「旭山プリン」のぱぷりんが営業停止

甘くなかったプリン稼業

2006年、全国で製造されているプリン約200種類を集めて行われた「プリンの殿堂2006」で、3位に入賞して一躍脚光を浴びた「旭山プリン」を製造する㈲オカサト(通称ぱぷりん)が今年1月中旬、営業を停止した。齋藤勝行社長は採算度外視の経営を続け、従業員の給与も滞り、一部の仕入先や本社を貸す不動産会社などは頭を抱えている。
(記事は2月5日現在)

年明け早々いきなり営業停止

 旭山プリンを製造していた㈲オカサトは、2005年4月に設立され、09年10月に市内神居2条12丁目から現在本社がある神居3条2丁目の太田ビル1階に移転した。本社はパン工房「ぱぷりん」の名で、パンやプリンなどの製造工場と売店がある。2月上旬現在、入り口には鎖に錠が掛けられ、無人の状態になっている。

店舗を賃貸する太田ビルの話によると、「今年1月7日に、『1月15日まで休業するから、16日に改めて出勤して欲しい。給与はその時に支払う』と齋藤社長から従業員へ連絡があり、16日に出勤すると、『今日は事情があって行くことができない』と、一人の従業員あてに齋藤社長からメールが届いたきり連絡が途絶えた」という。その後は、2月上旬になっても何の連絡もなく店は閉店したままになっている。給与の不払いは今回だけでなく、1年半ほど前から支払遅延が続いており、その間に先行きを心配した従業員数人が次々と退職している。

経営悪化のきっかけは、コンビニとの取り引きだった。「従業員に対する給与の遅延が始まった時期、齋藤社長から『大手コンビニチェーンと大型の取引が成立し、商品増産のため工場を増床したい』と言われ、店舗奥の部分を新たに賃貸した。ただ、それまで何度か家賃が滞っていたこともあり貸すかどうか迷ったが、不景気で借り手が少なくなる中で、『近々、金融機関から融資も受けられる』という話を信用して貸すことにした」(太田ビル)

(続きは月刊北海道経済3月号でお読みください)

この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!