あきれた逆行人事 三セク振興公社に天下り役員増員

 市の行財政改革に合わせ、市役所退職者の採用を削減する方針が明確にされている第三セクター。ところが、第三セクターの〝筆頭格〟である旭川振興公社の市退職者役員ポストを1人から2人に増員する案が、現在開会中の市議会に提案され、議会内では「方針に逆行する人事案だ」との声が上がっている。増員の背景を明確にしない限り、この人事案に対する議会の反発は収まりそうにない。

収入先細り
旭川振興公社は1960年に、市が700万円、旭川商工会議所が300万円を出資、合わせて1000万円を資本金とする株式会社として設立された。市が新たな事業計画を持っている土地の先行取得や、企業誘致を積極的に推進するための工業団地の造成、そして市が所有する公共施設の維持管理などを行うのが目的だった。
ところがその後、国の法改正があり、土地の先行取得は市が直接管理する旭川土地開発公社が業務を引き継ぐことになった。また、工業団地の造成についても、同団地を専門に取り扱う第三セクター・旭川工業団地開発が設立され、振興公社のこの分野の業務も終わった。残されたのは、市の消防本部や福祉保険部、子育て支援部、選挙管理委員会など、市役所の関係部局が入居する第2庁舎の〝賃貸〟のほか、市役所総合庁舎の地下にある駐車場や大雪アリーナ、忠和テニスコートなど公共施設の維持管理。賃貸料や委託料が主な収入源となっている。
しかし、これらの施設についても新たに指定管理者制度が導入されたため、民間企業の参入が可能になり、現実には維持管理費の〝ダンピング合戦〟が続き、安定した収入が見込める状況ではなくなった。
収益を上げているのは産業廃棄物の処理業務。地域住民とのトラブルが予想される市の業務を代行する形で振興公社が請け負っている。第2期工事も終えており、事業は拡大路線へと転じているともいえる。
その振興公社へ 〝天下り〟していた市役所OBは専務を務める部長経験者1人だけだった。社長は高瀬善朗前副市長が無報酬の非常勤で兼務していた。

04年から1人体制
以前は天下りポストは2つ用意されていたのだが、世論の批判を受けて旭川市も第三セクターとの関係を見直し、2004年にOBの天下りを、2人から1人体制に削減した。それからは、内部からの昇格、つまりこれまで勤めていたプロパー職員を役員に登用し、市OBの天下りは1人にとどめていた。
市が第三セクターとして位置付けているのは旭川振興公社や旭川空港ビルなど11団体だが、最も歴史が古いのが同公社であるため、他の三セクに対し〝手本〟となるべきとの意識も働いたようだ。天下りポスト削減は他の三セクにも及び、2001年には合計30人に達していた天下りが、最近では20人近くまで減少している。市から三セクへ出向していた職員もピーク時の11人から3人にまで減少している。

(この続きは月刊北海道経済2013年4月号でご覧ください)