立し、地元産が品薄になる端境期にも安定した量を出荷している。今から30年ほど前、トマト栽培の経験がなかった矢萩社長が、「地元産トマトを年間を通じて提供したい」という思いを抱き、ゼロから取り組んだ挑戦だった。 土を使わない栽培法 ロックドリームファクトリーは旭川の中心部から車で約20分の距離、東神楽町9号北4番地にある。敷地内には、高さ4メートル、奥行き約80メートル、広さ300坪の大型ビニールハウスが11棟並び、トマトをメインに野菜の栽培を行ってい... -
北斗警備の子育て全力支援
「少子化は時代の流れ。逆らってもしょうがない」といった無力感が広がるなか、果敢に大胆な子育て支援策を整えた企業が旭川市内にある。正社員として在職中に3人子どもが生まれてから大学を卒業するまでに支給されるお金は概算で2500万円余り。強力な支援策の背景には、少子化を食い止めたいという使命感のほか、子育て世代の優秀な人材を確保したいとの願いがある。 道はワースト2位 昭和のアルバムを開いてみてほしい。学校行事、街角で撮ったスナップ、行楽地…。令和との大きな違いは、当時はどこに行っても人が多かったということだ。日本の長期的な経済の衰退傾向には多くの原因があるが、少子化が大きな要因であることは間違いない。 「1・20」。昨年夏に発表された数字が社... -
冨貴堂 店舗での書籍販売から撤退
旭川の書店業界の雄として長く君臨してきた旭川冨貴堂。「活字離れ」という時代の荒波の中でも南6条、末広、豊岡のロードサイド3店舗を永く維持していたが、2019年の南6条店に続いて、昨年には末広店が、そして今年2月には最後まで残った豊岡店も閉店することになった。昭和期からの本好きにとっては寂しい限りだが、今後も外商部は存続し、学校や官公庁、法人向けとの取引に専念する。 一時は「道内最大」も 2008年ごろ、旭川市内の本好きは選択肢が多すぎて、どこに本を買いに行くべきか迷うことが多かったかもしれない。当時は旭川西武の中に三省堂があった。全国チェーンの宮脇書店も豊岡と緑町に店を構えていた。銀座通り商店街の近くではイトーヨーカドーの地下でくまざわ書店... -
2025年02月号の主な記事
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高砂酒造×日本醤油工業で共同開発
酒蔵や醤油の醸造所、手づくり味噌工場などが市内に点在する旭川は、古くから醸造業が盛んだ。伝統的な醸造技術で品質の高い製品を製造しているが、24年11月、高砂酒造と日本醤油工業がコラボし、酒粕と醤油を使った商品を開発した。市では、醸造・発酵文化に着目した観光促進の検討を進めており、旭川の醸造業を支えてきた老舗によるコラボは、醸造文化を盛り上げていきそうだ。 盛んな醸造業 明治時代から続く長い歴史を持つ酒蔵をはじめ、醤油の醸造所や、手づくりの味噌工場がある旭川は、規模は小さいものの、「醸造の街」と言っても過言ではないほど、醸造場が盛んに行われてきた。 醸造文化を支えてきたのが、大雪山連峰の伏流水。例えば、市内の酒蔵ではこの伏流水を仕込み... -
どうなる中心街オフィスビル
24年春からすっかり明かりが消えたオフィスビルがある。旭川市3条通9丁目の「日本生命旭川ビル」だ。ビルの建て替えが決まり、内部にあった日本生命の営業拠点はすべて近くにある他のビルに移転した。昭和40年代ごろから旭川市の中心街で続々と完成したオフィスビルの建て替えが決まったのはこれが初のケース。他の主要なオフィスビルも築50年を超え、常識的には更新時期を迎えているはずだが、今後は不透明なまま。オーナーが変わった物件もあり、道北最大のオフィス街の今後が注目される。 支店支社が撤退 12月の緑橋通りを夜5時前に歩いた。立ち並ぶオフィスビルの多くのフロアーで、照明が消えている。いまこれらのビルでは多くのスペースが「空室」となっている。 旭川で大企... -
風の子館撤去に一部から疑問の声
国内で初めて構想された木製屋根付き遊具で、1996(平成8)年度旭川市都市景観賞(優良景観認定施設)に輝いた春光台公園・「風の子館」の老朽化を踏まえた市の撤去方針について、市民の一部から疑問の声が上がる。「全体の構造は十分に使用できる状態で、学校では子どもたちにSDGs(持続可能な開発目標)を教えているなかで、全廃棄はエコロジーな観点からも時代にそぐわない」。有識者からもそんな意見が寄せられている。 多くの子どもに愛された 旭川市中心街から5キロほど離れたところに広がる旭川市春光台公園は、52ヘクタールと広大な面積を誇る。広葉樹に囲まれた豊かな自然環境に恵まれ、旭川っ子をはじめ、市内外の親子連れに親しまれている。 「風の子館」のある宝くじ遊園は、... -
2025年01月号の主な記事
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アシアナ航空便7年ぶり復活
コロナ明けからの好調な旅行客の出足はいまも続く。主要な観光地でレンタカー、道外ナンバーの乗用車を多数見かける。いたるところで耳にするのが観光客同士が交わす韓国語だ。旺盛な需要に注目して、今年12月から韓国アシアナ航空が旭川─仁川(インチョン)間で週4往復を運航することになった。関係者に7年ぶりの復活までの経緯を尋ねた。 寂しかった国際線 2006年6月8日は旭川空港にとり記念すべき日となった。この日、初の国際定期便として韓国のアシアナ航空便が乗り入れた。それまで旭川空港から外国に向けて飛んでいたのはチャーター便。安定した利用客が望める定期便は関係者の念願だった。 その後は台湾、中国からも定期便が来た。増便や減便、新規就航や撤退はあったが、こ...