五穀豊穣願い「松前神楽」を奉納

 神事の際に奉納される歌舞が神楽。昨年6月に上川管内の青年神職を中心に「大雪神楽会」(芦原大記会長=旭川神社禰宜)が発足し、北海道南部地方に360年ほど前から伝わる「松前神楽」の練習に取り組み、5月15日に本格的なお披露目をした。
神楽会 上川神社の月次(つきなみ)祈願講社春の大祭で、生け花展示、薄茶抹茶会、巫女の神楽舞、獅子舞部などによる奉納に続いて同会が「松前神楽」を演じたもので、拝観者ら約60人が見守る中、太鼓や笛に手拍子(打楽器)も入る、能舞台をいっぱいに使った特徴的な姿で練習の成果を披露した。
 上川管内ではこれまで旭川神社橘会が、新潟県三条市の6神社に伝わる三条神楽に取り組んできており、松前神楽が加わったことにより、神事における奉納の幅が広がった。松前神楽は五穀豊穣を祈願するもので、他の神楽に比べてテンポが速く、コミカルな場面も織り込まれているため、参拝客が舞台と一体となってお参りすることができる。昭和33年には北海道指定の無形文化財にもなっている。
 同会の事務局を担当する上川神社権禰宜の板谷之敬さんは「後志地域の神職や諸先輩のご指導を仰ぎながら松前神楽に取り組んでいます。神様も人も一緒に楽しくお参りできればと考えています」と話している。

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この続きは月刊北海道経済2016年07月号でお読みください。
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