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美瑛町長選 現職角和に軍配 怪情報で墓穴掘った?佐藤陣営
一進一退、激しい攻防を繰り広げた美瑛町長選(4月23日に投開票)。最終的には現職角和浩幸氏(55)が元町議会議長佐藤晴観氏(49)に大差で勝利した。道議選上川地域選挙区に美瑛町から出馬した自民党公認今津寛史氏(49)の選挙戦とも連動し、町を二分する緊迫感のある選挙戦でもあった。 背景に様々な対立構図 町政史上最多の4人が出馬した前回2019年町長選は5期務めた浜田哲の勇退に伴い、元町議の角和浩幸、浜田の実質的後継で元町職員の嵯城和彦、元町職員後藤秀俊に加え、会社役員の武田信玄による乱戦となった。この時のしこりとも思われる形で2007年以来5回連続となった今回の選挙戦は、前回の覇者で現職の角和に新人の佐藤晴観が挑んだ構図だった。 角和陣営は、道議選で勝利した... -
老木目立つ街路樹再生の取り組み
旭川市が目指す、季節ごとに〝都市と自然が調和する緑豊かな街づくり〟で重要な役割を担う街路樹。だが、植栽し約40年経過するものが増え、一部は大木化、老木化している。道路交通や市民生活の安全に支障をきたすことから街路樹「再生」に向けた新たな取り組みが必要になっている。 「緑化大作戦」も今は昔 新規道路整備も減少で… 国内の街路樹は明治初年に神戸外国人居留地にヤナギが植栽された後、明治2、3年ごろに横浜の海岸通り等の商店街にヤナギが植栽されたのが始まりとされる。旭川市では1924(大正13)年から28(昭和3)年にかけて1条通にアカシア、2条通にカエデ、3条通にアカシアを個人が植栽したのが最初。64年から65年にはシンボル並木をつくる市民運動が盛り上がり、旭川... -
破局率45% 旭川の離婚事情
「離婚数」を「婚姻数」で割って「離婚率」をはじき出すと、45.34%と出た。「3組に1組」を大きく上回り、旭川市の離婚率は高止まりしている。その理由を探ってみた。 4割超えて… 北海道、中でも旭川は離婚件数が多いと以前から言われている。本当にそうなのか? 保健所が集計している、年間の婚姻数と離婚数を調べてみた。 確定値として公表されているのは2021年の数字で、この年に結婚したカップルは1215組、そして離婚したカップルは551組となっている。お役所では「人口1000人に対し何件の離婚があったか」を計算して「離婚率」としている。これで計算すると離婚率は「1.70」だ。 この年、全国では50万1138組が結婚し18万4384組が離婚。全道では1万9326組が結婚し8662組が離婚。... -
2023年06月号の主な内容
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大町の神社存廃めぐり町内会紛糾
歴史を感じさせる大町の金刀比羅神社 軍都としての面影を残す第2師団旭川駐屯地近くの商業・住宅地の奥まった所にひっそりとたたずむ社(やしろ)がある。この社と、併設する域内住民が集う会館の存廃をめぐり地元町内会が紛糾している。核家族化・人間関係の希薄化の進展とともに会員数が減り、町内会というシステムが大きな曲がり角を迎えていることを象徴する事案だ。廃止方針について「相談もなしに一方的」(地域住民)、「町内会は衰退の一途」(町内会役員)と意見は割れる。このままでは、この土地を守護する氏神様はたいそう居心地が悪かろう。 神社を返して会館を片づける 旭川市大町2条10丁目にある「金刀比羅神社」は、建立から121年の歴史を刻む。長年、域内住民の氏神様と... -
旭川ラーメンの「重要物資」鶏ガラ不足回復まで1年半?
防護服とマスクに全身を包んだ作業員が養鶏場に入り、殺処分したニワトリを容器に詰めて運び出す。付近に掘られた穴に建設機械で埋設する。過去最悪の鳥インフルエンザ流行に見舞われた昨年秋から今年の初めにかけ、日本全国で繰り返されてきた光景だ。その多くは肉用ではなく、採卵目的の養鶏場で発生した。鶏卵の値上がりと不足は連日伝えられている通りで、一部の飲食店チェーンは玉子を使った料理の販売を中止するなど対応に追われた。ラーメンのまち旭川にとって心配なのは、鶏ガラの不足と値上がりだ。この冬の鳥インフルエンザの流行は終わりに近づいているが、影響は1年半以上は継続すると懸念されている。 まちの経済を支える「戦略物資」が不足? 全国飼育数の1割以上を処... -
2023年05月号の主な内容
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比布町・若手生産者が「冬いちご栽培」
旭川の隣町・比布町の伝統園芸として知られるいちご栽培。生産者の高齢化と後継者不足で栽培農家の数が減少する中、産地衰退に歯止めをかけようと立ち上がったのが町の若手生産者たち。寒冷地では珍しい「冬いちご」の実証栽培に試行錯誤しながら取り組み、4年目を迎えた今年は収穫がすこぶる順調。当初目標だった1.2トンの収穫量を超えそうな勢いだ。 いちごの状態を丁寧に確認する片澤英幸さん 最盛期には66軒 比布町でいちごの栽培が始まったのは、1921年(大正10年)頃。子供たちのおやつのために生産者が自家用に栽培していたが、果実が美味しく育てやすいことから商品化が進み、加工品も開発されるようになった。1975年には、収穫したてのいちごを味わえる「いちご狩り」がスタ... -
銭湯の経営危機 「菊の湯」「御料乃湯」廃業
コロナ禍に加え燃料や電気料金の高騰で銭湯が危機的状況で、旭川市浴場組合トップとして奮闘してきた熊谷清志さん経営の「菊の湯」も閉店に追い込まれた。神楽エリアのスーパー銭湯も苦渋の閉店。 廃業を決断した菊の湯 神楽エリアの銭湯 3月末日でまた一つ、旭川から公衆浴場が消えていく。神楽5条14丁目にある、創業46年の「菊の湯」だ。 経営するのは旭川浴場組合の組合長を務める熊谷清志さん。「組合長の任期途中で辞めるのは心苦しいが、入浴客減による売り上げ減少が続いており、これに最近は燃料費や電気代の高騰が加わった。情けないが、営業を続けていけばいくだけ赤字が膨らんでいくのが実情だ。悩んだ末、閉店を決意した。6月の改選まで組合長は続け、閉店後もできるだ... -
無惨! クリスタルホール音楽堂が劣化
たゆたうピアニシッモ(最弱音)が減衰し虚空に吸い込まれる─。「森の中にいるような」「自らのピアノの音が明瞭に聴こえる」とクラシックやジャズの演奏家・愛好家たちが絶賛する旭川市大雪クリスタルホール音楽堂(旭川市神楽3条7丁目)が、オープンから30年を経て無惨な姿をさらしている。市民運動が結実し産声を上げた国内初の音楽専用ホールは、市民全体の財産でもあるが、補修が行き届かず機能が消失しつつある。「見過ごせない」と建設運動の母体となった市民団体が2月、所管する旭川市教育委員会と市に要望書を提出した。 ドアには注意書き 錆び・欠け ドアも傷み音漏れ 建設運動に携わった「ぬくもりホールの会」(村田和子代表)が2月3日、野﨑幸宏教育長と今津寛介市長に要望書...