ふらの農協粉飾決算強引な幕引き

 今年4月下旬、内部調査で発覚したふらの農協(植崎博行組合長、正組合員1427戸)の粉飾決算。調べが進む中、前常務理事の井山修氏(7月4日辞任)が一人で不正経理を行ったという結論に達したようだが、同農協の組合員や周辺の農協幹部からは「とても井山氏一人の犯行とは思えない」と、疑問の声が上がっている。2001年に上富良野町から占冠村までの富良野沿線5市町村の6農協が合併して誕生したふらの農協だが、合併時からくすぶっていた数々の問題点が粉飾決算という形で表面化した。

井山一人の不正ではない!
ふらの農協→01 ふらの農協の粉飾決算を表面化させたのは、6月30日付けの北海道新聞夕刊の報道。▽2013年度までの4年間、不正経理と粉飾決算を続けた▽南富良野町のポテトチップス工場の赤字を穴埋めし、タマネギ生産の不振を隠すのが目的▽不正経理の総額は3億8700万円に上る、といった内容だ。
この報道は、上川管内全体の農協へも衝撃を与えた。井山氏を良く知る上川管内のある農協幹部は、驚きを隠せない様子で語る。
「今年4月に井山氏に会った時、『人事改選でもう1期理事を務めることになった』と笑顔で話していた。まさか報道されているような事態が起きていたとは信じられない」
農協の内部調査は「井山氏一人による不正」との結論に達したようだが、報道の直後から、井山氏以外にも関与した人物はいるとの見方は生じていた。組合員の一人は「(井山氏は)職員時代から販売部門一筋で、富良野ブランドを確立した立役者の一人だ。性格はまじめで組合員からの信頼も厚かった。とても一人で不正経理を働くような人物ではない」との見方を示す。
「本当に井山氏一人で行ったことなら、奥野会長以下役員らは一体何をしていたのか。組織ぐるみではないというが、それならば監督責任が問われる。軽い処分では済まされない」という厳しい意見も多く聞かれた。
一方で、「井山氏の責任感の強さが裏目に出て、『何とかしなくてはいけない』という焦りから粉飾決算に及んだのかもしれない。ただし、問題の根っこにあるのは、農協の合併後、利益追求のため組織改革を急ぎすぎたことだ。その反動が今回の事件を引き起こした」(別の組合員)との見方が有力だ。

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この続きは月刊北海道経済2014年11月号でお読みください。