旭川市内に住む70代の男性Aさんから「年金受給者の多くが道・市民税を払い過ぎている」との意見が寄せられた。「年金収入400万円以下だから確定申告は不要と大半の人が思い込んでいるが、そのために国民健康保険料や後期高齢者医療保険料が控除されずに税金が過払いとなっている」というのだ。切り詰めた生活を続ける年金生活者には聞き逃せない話だ。
1世帯3万円
「公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合は確定申告が不要」─確定申告の時期になると目につくのが、税務署のこの告知だ。ひと月おきに振り込まれる年金額と税務署の告知を見比べて「確定申告は私には無縁」と大半の年金受給者は判断する。「年金が400万円を超える高齢者が世の中にいるのか」とさえ思ってしまうのが実情だろう。 ところが「400万円以下だからと確定申告をしていない年金受給者の多くが道・市民税過払いとなっている」と訴えるのがAさん。
実はAさんは国民健康保険や後期高齢者医療保険料を納めているのに、その分が控除されず、高額な納税通知書を昨年6月に受け取った。市民税課に出向いて改めて住民税の申告をして〝減額〟され、正しい納税額に修正された。Aさんは毎年確定申告をしているが、体調不良からこの年の申告は遅れた。そのために本来控除されるべき保険料が控除されなかったのである。
この経験からAさんは「年金から天引きされる介護保険料は自動的に控除されているのに、なぜ、納付書や口座振替で払った保険料などは控除されないのか。介護保険料も国民健康保険料、後期高齢者医療保険料も旭川市が算出徴収しており、どのデータも把握しているのだから、申告の有無にかかわらず行えるはずで、そうするのが市民のための本来あるべき行政サービスだ。年金収入が400万円以下だからといって確定申告していない年金受給者の中にも納付書や口座振替で保険料を払っている人も多いと思うが、その人たちは道・市民税が過払いとなっている」と主張する。「私の計算では、過払い額は夫婦2人の平均的な年金受給者世帯で3万円くらいになる」とも言う。
この続きは月刊北海道経済2018年2月号でお読み下さい。