2018年– date –
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近文国立療養所跡地の再開発構想
旭川市近文町25丁目にある国立療養所跡地(8281坪)の再開発構想がようやく現実化しようとしている。旭川市が3年ほど前に計画し、現在は停滞している地域コミュニティーセンター(コミセン)建設を進めるために、プロポーザル方式の公募を行い土地をいったん民間業者へ売却してコミセンをリースバックする形で市が賃借し、残りを宅地分譲するといった内容だ。 広大な土地 2015年、旭川市はこの地に地域コミセンを建設する計画を立てたが、広大な土地のため残りをどのように活用するのか迷った挙句、計画を放置したままにしていた。ところが18年11月ごろ、旭川市内のあるデベロッパーから、地域コミセン建設に使用する以外の土地(約8000坪)を宅地分譲に充てる案が市に提示された。市として... -
現地ルポ 富良野が第2のニセコに?
数年前から富良野市の一部地区の地価が高騰している。富良野スキー場の麓、北の峰町が不動産投資の舞台で、中国人を筆頭に海外の投資家が殺到して土地の買収が加速している。今では坪あたり10万円はするという高騰ぶりだ。道内では、ニセコ地区が10年ほど前から海外の投資家の手で土地が買い漁られ坪100万円を超えるフィーバー振りだが、富良野も〝第二のニセコ〟になるのではないかと不動産業者の間で注目を浴びている。 ニセコの次はフラノ? 十数年前、道内で人気のスキー場の一つに過ぎなかったニセコ地区は、海外の投資家の手で土地が買い漁られ、今や坪当たり100万円を超える高値で売買が行われている。札幌のある不動産業者は「ニセコ地区の中心部にある倶知安町比羅... -
さようなら「堂前宝くじ店」
高額の当たりくじが出ることで知られる「堂前宝くじ店」が19年3月に閉店することが決まり、旭川市民の間で驚きが広がっている。幸運の女神・輝子さん(89)を中心に家族で仲良く経営していた堂前一家、名物売場に一体何が起きたのだろうか。 名物売場 「この度、当店は平成31年3月を以ちまして閉店とすることになりました。長年のご愛顧大変ありがとうございました 堂前宝くじ店」 短い文章が書かれた白い看板が堂前宝くじ店の店頭に掲げられたのは11月下旬のこと。看板は売場窓口の近くに控えめにひっそりと掲げられていたため、よもや閉店の知らせだと気づく人はそう多くはなかった。年末の挨拶に訪れた記者も実は看板に気付かず、長男・聡さん(67)の妻、星子さんから閉店するこ... -
2019年1月号の主な内容
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幻の登山道の復活、有志が模索
かつて旭川市東旭川町のペーパン(米飯)地区から旭川峠、絶景が広がる松仙園や沼の平を経て、旭岳に達する〝幻の登山道〟と呼ばれるコースがあった。今では足を踏み入れる人もほとんどなく、忘れ去られようとしているが、東旭川町の有志らが復活に向けた可能性を模索している。(文中敬称略) 旭川から旭岳に至る最短コース 〝幻の登山道〟と呼ばれるこのコースは1933(昭和8)年、当時の東旭川村長の大見首太郎が、山本達男内務大臣宛てに登山道の開削を請願。東旭川の開拓者、小谷勝治・河野義助ほか複数の有志による踏み分け実地調査を経て、38年に上ぺーパンから沼の平まで14・5㌔にわたって開削された歩道のことだ。当時の案内記録には「大雪山登山新道東旭川口」(通称〝東旭川ペー... -
衰退進む旭川の地域経済、「主要産業」は公的年金
経済界には景気状況の厳しさを肌で感じている人が多いはずだが、その傾向は数字にもはっきり現れている。平均所得に注目した前号の本誌記事に続き、今回は所得階級別の比率、そして主な収入源に注目する。一連の数字から明らかになったのは、地域経済が直面する厳しい現実だった─。 年収千万円超の比率、帯広が旭川上回る 旭川市の平均課税所得は全国1741自治体の中で887位(2017年)─本誌が前号で伝えた数字だ。北海道のランキングは179自治体中114位。人口では道内2位、北海道・東北で4位という有力な都市ではあるが、住民の平均的な所得水準を比較すれば、音威子府や遠軽といった村・町を大きく下回っていることも明らかになった。 しかし、これらの数字はあくまでも平均値。旭... -
2018年12月号の主な内容
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道知事選候補に鈴木直道待望論
高橋はるみ道知事(64)の去就が注目される中、来春の知事選候補として浮上しているのが夕張の〝星〟鈴木直道市長(37)に対する待望論。夕張市とは職員派遣等で旭川市も交流があるが、何より「旭川夕張会」を通じて親交を深めている。同会の中でも期待論は大きいが、その実現性はいかに。 菅官房長官も高く評価 高橋知事の去就をめぐっては、その後援会で来夏の参院選道選挙区(改選数3)の自民党候補に推薦する動きが表面化。本人は現職の立場上、求心力を維持するため、進退表明はしていないが、自民党道連は、高橋氏や現職の伊達忠一参院議長(79)、岩本剛人道議(53)、中川賢一札幌市議、柿木克弘前道議(50)の5氏を軸に、擁立する2人を絞り込むことになった。高橋氏が周囲に5選不出馬... -
旭川の個人所得は「中の下」
旭川市から東西南北にクルマを走らせれば、どの方向にも「田舎」が広がる。しかしその地域は、旭川市よりリッチかもしれない。統計を見る限り、上川でも道北でも道内でも、個人の平均所得がもっと多い自治体はいくらでもある。旭川市の順位の長期的な下落傾向も気になるところだ。 ついに全国3位 「北海道第2の都市」は、旭川のキャッチフレーズの一つ。札幌との格差は拡大する一方だが、函館、釧路などの主要都市も苦戦していることから、2番目の地位は当面安泰。道北では文句なしに最大の都市だ。 上川、留萌、宗谷管内、そして「道東」に組み込まれる網走管内を合わせた広大なエリアの中で、人口規模を比較すれば旭川市が34万211人でダントツの1位。北見市は11万8787人で、10万... -
歴代旭川市長選を読み解く記事回想
本誌「月刊北海道経済」は1966(昭和41)年11月に「月刊道北経済」として創刊号を発行した。現誌名に改題したのは1974(昭和49)年。創刊以来、政治・経済・文化と幅広い分野に及ぶ誌面づくりを行ってきたが、中でも「旭川市長選」の話題は、選挙戦を分かりやすく市民に伝えるものとして様々な反響を呼んできた。来月の600号発行にあたり、これまでの100号単位の区切りの誌面から「市長選ネタ」を拾い出し、来たる11月11日投開票の旭川市長選を読み解く参考としてもらえば幸いである。 100号-1977年4月号 革新市政16年の停滞吹っ飛ばせ 記念すべき節目となった100号では、翌年11月に控えた旭川市長選に向けた話題の一つとして、自民党の道議会議員だった藤井猛氏が、それまで前例のな...