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旭川医大の「ガバナンス」どこへ?
旭川医科大学にくすぶる「公益通報」問題。外部の弁護士も加わった調査委員会が、現在副学長を務める2人の新学長選出直前の行動に対して「不適切」との判断を示したことは本誌5月号で報じた通り。この報告書に、西川祐司学長ら現執行部がどう対応するのかが注目されていたが、事態は予想外の方向へと動きつつある。報告の内容を受け入れず、前段階の「予備調査」からやり直すことで、すでに出ている結論をなかったことにしようとしている模様。いま「ガバナンス」という言葉の意味が問われている。 「犯人扱い」に反発 3月8日、旭川医科大学で開かれた大学運営会議。松野丈夫学長代行、西川祐司副学長(次期学長予定者)、平田哲副学長、吉田貴彦副学長らが出席した。なぜか、その場... -
江丹別の里山をキャンプ場に
過疎で人口が250人ほどに減り、域内の高齢者(65歳以上)が6割に迫る限界集落・旭川市江丹別町地区。若者たちが乗った2台のピックアップトラックが幌加内線を北上し、伊勢ファームを越えたあたりで右手に入り、北の里山に吸い込まれた。自らの手で木を間引き、草を刈り、道をつくり、整地する。若者たちは、キャンプ場を手造りしていた。 江丹別に魅せられ 森に入ると、雪解け水のせせらぎを伴奏に野鳥が美しい〝ソプラノ〟を聴かせてくれた。漂って来る森の匂い。この素晴らしい空間を「仕事場」とする野良着姿の女性2人と男性2人の顔に自然と笑みが浮かぶ。 野中瑠馬さん(27)、野中えりさん(28)、鈴木愛(まな)さん(25)、小館佑太さん(27)。4人は、札幌の医療関係の専門学校で学ん... -
あさひかわ乗馬クラブ 百年の歴史
「クラブの歴史を知るほどに、馬に対する先人たちの思いには、とても熱いものがあったと感じます」。今年、あさひかわ乗馬クラブ結成100年。女性初、最年少で理事長となった山崎明日香さん(37)は、この100年の節目にクラブを背負えることに大きな意味を実感し、さらに100年後の姿にも思いをはせる。(文中敬称略) 師団におんぶにだっこ 新旭川市史(第三巻)によると、旭川でも祭典興行の一つとして、競馬は早くから盛んだった。しかし、馬術となると、「馬の飼育や調教など、直ちに民間に普及するには至らなかった」とある。当時、旭川中学校(現在の旭川東高校)の生徒が1916(大正5)年に陸軍第七師団騎兵隊で乗馬の練習を行った記録が残るが、正式に同校で乗馬部が発足したのは1930(昭... -
2022年07月号の主な内容
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軟投派アンダースローは44歳
昨年士別に誕生した「士別サムライブレイズ」(北海道フロンティアリーグ)の選手は若手が中心。一人だけ異彩を放つ超ベテラン選手が安井大介だ。異例ずくめの野球人生、北米・中米などのチームを渡り歩いた十数年間、日本最北の野球チームにたどり着いた経緯、そしてアンダースローならではの投球術などを尋ねた。(文中敬称略) ずば抜けた実績 4月25日夜、士別市朝日町のあさひサンライズホールで、独立リーグ「北海道フロンティアリーグ」に所属する球団「士別サムライブレイズ」が2022年シーズンの「新チームお披露目会」を開いた。ネット中継される中、壇上に立った選手のほとんどは20代前半の若手。一人だけ、大ベテラン投手が混じっていた。安井大介投手(44歳)。他の選手たちの... -
実現するか マルカツ跡タワマン構想
旧エクス跡に建設が進むタワマン(高層マンション)に次ぐ、旭川2番目のタワマンが実現するのか?閉店、解体が報道された「マルカツデパート」のオーナー・遠藤管財(札幌)の遠藤大介氏は、マルカツの名を残す25階建超の壮大なプランを描いているようだ。 HIRから遠藤管財 旭川平和通買物公園2条にある「マルカツデパート」が閉店、解体されることになった。営業から100年になる商業施設だけに「地域を支えてきた老舗が姿を消すのは残念だ」と惜しむ声がやまない。 マルカツの歴史は波乱に富む。始まりは松村勝次郎氏が創業した呉服店で、1924年に現在地の2条7丁目に移転し、36年に丸勝百貨店が設立された。丸井今井と激しい競争を繰り広げ71年には地下1階地上3階のビルに生まれ変わ... -
2022年06月号の主な内容
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旭川医大西川新学長の〝不条理〟人事
前学長が辞任届を提出し、旭川医大のトップが事実上不在となってから290日間。「すったもんだ」を経て西川祐司氏が4月1日、正式に旭川医大の新しい学長に就任した。空席が目立つ教授の選出、新型コロナへの対応、研究資金の確保など課題は山積しているが、その前に課題として突き付けられたのが、学長選挙で西川氏を支えた現副学長2人に関して調査委員会が認定した「不適切行為」への対応だ。ガバナンス回復を掲げる新学長の〝本気度〟が問われる。 打診後途絶えた連絡 4月1日、旭川医科大学で開かれた記者会見。この日、学長に正式就任した西川祐司氏は力強く語った。「開学以来、多くの教職員、同窓生のたゆまぬ努力によって、本学は歩んできたが、来年の開学50周年を目前に本学... -
次期最終処分場は春志内
旭川市の次期一般廃棄物最終処分場(通称ごみ処分場)の建設候補地が市内神居町春志内地区に決まった。3月8日に市が正式発表したもので、そう聞かされれば「なるほど、そんな場所があったのか」とうなずく市民も多いのではないか。迷惑施設の代表格でもあるごみ処分場は、その新設をめぐり江丹別地域に大混乱を巻き起こした歴史的経緯もある。市がそんな過去の反省の上に立って選んだ場所が春志内だった。 基本構想見直すアクシデントも 現在稼働中の江丹別芳野のごみ処分場の使用期限が2030(令和12)年3月で切れるため、市は11年6月に市長の私的諮問機関「次期廃棄物最終処分場検討委員会」を立ち上げた。江丹別の後のごみ処分場をどこにするか、手順を踏んだ場所探しが市民に見える... -
受験生必読「英単語 記憶のためにまず忘れる」
「うちの子は何も苦労せずにスラスラと英単語を覚えている」─そんな家庭はまずない。ほぼすべての児童や生徒が英単語の暗記に苦労し、挫折し、ラクな方法を探している。加齢とともに思い出す力が弱まっている記者は、北海道教育大学旭川校に英単語の記憶法をテーマにしている研究者を訪ねた。 小→高で5000語 英語で日常会話をするには単語を2000~3000語覚える必要があると言われている。学校での英語の授業でも単語を大量に暗記しなければならない。新学習指導要領によれば小学校では600~700語、中学校では1600~1800語、高校では履修する科目により異なるが1800~2500語を覚えることが求められる。小中高を合計すれば最大5000語に達する。単純比較はできないが、小学校、中学校...