水道料金滞納、最高額は3000万円超

 旭川市内で水道料金が2期(4ヵ月分)以上未納になっているケースは2016年11月末現在、上下水道合わせて1665件、総額約2億2759万円にのぼる。滞納額100万円以上の法人は13件あり、最高額は約3246万円。16年の第4回定例市議会で明らかになった数字だが、毎月苦しい家計をやりくりしながら料金を納めている市民からは、旭川市水道局に厳しい取り立てを求める声が上がりそうだ。

停水執行は大幅減
 旭川市内における水道料金の滞納状況は、12月7日に開かれた第4回定例市議会で林祐作市議(自民党・市民会議)が、「水道料金の滞納による影響」について質問し判明した。
水道 水道料金は検針後、約180日経過しても2期(4ヵ月分)以上の未納がある場合に「停水」の対象となる。これに該当する法人数は16年11月末現在で12件。上下水道料金併せて100万円以上未納している法人は13件で、なかでも「大口」の未納者では、金額が3246万1669円となっている。零細企業の年商に匹敵する規模だ。
 水道局は、この高額滞納法人の名前を明らかにしていないが、本誌が集めた情報を総合すれば、市内の某レストランである可能性が大きい。
 ちなみに、過去5年間の停水件数(個人、法人を含む)は2011年度が704件で12年度は1060件、13年度・1021件、14年度・881件で15年度は849件。16年度については年度途中だが、停水執行時に水道局が個別に声がけしたことにより停水にまで至らず、その分、納付や相談が増加しており、市議会での答弁の時点で、停水件数は222件にとどまっている。
 旭川市水道局では期限までに水道料金が納付されない場合、その対象となる個人や法人に対して督促状を送付する。その後、訪問や電話催告を通じて納付を促すが、2期以上未納になると「給水停止予告書」を送付して再度納付を促す。にもかかわらず納付されなければ「給水停止執行通知書」を送付するが、それでも納付に至らず、納付に関する相談もなければ給水停止に踏み切る。督促状を送付した後の訪問や電話催告は業務委託し16年11月の1ヵ月で1586件、担当スタッフは1日あたり平均約81件対応しているという。
 未納最高額の案件について林市議は「約2年間徴収のアプローチが行われていないとの情報があるが、それが事実とすれば、なぜそのようなことになっているのか」と質問し、水道局から次のような回答を引き出した。
 水道局では14年12月、その高額未納法人の担当責任者と折衝した後、「支払いに向けた言葉を信じ、支払いの直接交渉は行っていなかった」と説明。しかし、その後も未納が続いたため、水道局としては厳しい対応をとらざるを得なくなり、相手側に支払いの意思がないものとして強制的に使用料を徴収すべく財産状況(預貯金や不動産等)を調査したが、その際、差し押さえが可能な財産の確認はできなかった。
 水道局では相手の誠意ある対応に期待し「15年3月末まで支払いに向けた言葉を信じていた」と話すが、この高額未納法人の代表者は一筋縄ではいかない人物でもあったようで、水道局は「自主納付が期待できない」と判断し、同4月から10月まで財産状況などの調査を再開している。
 そして15年10月以降、直接折衝は行っておらず、督促状を隔月ごとに発送した程度。16年度に入ってからも未納が続いたため、水道局は今年度中に停水する意向だったが、「水道を停止することで営業が困難となり、施設で働く従業員や施設利用者への影響を考えると、まず経営者との交渉を急ぐべき」と配慮していた。ただ、「どのような事情があっても、滞納に対するアプローチを継続的に行うべきであった」と自戒。直接折衝していない期間が、最終的に2年近くになってしまったことについては「積極的な徴収をしてこなかったと言われても否めない」と説明している。

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この続きは月刊北海道経済2017年2月号でお読みください。
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