オクノ跡地にホテル「ドーミーイン」?!

 「オクノ」跡地の再開発計画が進んでいる。土地建物を所有する札幌の不動産開発大手が施設を建設し、ホテルチェーン「ドーミーイン」の旭川2館目のホテルとなる模様だ。

複合商業施設
 ファッションビル「オクノ」(旭川市3条7丁目)の土地・建物は、札幌の大手不動産開発業者「アルファコート㈱」(札幌市中央区南1条西7、河村裕二社長)が所有する。
 同社は、総合デベロッパー「アルファコート」をはじめとするグループを形成し、不動産開発、分譲・賃貸マンション、ホテル、店舗の企画、設計、施工、管理、解体を自社で手がける。あらゆる不動産ビジネスに対応する総合力で存在感を示し、札幌市内の「土地保有面積」「建物保有面積」「建物保有棟数」でナンバーワンを誇る。
 オクノについては、老朽化や耐震性不足などの問題から、閉館(今年7月末)する以前から、オクノ社長の石原嘉孝氏を中心に再開発を目指して模索が続いていた。複数のデベロッパーとの交渉を経て今年に入ってアルファ社による開発プランがほぼまとまった模様だ。
 1973年建設のオクノはSRC造地下2階地上8階、延べ面積1万692平方メートルの規模。敷地は1600平方メートル。用途地域は建ぺい率80%、容積率700%だ。
 アルファ社の再開発計画の詳細は公表されていないが、今年度内には解体に着手し、26年度にも着工、28度完成を目指すスケジュールと見られる。新ビルは1階が商業施設で2階以上がホテルとなる複合商業施設になるようだ。
 アルファ社では「現在、テナントとなるホテル業者の選定中」としている。

活況 訪日客
 魅力的な数多くの観光資源、円安による旅行コストの低下、直行便の増加などの相乗効果で、北海道を訪れるインバウンド(訪日客)が急増している。高級レストランや百貨店、大手家電などは売上が増加。国内旅行者増も見据えて札幌市などで次々に新しいホテル建設構想が浮上している。
 旭川市内でも日常的にインバウンドを見かけるようになった。旭山動物園、市内の大型ショッピングセンターだけでなく北彩都エリアや常磐公園、三浦綾子記念文学館に隣接する外国樹見本林など、これまで出くわすことがなかった場所でも、家族連れやカップルのインバウンドを見かけるようになった。SNS(交流サイト)を通じて情報が拡散して意外な観光スポットが誕生している。
 24年度のデータだが、旭川市を訪れた観光客数は486万人を超えた。インバウンドが急増しており、市内の宿泊施設を利用した外国人宿泊延数は31.3万泊で、前年度の5割増しとなっている。
 札幌のホテル構想ラッシュとはいかないが、旭川でも2条7丁目で不動産ファンドの「霞が関キャピタル」(東京都)が11階建てのホテルを建設し27年春に開業させる予定だ。同社は東日本大震災で被災したショッピングセンターの再生に携わったことを機に設立。以降、再生可能エネルギー事業やホテル事業など幅広く事業展開をしながら成長を続けている。
 オクノ跡地の再開発計画も、インバウンドを含めた観光客増を見込んでのもので、2条7丁目に建設される霞が関キャピタルのホテル規模と同じか、あるいはそれを上回るものになる模様だ。
 アルファ社では「ホテル業者を選定中」としているが、市内のホテル取引業者の間では「オクノ跡はドーミーインの旭川2館目のホテル」と言われており、かなり確度は高いものと見られる。

変貌2条3条
 学生寮、社員寮の運営で埼玉県で創業した「共立メンテナンス」が94年に第一号のビジネスホテルとして開業したのがドーミーイン。以後、天然温泉の大浴場、無料の夜鳴きそば、地域色豊かな朝食など特色のあるサービスを打ち出し北海道から沖縄まで全国にビジネスホテルを数多く展開している。旭川では5条6丁目に9階建て174室の「天然温泉神威の湯 ドーミーイン旭川」を運営している。
 ホテル取引業者などによると、旭川2館目となるドーミーインは5条6丁目の既存のホテルを上回る14~15階建てとなるものと思われる。
 2年後の27年に2条7丁目の霞が関キャピタルの11階建てホテルは開業予定だが、アルファコートのホテルを核とした複合新ビルもほぼ同じ時期に誕生するものとみられる。
 西武─丸井─マルカツ─オクノと、かつてショッピングゾーンとして活気があったのは宮下から3条の買物公園だった。その後核店舗の閉店が続き集客力は失われ、ショッピングゾーンは飲食街ゾーンに変わってきた。いま、活況はイオンを中心とする駅前ゾーンに偏っているが、2条7丁目、3条7丁目と隣接するエリアにに2つの大型ホテルが誕生することで、2条3条は大きく変貌することになる。

この記事は月刊北海道経済2025年12月号に掲載されています。
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