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「Fラン」脱却 旭川市立大学の不安要素
2023年春に念願の公立化が実現した「旭川市立大学」。私立時代から旭大は地域社会にとって重要な教育・研究機関であり、地域の企業から見れば不可欠な人材の供給元でもあった。現在、地域社会で活躍するOB・OGも少なくない。公立化で偏差値は大きく上昇したが、折からの人材難の影響もあり、今後も卒業生が地域社会で就職してくれるのかどうか不安視するむきもある。 公立化の効果てき面 大手出版社や通信教育会社が運営するウェブサイトによれば、現時点での旭川市立大学経済学部の偏差値は45~47程度、保健福祉学部は51程度となっている。偏差値は定義上、「50」が中心点。旭川医大医学部は約63、北海道教育大学旭川校は約51だ(算出する業者によりばらつきあり)。 道内のほかの公... -
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デザイン思考どこへ? 米国「総本山」が縮小
「デザイン思考」─旭川市がこの新しい手法の導入を目指していると知ってから、記者はいろいろ調べてみたが、わかったようなわからないような…。一方、先進国であるはずの米国で、デザイン思考をめぐる環境が厳しさを増し、専門家の間でも懐疑的な見方が広がっていることだけははっきりとわかった。このまちでデザイン思考が能書き通り「社会に存在する問題を解決する」ツールとして威力を発揮する日は来るのだろうか。 問題解決の手法 現在の旭川市政のキーワードのひとつが「デザイン」。「デザインによる産業振興や人材育成、文化振興などがうたわれているが、もう一つのキーワードが「デザイン思考」。モノのかたちや色、部品の形を考えるという意味ではない。デザイナーの思考プ... -
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愛別に陽の目? 金脈探査プロジェクト
カナダの金属資源探査上場企業、ジャパンゴールドコーポレーションと世界最大級の金採掘会社バリックゴールド(同国が本拠地)が戦略的提携の下で日本で現在進める金鉱床探鉱プロジェクト。鹿児島、石川、さらには北海道など全国6ヵ所で取り組んでいるが、この上川管内でも「愛別プロジェクト」と称して各種探査作業を進めている。 生田原には複数の金脈 ジャパンゴールドコーポレーション(ジョン・プロウスト会長兼取締役CEO)とバリックゴールドコーポレーションは2020年2月に戦略的提携を締結。鹿児島県の溝辺をはじめ、鹿児島・熊本・宮崎県にまたがるえびの、石川県能登富来、北海道内では北見の天竜と白竜、そしてジャパンゴールドがオペレーターとして探鉱活動(費用はバリックゴ... -
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2024年02月号の主な内容
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小麦王国 ハルさんの本格コーヒー
旭川市2条通9丁目でNPO法人asatanサポートが2023年秋にオープンさせた就労支援B型事業所『小麦王国』。午前11~午後3時は本格的な筑豊豚骨ラーメンが楽しめ、営業時間中は手作りパンも購入できる。午後2時から4時まで味わうことのできるのが、この店の「バリスタ」、ハルさんこと大山晴久さん(45歳)が淹れるハンドドリップコーヒー。いきいきと働くハルさんや、この店の取り組みについて取材した。 雑味や苦み、渋み、出さない工夫 記者が訪れた日の豆は「ケニアレッドマウンテンAAの浅め」と「深め」。ケニアの高原地帯の肥沃な赤土の恵みを凝縮した豆には、ケニアならではの柑橘系の酸味やしっかりとした質感が備わっているとされる。 記者が一口飲んで感じたのは雑味のなさ。焙... -
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サツマイモプロジェクトに追い風
病害で全国的な品薄を受けてJAあさひかわが新たな試みとして挑む「さつまいもブランド化プロジェクト」。温暖化にも伴い新たな産地としての期待が高まっているが、2023年の記録的猛暑で生育に必要な積算温度を優に超え、品質も甘みがのって良好だ。思わぬ追い風となり、プロジェクトに参加する生産者も作付面積も倍増している。 サツマイモ人気後押し、新たな産地として期待 その病害とは「サツマイモ基腐れ病」のことだ。株の立ち枯れやイモ自体が腐敗する病害。感染は九州の鹿児島で発生し、勢いを増して関東地方にまで波及するほど広がりをみせた。サツマイモの主産地は鹿児島・茨城・千葉3県で全体の約7割を占めるが、国内で2018年に初めて確認されると収穫量が減少し全国的な品... -
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ラピダス半導体工場が電気〝大食い〟
北海道の産業界にとり大きなニュースが、2023年9月の半導体メーカー「ラピダス」(千歳市)の工場着工。しかし、半導体製造に不可欠な電力供給が十分とはとても言えない。北海道電力泊原発の稼働再開のメドも立っておらず、ラピダスが道内の電力需給をさらに危うくさせる可能性はないのか─。 台湾TSMCは約500万世帯分 23年夏、台湾で報じられたニュースが、経済に占める半導体産業の比率の大きさを改めて現地社会に印象付けた。「TSMC(台湾積体電路製造)の2022年の電力消費量が210・8億キロワット時(kwh)に達し、台湾の電力総需要の7・5%を占めた」。2022年は世界の半導体需要が伸び悩んだ1年。それでも1年で30億kwhも電力消費量が伸びた。 世界を代表する半導体メーカーの一つとして... -
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2024年01月号の主な内容
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人口25万「帯広圏」気が付けばすぐ後ろ
戸建て住宅の大きさ、飲食店の単価、屋台街の繁盛ぶりなどから、帯広圏を訪れて旭川市との経済格差を感じた市民も多いはず。釧路を抜いて道東最大の都市となった帯広だが、その周囲にある3つの町と一体的に発展しており、「帯広圏」の実力はさらに強い。合計人口はすでに約25万人。これからも旭川市の人口減少が続けば、帯広が「道東・道北最大の都市」になるかもしれない。 十勝川をはさみ連続する市街地 JR帯広駅のある帯広市中心街から国道を北に向けて進み、十勝川にかかる十勝大橋を渡った先にあるのが音更町。やがてJA木野の運営する商業施設「ハピオ木野」が目に入る。天井の高い約2000平方メートルのスーパーに並ぶ商品は、旭川のスーパーと比較して高級感が目立つ... -
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台湾順天堂が当麻で機能性食品製造
台湾の漢方製薬大手「順天堂」が合弁会社をつくり、エゾシカの角を使った機能性食品の製造拠点を当麻町の旧北星小学校(北星1区)に設け、来年10月には本格稼働させる見通しだ。順天堂としては日本で初めての製造拠点となり、当麻町が進める「食・木・花育」政策にも合致した地域創生に協力して取り組む。 食・木・花育にも共感 薬用資源の安定調達も 順天堂は、自然に由来する動植物などを原料とする漢方医薬品メーカー。健康食品、ペット用健康食品などの製造販売ほか製造受託等も行っている。販売網は世界26ヵ国に及び、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアなどの輸出にも力を入れている。アメリカには製造拠点を構える。順天堂台湾台中工場は2007年、日本厚生労働省から「医薬品外...