人手不足にあえぐ旭川の飲食業界

 旭川の飲食業界で人手不足が加速している。観光客に人気の焼肉店「炭や」ではスタッフを確保できずに4ヵ月にわたって入店を制限。北門町にある人気ラーメン店「旭川大吉ラーメン」では夜の部の営業を中止するという異例の事態が起きている。何とか人を集めようと短時間シフトの募集に切り替える店も増えているが人材確保は至難の業で、会社経営に大きな影響を与えかねない深刻な問題となっている。

午後3時閉店
 飲食業界の人手不足は全国で加速中だ。ハローワークのデータでは、全国の「接客・給仕の職業」の有効求人倍率(職安に登録している求職者に対する求人数の割合)は今年6月で3・60倍と全職業平均の1・26を大きく上回った。
 旭川でも事態は深刻だ。ハローワーク旭川が公表している直近のデータによると、今年6月の給仕・接客サービスの月間の求人数180人で、これに対する求職者数は74人。有効求人倍率は2・43となるが、これは仕事を探す人100人対して243人分の仕事があることを示しており、全国と同様に全職業平均の1・19を上回った。
 市内の飲食業界では数年ほど前から人手不足が急激に加速し、求人しても応募がゼロという店舗が続出している。事態は想像以上に深刻で、今年に入ってからは人手を確保できないために営業時間を短縮したり、入店を制限する店も出てきている。
 旭川市北門町14丁目にある旭川大吉ラーメンも人材が確保できず、今年4月から夜の部の営業を中止し、午前11時から午後3時までの営業とした。
 同店は、市内23のラーメン店が旭川ラーメンのPRのために活動する「ラーメンの会旭川」の会長を務める吉田英治社長が経営する人気店。タレを作る工程で出た塩分を取り除いた体に優しいスープが特徴で、塩麹やヨーグルトなどの素材を使用したオリジナルラーメンでも定評がある。地域の人が食堂替わりに訪れる人気店の営業が昼のわずか4時間に縮小されるとは、異例の事態と言っても過言ではない。

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この続きは月刊北海道経済2017年9月号でお読み下さい。
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